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5月13日(金)放課後1

5月13日金曜日 放課後


 金曜日、アミとナギ……それからマルちゃんの3人でカウンターに入った。

図書館のカウンターでマルちゃんに手短に事情を話す。

マルちゃんは一生懸命うなずきながら聞いてくれた。

そして最後にぴょこん、と頭をさげた。


「新開先輩に頼まれるなんて光栄です! 

……応援合戦の練習の時も忙しかったらいって下さいね。

当番いつでも交代します!」


 ナギは牛尾先生とかち合わないように、返却図書の山を抱え、書架整理に向かった。

書庫の入り口付近にある棚で書架整理のフリをしながら、カウンターの方に聞き耳を立てる。

マルちゃんが牛尾先生に何ごとか話しかけている。

なにやら「窓…」とか「巣…」とか行った単語がとぎれとぎれに聞こえてくる。


(ああ、あそこ、東側の学習机のブースが並んでいる辺りの外壁だ。

庇のところに以前からスズメバチの巣があったっけ。

そのことを口実に利用したんだ。マルちゃん、よく思いついたなぁ。)


 そのとき、棚を眺めていたナギはまた発見してしまった。

またジャンルの違う本が今度は「天文学・宇宙科学」の棚に紛れ込んでいる。

いくらタイトルが『太陽の時代』だからって、これは「歴史」の本だ。

古代日本で活躍した卑弥呼と邪馬台国について書かれた本。


 一目で分かった理由は、ナギもこの本を読んだことがあったからだ。

この作者の本は、やさしい語り口で書かれていて、どれも分かりやすく実に読みやすい。


(……それなのに宇宙や星座について書かれた本と一緒に入っているなんて!

『棚』違いもいいところだわ。借りたい人がいても見付けられないじゃない。)


 丁度腰の辺りの高さにあったので、しゃがみこんで本を抜き取ろうとした。

するとこの本が本棚に思いのほかきつく差し込んであったことが分かった。

ナギは、本を引っ張るようにして抜き取って、歴史の棚に向かう。

元の場所には丁度1冊分の隙間。そう、この本『太陽の時代』のサイズにぴったりの空間が空いていた。


 そうこうしている間に、マルちゃんと先生が図書館の外に出て行く気配。話し声が段々遠ざかってゆく。


(つづく)

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