5月16日(月)昼休み1
5月16日月曜日 昼休み1
月曜日、昼休みの屋上は五月晴れ、空には羊雲が浮かび、光が満ちあふれていた。
体育祭の準備であわただしい校舎内を避けて、屋上のすみにならんで腰をかけ、2人はランチを食べていた。
そして、互いの推理を披露しあった。
ナギの推理もアミの推理もあまり相違がなかった。
何しろ手がかりは「M09088」という学生番号だけだったからだ。
ナギもアミも自分の番号ならともかく、他人の学籍番号が何番であるかなど、普段気にしたこともない。
だから番号から読み取れるのは、とても曖昧な印象だけだった。
まずは、3年生の番号であるらしいこと。入学年度が2009年であるのは確実だろう。
そして、名前が「カ行」から「タ行」の間くらいであること。
これはナギとアミの番号から推測した結果だ。
マリジョは各学年の生徒数が約200人程度。
新開の「し」が095番、和戸の「わ」が192番だ。
だから50音に当てはめると新開の「し」に近い音で始まる名前であろう、と。
続いて、ナギは例のプリントアウトを取り出しながらいった。
「それからね、この紙を見ていて、私、発見したことがあるんだけど。」
「え、どんな?」
「この予約表の中に、この人の学籍番号が他にないか見てみたの。
そうしたらあったのよ!
この『誰かさん』は、4月だけで他にも6冊、本を予約していたの。」
「わぉ!」
アミが思わず手に持った箸を取り落としそうになる。
「もしかして、図書館の常連さんのうちの1人なのかもねぇ。
実はカウンター越しに、もう何度も会っているのかも……。」
「……かもね。」
本のページを破った「誰かさん」は、本棚をめちゃくちゃにしながら、一方で素知らぬ風を装ってカウンターを訪れている……。
そう考えただけで、ナギの心中には、歯がゆいようなイライラがつのった。
しかし、そういった感情を押しとどめて言った。
「ここで、根本的な問題が1つあるんだけど。」
(つづく)




