5月13日(金)放課後3
5月13日金曜日 放課後3
……後で矢沢さんが説明してくれたところによると、先生のパソコンは図書館のカウンターやパソコンルームにある物と違って、ちゃんと1台ごとにIDが与えられている。
つまりパソコンを起動する時にパスワードを入れると、自動的にサーバーと接続できるのだという。
だからサーバにある図書館業務ソフトの本体直接アクセスすれば、簡単にシステム管理用の画面に入れるのだ。
加えて、閲覧するだけならサーバのログにも残らないし、端末の方には許可されていない書類も閲覧することが出来る。
ましてや先生は検索システムソフトを立ち上げたまま席を立ったので、不審な形跡がのこったとすればただ1つ、プリントアウトのログが残ってしまったことだけだ。
ただ、これこそチェックされる心配はないだろう。
……ナギたちのことが疑われない限りは。
プリンターがのんびりとプリントアウトの準備を始める音に、ナギはじれったくて心臓がどきどきしてきた。
(あぁ、間に合うのかな……?)
と、そこにマルちゃんと先生のなにやら話す声が聞こえてきた。声はだんんだん近づいてくる。
(え、もう戻って来ちゃったの?)
ウイーン、ようやくプリントアウトが始まった。その音が思いがけず大きく響き渡りナギの心臓をわしづかみにした。
その音に振り返りながらアミは、
「早く! 早く!!」
小声で叫び、矢沢さんの背中をバンバンたたいて、席から立たせた。
矢沢さんも心得た物で、扉の方を伺いながらつま先立ちでいそいそと書架の方へ身を隠した。機械はまだうなりを上げている。
1枚、紙がはき出されきた。なんとか間に合ったか……?!
……と思った束の間!
プリンターはすまし顔で2枚目のプリントを開始した。
(つづく)




