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霊媒の血紅  作者: しばふn
無我リンピック編
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第四十九話 眼亡VS闇間


昔っっっからな〜んも見えんかったんや。

例えるなら、「ヒジで物を見る」ということ……。

って言ってる海外の人がおった。

やから、白杖もってずっと暮らしとったんや。

点字も覚えたわ必死で。

「文字」ってやつを見たことがないねん。


全く記憶にはないねんけど、どうやら物心つく前に俺の目ん玉が売られたっちゅう話や。

ちなみに目玉の値段は12万2千円。


誰に売られたかって?んなもん親や。

俺の親が俺の目ん玉売りやがった。

目玉売られた理由は終わっとるわ。

ぜ〜〜〜〜んぶ、親のギャンブル代。

おとんもおかんも、パチンコ、競馬、カジノ、その他諸々……ギャンブルに浸ってた奴やったってな。

もしそのギャンブルに勝ちまくれば、目玉も買うたる言うて。買ってもろてないけどな。

親は「負けた」とだけ言うてた。嘘かほんまかもわかれへん。通帳を見れんから。


………こんな色のない世界おもんないわ。

なんもおもんない。

やから俺は消えた。この世から。


目見えんくてしんどかったわ。


ええなぁ。「霊」って。


人間って愚かやわ。



「な?」



「………っっ、、、くそっ、、、」

あぁぁだめだ!こいつ、、、見えねぇ、、、


「俺の名前は眼亡がんぼう。自分、名前は?」


「………闇間、闇間癪人。」


「声ちっちゃいなぁ…。やみましゃくと、、、字は?」


「………闇に、間、癪に障るの癪に人、、、」


「名前終わっとるがな。親どないやねん。」


「、、、」


「俺も親終わっとんねん。お互い様やんけ。」


「………お前……お前なんかと一緒にすんなよ…霊の分際で…!」


「はは…。霊の分際……か。」


「………なんだよ…?」


ガシッ…

急に首元を掴まれる感覚が癪人を襲う。


「ガハッ……おいっ…なん、…」


「確かに俺は霊の中でもカスみたいな立場や。「上級」に分類されとる。無我団でいっちゃん雑魚い階級や。俺をそういう呼び方すんのは、全然かまへん。」


「なっ…なにが……言いたいっ…んだ…」


「声ガッスガスやな…あ〜そらそうか、首絞めてんもんな。」


だめだ……死ぬ………死ぬ…………


闇間癪人の能力【消滅と出現】

この能力は、ありとあらゆる物を消し、どこからでも出現させることができる。

物理法則も能力使用可の範疇内。

光、力、音など。(力は、物理的力のことであり、「能力」などの事象は消滅不可)


首をつかまれており、どこに対象がいるかがわからない。つまり出現攻撃を無駄に打っても、攻撃手段を一つ消してしまうことになる。


つまり…!!!



「………「消、…滅」!!」


ツルッ、と掴まれていた手…?から滑り落ちる。


「……やるやんけ?なんや、何したんや?」


「………お前の手のひらの摩擦を消した…。締める力が弱かったおかげで案外あっさり抜けれた……、所詮は上級…!」


「ははっ…。まぁ…せやな。俺は雑魚やからな。」


「………祓う…!確実に!!」


「その態度、呪にしたらあかんで?」


「………その態度…?」


「「霊の分際…。」お前、霊をなんやと思っとるんや?」


「………そりゃ…人間から「器」がなくなった、負の存在……」


「それは正解。やけどな、呪は創られ方がちゃうねん。」


「………創られ方…?」


「呪には、「人間時代」が存在せん。」


「………は…?」


「自分らが必死こいて戦っとる雷風。あの呪は風神雷神に創られた。」


「………」


「呪は、「神が作り出した霊」って認識や。」


「………つまり…」


「つまり。自分らは、人間以上の存在が作り出した「神の子」を侮辱することになるな。」


「………神の子…」


「まぁ、この際教えただけや。ほな、死んでもらおか。」


「………「消滅」っ…」


「自分自身を消す…か。厄介やなぁ?」


「お前は素で見えてねぇんだよ、!」


「ナイスツッコミ!やるやんけ兄ちゃん!」


ここからはノーリアクションで行こう、

一言も発さずに……


「癪人くんさぁ、なんでそんな名前ついたわけ???」


……そんなもん知るか………癪に触る人って親に言われたんだよ……


「お〜い聞いてんのか?聞こえてんねやったら返事してくれよ」


何も発すな…息を殺せ………


「……もうええわ。付き合ってられん。」


静かに…、…


「バレっバレやで。位置。」


は…?


ドガッ


霊力弾を直で撃ち込まれた…いってぇ………


「くっ…そ、なんでバレてんだ…」


「俺は人間時代、目が見えんかった。そんでそのかわり、耳よ〜なったんや。呼吸の声でバレバレや、どアホ。」


「……「消滅」」


「そうやってすぐ消滅させるな…。お前の声聞こえんくなったわ。声を消したんやな?せっこいやつ。」


……だめだ、上級だとは思えない、…


霊力弾も、致命傷にはならないがこのまま食らっていったらいつかは確実に死ぬ、


相手がどこにいるかもわからない……

故に…!


「………「出現」、!」


あいつの手のひらの摩擦をこの辺の空気に出現させた…。その空間にぶつかった瞬間、空間が少しねじ曲がる……、ハズ…


そして…


「………「出現」」


俺からの音も出現させた…。


「ふぅっ…」


「能力の限界か?ほな勝機やな!おらぁ!!!」


グニッ


「あ……?」


かかった、!空間がねじ曲がった!!


「………「出現」っ!!」


ドゴォォォォオオン………


「っっっ………なるほどなぁ……!能力の使い方完璧やないか!」


俺はこいつから逃げている間に、床を殴った。そしてその殴った衝撃を消滅させ、その衝撃を霊に向け出現し、霊に放った。


「………お前さっき、呪がなんとか言ってたな。」


「あ…?それがどうしたんや?」


「…、…お前は上級。そんな階級に屈してるようじゃ、俺は成り立たないんだよ!!」


「な〜んかな……。自分、癪に障るな……。あ、癪人って!そういうことか〜!!親のセンス抜群やん!」


「うるせぇ…!うっせぇよ!!!」



……癪に触る人……。

何回も言われた……。


俺の親は俺のことが嫌いだった。

この能力のせいだった…。

俺自体、そんなにスペックの高い人間ってわけではない。しかし、普通の人間にはない「霊媒術」という名の特殊能力を持っていた。それ故に、「すごい人でもないのにすごい人ぶるな」と幾度となく言われた。


それもあり、話すことも苦手になった。

元々苦手ではあったが、さらに嫌いになった。


生まれてから数年、俺には名前がなかったらしい。

俺が名をつけられたのは11歳の頃だった。


癪に触る人で、癪人。

はぁ………名前までおもりを背負わないといけないのかよ…

何度もそう思った。



「………お前を殺す。」


「ボケよった!俺もう死んどんねんアホ!」


「「白乱 光、「消滅」」…」



これを5回くらい繰り返す。

光を出し、それを消滅させる。

自分の懐に光を大量に集め、、、



「何しとんねん!殺す…ぞ…?」


あいつ、体が青白く発光しとる…。



「………お前は……感情が無いのか…?」


「んなもんあらへん。霊になる過程で消えたわ。」


「………そうか。」


白乱 光を一点に集め、一気に放出する………川原先生に教えてもらった、白乱の応用…俺にしかできない応用…



「「出現「白乱 超閃光」(ちょうせんこう)」」


どこにいるのかもわからない相手…

この広さなら、これだけの光で十分………



そう思った瞬間、目の前が真っ暗になった。


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