5月12日(木)昼休み1
5月12日木曜日 昼休み
「第1回体育祭実行委員会を行います。至急音楽室にお集まり下さい!」
校内放送が流れている。
ナギとアミはお昼ご飯を急いで食べ終え、連れだって廊下を歩いていた。
生徒が数人、足早に音楽室の方に歩いてゆくのをやり過ごしながら、パソコン実習室、通称パソコンルームに向かう。
そこでは、すでに数人の生徒がお弁当を食べながらたむろしていた。
パソコンクラブの部員達だ。
マリジョにはいろいろな文化系クラブがあるが、パソコンクラブはとりわけ異色の存在だった。
この一見地味な名前のクラブは、実は裏の顔を持つ。それは通称「占い研」だ。
文化祭では「統計データの操作」と「アルゴリズムの研究の成果」と称して、パソコン占いの店を開き、生徒や来訪者で大にぎわいとなっていた。
3週間後に控えた体育祭も、裏の主役はこの占い研といっても過言ではない。
体育祭優勝チームを当てる「マリジョルールのトトカルチョ」を企画。
体育祭を盛り上げようとこっそり大胆に活動中だった。
ナギとアミがパソコンルームの扉をがらりと開けると、一斉に部員達が振り向いた。
「あれ、アミじゃん、どうしたの?」
たむろしている生徒の内1人が声をかけてきた。
「矢沢さん、ちょっとお願いしたことがあって……いいかな?」
手をワイパーのように、ひらひらと振りながらアミはにっこりとほほえんだ。
(つづく)




