5月19日(木)夕方1
5月19日(木曜日)夕方1
新聞クラブを飛出したナギは、怒りに任せて、大股でグラウンドを歩いていた。足は校門に向かっていた。
「ナギ! 待ってば。もう! どんどん先に行っちゃうんだから。」
アミが走って追いついてきた。激しく息を切らしている。
外に出たせいかまとわりついている匂いが大分薄らいでいた。
アミは荒い息の下からアミを叱咤した。
「まだ帰っちゃダメだよ……次はバレーボールクラブにアポを! ……!」
(まだ続ける気なの……?!)
くしゃみが収まったところで怒りは収まらない、ナギは無言でアミを睨みつけた。
アミは、はっとした様子で黙り込んでしまった。
そして、重苦しい沈黙の末、校門に近い校庭の桜の木の辺りで、アミはためらいがちに口を開いた。
「あの、ナギってば。……もしかして怒ってる?」
「……別に。」
「やっぱり怒っているじゃん、なんではっきりいわないの?
確かにあたし、あなたのことをダシにして、取引の材料にして、パンダグッズ、たくさん、ゲットしたんだよ……。
でも、だって、欲しかったんだもん。別にいいいじゃん、減るもんじゃなし!
それに、『三瓶さん』探しとか、いろいろ手伝っているんだし。これだって立派な報酬よ、『報酬』。」
(確かにマリジョの「報酬」に当てはめていうなら、そういうことになるんでしょうけど!
それに確かにいろいろ手伝ってもらっているけど!
……でも! マリジョの「報酬」は、事前に「双方の合意」があって初めて成り立つっていう不文律があるでしょう?
私に内緒で取引の材料にしている時点でアウトだよ!
しかもアミはその取引を、「三瓶さん」探しのためといっておきながら、実際は自分の欲しい物のためだけに使っているじゃない!しかも、しかも! すべて、全くもって悪いと思っていない!!)
ナギは本当はこういってやりたかった。
『だからもう絶交! 探偵コンビははもう解散!』
と。
(つづく)




