第四十三話 怒り
雷風の力が増してる…!?
何故…!屏風を破壊すれば弱くなるんじゃ、
「俺の雷はな…怒りが強ければ強いほど増強するんだ…お前らは俺から家族全員を奪った…!もう、仲間は誰もいない……」
「三鈴、来るぞ。焦る必要は無い。」
「え、えぇ、ですが…!」
雷がどんどん大きくなる、周りの皆が巻き込まれるかもしれない…!」
「皆を守れ!神!」
神により、下にいる全員にシールドが張られる。嵐と嵐の空中戦、予定にはなかった雷風の怒りによる強化………
「みんな!雷風から離れろ!極力遠くに!!!」
「「怒霆」」
雷風の中で一番火力の高い技「怒霆」。
この技は雷風が怒りを感じれば感じるほど、大きな力となる。
そのことを知っているわけもなく、雷風に怒りを蓄積させてしまっていた。
清水寺を破壊したのも、この怒霆である。
そして、この建仁寺も怒霆により破壊された。
「雷風!!親のいる場所をも破壊する気か!!」
無神無人先生が叫ぶ
「知るか!!!!屏風ぶっ壊されてんだから関係ねぇよ!!!!!」
雷風も叫ぶ。
「大体…この寺も屏風も…人工物なんだ…。こんなとこは故郷なんかじゃねぇ!!!戦場なんだよ!!!戦場!!!」
続けて雷風が言う。
「「風、大、展開 暴風」!!!」
っ、やばい、無神無人先生が本気を出している、、…!
「一刻も早く祓わねばならん!お前だけは!!!」
「あぁあぁそうかい勝手にしろや!!!」
あんなに起こっている無神無人は初めてだ、気迫が……もう、悪霊そのものだ………
「先生!!危険です!!!」
「うるさい!!!こいつは私がやらねばならん!!!」
だめだ、無神無人先生、!無神無人がトぶ…!!さすがの無神無人先生でも…あの量の霊媒力を放出するとまずい………!!!
「神!!!無神無人先生の霊媒力を増やせ!!!早く!!」
ゼウスの力で、詠唱がこのような形でも発動する。神と三鈴が、一体化したみたいなものだ。
………何も起きない、クソ、神は霊に良い影響を与えることを嫌う……。半分霊である無神無人先生には、神のバフを与えることができない…!
「加蔵!血だ!!!」
無神無人先生が叫ぶ
「その嵐の中飛べってことですか!?」
「飛べ!!!!」
「無理ですよ、僕がケガしたらどうするんですか!!!」
「治癒があるだろうが!」
「ありますけど………治癒って、」
「口答えするな!来い!!!」
駄目だ、いつもあんなに温厚な無神無人先生が…今パニックになっている、自分の感情が分かんなくなっている、、、
「神、加蔵をここに連れてこい。」
「っと、ありがとう、三鈴、」
「「大血嵐(メガブラッドストー厶)」!!」
まただ、嵐と嵐のぶつかり合いだ……
雷風はどんどん力を増していっている、
「先生、ここら辺り一帯が消し飛びます、!京都が消し飛びます、!!!」
三鈴が言う
「こいつを祓うまでは何も言うでない!!!」
話が通じなくなっている………
くそ、くそくそ、!どうすれば!!
「ははっ、感情的になってんのかぁ?!」
「お前だってなっているだろう!!」
雷風…無神無人先生……
何故そこまでしてお互いを傷つけ合うんだ、
元は仲良かった兄弟………
「元は!!!仲良かった兄弟なんじゃなかったんですか!!」
花宗先輩が叫ぶ。
………空気が静まり返る。
「無神無人先生も、雷風も、元は二人とも良霊だったのでしょう!!!今ここで、やりあったって意味がない!!ハッピーエンドは嫌いですか!?!?無神無人先生!!!」
…………
「……あぁ。嫌いだ。雷風を殺す。」
「………できればあなたには使いたくなかった………」
「…?なんだ、何を言う?」
「「脳裏再生」」
花宗炎の術の一つ、「脳裏再生」。この術にかかったものは、その人の中で一番最悪な思い出が蘇ると言う術。
無神無人の最悪な思い出。
冥界対戦。
「うぁ、ぁぁぁぁぁぅぁっっっ、!!!」
人間化した瞬間。
「やめろ……やめろ…!解け、!術を!!」
人間化の方法。
…………
人間化………
霊はすでに死んでいる。
それなのに、無神無人は死のうとした。
死んでいるというのに、死ぬと言う行為を可能にしたと言われている。
霊にとっての死、それは人間界に降りることを意味する……いや違う。霊にとっての死は「祓われること」である。
無神無人のした自殺、それは単なる人間化である。
人間化の薬。それはどのようにすれば作れるのか。その薬は注射なのか、飲むのか。
この薬の摂取方法はそのどちらでもない。
そもそも、摂取するものですらない。
無神無人の能力「四種霊力魂」。これは、人間化したときに追加された能力。つまり、霊の能力が別にあったということだ。
無神無人のもう一つの能力、この存在は、誰も気づいていない。そして、本人ですら気づいていない。
それは何故か?
無神無人が、その能力を意図的に使ったことがないからである。
どんな能力かも分からない。
しかし、花宗炎の脳裏再生により、無神無人は全てを思い出した。
かつて、霊ゆえに不必要だった術。
死者を生き返らすことのできる唯一の術。
霊媒師たちが1000年かけて探した逸材の術。
「治癒能力」である。




