第三十四話 無神無人
雷風が現れたその瞬間に、我々が仲間にしたと思っていた「蘇芳」を一瞬で祓ってしまった。蘇芳は、四天王の中で最強だった。そして我々は、蘇芳にとても苦戦してしまった。隙を与えようもんなら、すぐボコられる。
だが雷風はそうではなかった。相手に一瞬の隙も見せず、一瞬で祓った。到着直後の川原先生のように、…。しかしあの時の霊は上霊、雷風が祓ったのは祟………。力の差が、もう目に見えて分かっている…。
そんな中…雷風と戦うのは俺と無神無人先生の2人…?
「なんで全員加勢させないんですか、!?」
「加蔵、霊媒師が絶滅してもよいと思っているのか」
「いや、、そうとは言いませんが……。」
「いいか加蔵、霊媒師というのは、この学校にいる者が一番強いという認識でいい。弱い者は、学校を辞退し、霊媒師を辞めるか、霊媒師は続けても個人として活動するか。個人での霊媒師活動者は、一部例外を除いてレベルが年々下がっている。そんな中、霊媒師学校の我々が全滅しようものならたまったものではない。私たち2人できり抜けよう。」
「わ……わかりました……。」
なるほど……そういう意図か…。
「兄貴さぁ…なんであん時人間化しちゃったわけよ、あ?」
「なぜ理由を話さなければならない?」
「そりゃあ気になるじゃんか!なんで、そんなアタオカなことしちゃったの〜?って話!」
「……はぁ。そんなこと、覚えているわけがないだろう!」
「「疾風迅雷」!!!」
するととんでもない速度で光りながら無神無人先生に近寄る…………!!!
「「雨 展開」」
「ちっ……。」
「己の身体の内半分が雷だというのに、雷を浴びたら感電をする…のだな。」
「それが何だよ兄貴!」
「この雨はそれを確かめるために出した。雷をまとう術にとって、水はあまり望ましいものじゃないようだな」
「うるせぇ!」
「その心意気で私に勝とうとでも?」
「まぁ…俺も試し半分でやったけどねぇ!」
兄弟喧嘩………仲が悪いというか、そもそもお互いを敵対視しているから、兄弟とか関係ないのでは…これ…
「風、大、展開、「暴風」!!!」
「ははっ、その能力はどっから来たんだか!「紫雷」っっ!!!」
まずいまずい、!空中戦が繰り広げられている、!加勢……したいけど…できない、!激しすぎる……!
「ふっ、そうか兄貴、母上と父上に、認めてもらえなかったもんなぁ!」
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「母上…父上……!!兄様が…兄様が人間界に降りてしまいました………!」
「なに、どういうことだ?!」
「は……やっぱりあの子、出来損ないね。」
「所詮はガキか………クソ…」
「それに比べて……あんたはいい子だと思うわ〜!ちゃぁんとめげずに、私たちに報告してきてくれたものね?」
「うむ、そうだな。我々の能力は、お前に授けよう。そして、名前は」
「雷風だ。」「雷風よ。」
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「ふふ……雷風……いい名前だと思わないか?!!」
「安直すぎて面白みがない。」
「兄貴…そんなもん求めるタイプだったか???……なるほど!強がってんのか!」
「風、闇、展開。「闇風邪」」
「おいおいおいマジかよ、!」
四種霊力魂…この能力は弱い。一つ。使い手によって強さに激しい落差が生じる。二つ、本領は全てを展開した時だが、最強の技を放った時ほどの反動を有する。三つ、シンプルに火力が出ない。
霊力をそれぞれの「属性」に特化させ、組み合わせを作り技を放つ。私の場合は、雨、風、大、闇。
雨はその名の通り、雨を振らす。
風もその名の通り。風を吹かす。
大は、自身の身体や技の規模を巨大化させる。
問題は闇だ。
闇がなぜ問題なのか。それは、その使い勝手にある。
この能力が〝弱い〟理由でもある。
闇は、先ほどやったように対象を闇に包み、見えなくするといった効能がある。または、闇で視界を遮り、見えなくする、という手もある。これは私のなかの霊力と霊媒力を両方消費する。故に霊に対し強力なのだが、トぶ可能性と、霊としての機能限界。2つのリスクを同時に負っている。その癖して、闇と何か別の魂を同時に使わないとろくな火力が出ない。「大」を展開すればそこそこのダメージは出るが、祟や呪などの超階級の霊にはそこまで有効打ではない。
あまり使いたくなかった…。
ゴゴゴゴゴゴ…………
真っ黒い風が吹いてる…!!暴風よりも…圧がやべぇ…!!
「兄貴……それ、封印してたんじゃなかったのか…?」
「お前相手だ。むしろ使われたことを光栄に思え」
「ちっ……クソ…」
「加蔵!!!私の元へ!闇の展開中はむやみに動けない、!!」
はっ…!!
川原先生がやってた、白乱を足から放出し、起爆させて飛ぶ…!!…、…あれ…?
「何をやっている、!加蔵!!」
白乱 爆が発動しない…??
「加蔵くん、!それ、僕だからできるの!白乱って、霊力に触れたら破裂するでしょ?僕は霊化して、霊媒力が霊力に変換されんの!んで、白乱を足の下に出したときに、僕が踏んで起爆してんの!!」
闇から川原先生が叫ぶ。
まじか…やばい、足手纏いだ…俺、
「くっ……」
ここからどうすれば………一気に、上空にジャンプ………爆発……はっ、爆発!あるじゃないか、爆発させる技!!
「地之田先輩!何でもいいので石を!小さめの!」
「石?、、これ、はい!」
「ありがとうございます、!!」
この石に…、…血管を作る…!
最初に思いついた技!!!
「「血壊」っ!!!」
バゴォンッッッ!!!
石を血壊で爆発させ、その爆風で飛ぶ…!!
小さめの石に、一気に血管を張り巡らせ、その小さいところから一気に圧力を放出させることで爆発の威力を上げる…!!
本来爆破目的じゃないけど!意外と役に立った、!!!
「先生っ!!」
「よく飛んだ。さて……」
「兄貴……その目、敵にしか向けない目だったじゃないの??、目の前にいるのは、実の弟だよ?」
「こいつを祓おう。加蔵。」




