第四十話 神ならば(前編)
三鈴の神と交信する力
これは、大昔の三鈴家のとある話が関係している。
〜神界〜
神1「頭の良い生物である人間を作ったはいいが……まだまだ頭が悪すぎる。」
神2「発想力は良いのだがなぁ……」
神3「それと、運動能力が全然駄目だ。」
神1「あ〜…どうしたものか………」
神2「………何か一つを極端に削れば、ほかの力に注ぐことができるんじゃないのか?」
神1「なにを削ると言うのだ」
神2「魂を保つ力さ。」
神3「いや、そこは消してはならんだろう、なんせ器を操作するのは魂だ。」
神2「魂を保つ力は、人間が生きていくときに表に出る力ではない。人間の命の源は心臓だ。削っても問題ではないだろう。」
神1「なるほど。ならばそこを削ろう。」
そして誕生した新種の人間「神の子」。
神の子は、魂を保つ力がほとんどないかわりに、その他のステータスが他の人間よりも著しく高い。
ある一人の母親に、その子を落とす。
しかし母親は、その子の持つ力に耐えきれず、出産するやいなや、その母親は息を引き取った。
父親は、「祟りだ」と子を恐れ、捨ててしまった。
その子は、草むらに乱雑に捨てられていた。
子供を引き取ったのは、とある老人。
彼の名は、「三鈴 億」。
三鈴一の、ひいひいひいおじいちゃんである。
(三鈴 億)曾々々祖父
(三鈴 万男)曾々祖父
(三鈴 千鶴)曾祖父
(三鈴 百太)祖父
(三鈴 十介)父
(三鈴 一)自分
オギャー、オギャー、
「おや、こんなところに赤ん坊が。拾ってあげなければ、」
はぁ。まったく、誰が赤子なんか捨てるんじゃ。
「ほれほれ、大丈夫じゃ。わしがついとる。」
オギャー、オギャー
「赤ん坊となると何を食うんじゃろうか……乳房はないから乳はあげられん…」
オギャー、オギャー
「……粥でも食わすか。」
神1「おぉ、なんということだ…我々の子を育てる老人が現れた…!」
神2「捨てられた子が、残り数年の寿命とも知らずに…」
神3「よかった………」
魂を保つ力を削る
これは、肉体を操作するものの力が消えるということになる。
そのため、寿命はとても短くなってしまう。
神は、人間のような寿命のメカニズムを理解していなかった。
神の子の寿命は残り【5年】
「そうだ、名をつけよう。何が良いかのぉ……そうじゃ、わしの一人目の子じゃ。「はじめ、と名付けよう………。漢字は…一人目という意味で「一」。よし、今日からお前は一だ!」
こうして、「一」が誕生した。
「一!立っとる!歩きよったんか!おお、ほれほれ、わしのもとへきてみぃ、おぉよしよし、ええこじゃええこじゃ!」
三鈴 億は、一に大きな愛情を注いで育てた。
一、【2歳】。
神の子の寿命は残り【3年】
「と、とと、」
「と、「ととさま」って言おうとしとんか?ほれ言うてみ、とーとーさーま、」
「と、と、あ、ま、!」
「よし、言えたことにしてやろう!」
初めて喋った。
一、【4歳】
神の子の寿命は残り【1年】
「ととさま!てつだう!」
「お、!手伝ってくれるというのか!そうじゃな、そこの木、家まで運んでくれるか?」
「やる!」
「ええこじゃ!」
流暢に喋るようになり、自主的に手伝いをするようになった。
一【5歳】
寿命【0年】
「一、!どないしたんじゃ!一、!!!」
「はぁ……はぁ………」
「一ぇっ、!」
「ととさま、しんどい、」
「あんま動かんようにな、安静にじゃぞ、!」
体を動かすための力を、生命維持に使っている。もう、動くことはできない。
数カ月後
「一えぇぇぇぇぇぇ…………あぁぁ、、」
一は死んだ。
残り五年の寿命だったと言うことを、億は知らなかった。何とも言えない虚無感が、億を襲う。
すると、後ろから声がする。
「……あのぉ、」
「…誰じゃ、」
「すいません、神なんですけども……」
「神…?なに夢を見とる…。」
「いや本当なんですて、その子神の子なので、」
「神の子…?なんじゃ、一のことか?」
「ええ、まさに、」
「……あの子は早うに死んだ。何が神の子じゃ。」
「神の子だからこそ!…五年の命だったんです…。」
「だからこそじゃと…?」
「ええ、なので、」
「ほざけ!!!!」
「ひっ……」
「わしが丹精込めて育てたんじゃ…お前らが殺したっちゅうんか!?」
「い、いえ、本当に、」
「あ…?」
「なので…一つ聞いてほしいことが…」
「…言うてみい」
「私たちを三鈴家の一員にしてもらえませんか?」
「………何を言うとる」
「私たちは、あなたに多大なる感謝をしております。故にどうか、どうか我々の力をお貸ししたい、」
「なら生き返らせろ。一を。」
「……神の構想物は一度壊れるともう二度と再構築はできませんのです………申し訳ございません…」
「………そうか。」
「子供なら、!与えることはできます、!」
「…信用ならん。神の子は5年で死ぬ。そう言ったばっかりじゃろうが。」
「いえ、あの子は特殊だったんです、しかしその力を、5年では発揮できなかった……」
「………そうか。」
「妻も、!妻もお付けいたしましょうか!」
「いらん。そんなもん。何年も前に死んだ。じゃがわしの心に生きとるんじゃ。」
「そ、そうでしたか、」
「………子は」
「はい…?」
「子はいつできる。」
「い、今すぐ、!」
「出来次第くれ。」
「ありがとうございます、!……あなたのような御方には、神の力を永遠に授けます、!」
「そうか。好きにせい。」
三鈴家の力は、ここが原点である。




