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5月18日(水)放課後2
5月18日水曜日 放課後2
「私、知っているんです。」
マルちゃんはもう一度切り出した。
(知っているって、もしかして、……!)
ナギは息を飲んだ。
マルちゃんは早口で続ける。
「全部知っています。図書館の棚がイタズラされていること。
新開先輩なら許さないですよね、こういうことは。
図書館の棚が荒らされているなんて!
そして、和戸先輩と2人で「犯人」探しをしていること。
だって、私、先輩のこと、いつも見ているから……!
私も犯人探しに協力させてください。何でも手伝います!!
だって、わ、私、先輩のこと……!」
いいながら、マルちゃんの体はみるみるうちにぐらぐらと揺れ始めた。
顔は相変わらずうつむいたまま。
耳は……真っ赤だ。
(これは……! この雰囲気はヤバい!)
ナギは本能的に悟った。
(今のマルちゃんは、完全にのぼせ上がっている!
まともな話が出来る状態ではない。)
必死で目をさっと見回し、返却図書の山を見つけるなり早口でいった。
「き、今日は、返却図書を棚に戻す作業をさせて欲しいんだけど……
マルちゃん、カ、カ…カウンターお願いして良いかな?」
ナギは本の山を抱えると、そそくさと書架の隙間へ逃げ込んでいった。
背後のカウンターで、遠く、マルちゃんが床にへたり込む気配が伝わってくる……。
(つづく)




