第31話 赤い彗星(味噌スープ)だと!?ツーエーの歌姫は、化物か!?
ん・・・母さん?
「真希ちゃん、そうそう・・・そんな感じよ」
「ママさん!真希はダメですって!」
「あっ!真希さん力い入れ過ぎですよ!まな板まで切れちゃってますって!」
―――この状況・・・マジかぁ――ー
俺はゆっくりと起き上がり、水原さんに見つからないように
お宝のアクキーをそっと机の引き出しにしまう・・・
部屋の外の声に耳を傾けながらゆっくりと着替える
そっと部屋のドアを開け、様子を伺う
「テメェ!真希!何をどうしたら卵焼きが紫になるんだよ!」
「こっちの味噌汁も、なんで真っ赤なんですか!!」
「―――料理は見た目じゃなく、味よ味!」
「味って・・・こんな毒々しい煙の出てるスィートコーンスープ・・・タクミンに飲ます気か?」
「あらあら~フフフフ、真希ちゃん大丈夫よ、巧は偏食だから」
水原さん、黄瀬さん、麗華さんの3人が水色、黄色、赤のエプロンを身に着け
狭いキッチンにて料理?を作ってる
母さんは、リビングの椅子に腰かけニコニコ見守っているだけ・・・
麗華は、まぁ調理実習とかでも完璧な分量で科学実験のように料理をつくるイメージはあるので安心だとして
バイト先で知ってる、家事能力ゼロの黄瀬さんも大概だったけど・・・
水原さんて、完璧アイドルってイメージで、実は料理ポンコツ枠なの?
俺を意を決し、部屋からでる
「あ、み、皆さん・・・おはようございます」
「「「おはよう!巧」巧君」タクミン!」
「あらあら、おはよう巧、今日は一人で起きれたわね~」
別に一人で起きれるし・・・週に一回くらいは
「と、ところで何で皆さん今日も家に?」
「偶然ですよ巧君」
「そっ偶然よ」
「たまたまだよぉ~」
「・・・・・」
―――そして、俺の前には怪しげな毒素を放出する料理が・・・
「ごめんね巧、色々失敗しちゃって・・・ひとり分しかできなかったの・・・」
水原さんが肩を落としションボリする
「見た目は――――まぁアレだけど、味は大丈夫――――の、はず・・・」
「―――だ、だから遠慮せずに食べてね!」
水原さん・・・貴方のその根拠はどこにあるのですか?
まずは、四角形の漆黒の板・・・まぁこれは食パン
―――だった物なのだろう
水原さんは勿論だが、母さん含め、麗華さんや黄瀬さんも俺が手にした、黒い四角の物体に注目する
ガリッ
ガリッ?食パンを食べててそんな触感に出会った事があるだろうか?
少なくとも、ボクは17年間であった事がない
「た、巧がフレンチトーストが好きって聞いたから・・・」
フレンチ?フレンチどころかピンチです・・・
ジョリジョリ・・・
「う、うん・・・嚙んでると若干―――甘味を感じる・・・かもね」
苦みという果てしない地層の底にある、僅かな甘味を出来るだけオブラートに包んで伝えてみた
「や、やった!」
「まぁまぁ真希ちゃん良かったわねぇ―――」
次いで、紫スクランブルエッグに・・・真っ赤なケチャップ
何かの殺人現場だろうか?
禍々しい・・・
若干震える手でスプーンで紫のスクランブルエッグをすくうと
皆が俺の口元に注目する
「!?こ、これは・・・普通に甘くて美味しい・・・」
見た目はアレだけど、悪く無い
「よかったぁ―――自然な甘味を出すのに、紅イモから取ったデンプンや、和三盆をつかったの!」
「へ、へぇ―――(途中まで卵焼き予定だった事には、触れないでおこう)」
そして、問題の毒々しい真っ赤な味噌汁・・・
三度皆が俺に注目・・・
「!?」
一瞬で意識が飛んだ――――皆の顔が一瞬だけ見えたような気がしたが
次の瞬間、後ろにひっくり返っていたらしい・・・
この世の物とは思えないマズさ
―――心配そうに巧を覗き込む麗華とエミリ
「あらあら、これは巧も新婚生活大変ねぇ―――」と、訳の分からない事を口にする母、春香
真希は巧が、最後に(注:生きてます)口にした真っ赤な味噌汁を、ひとくち口に含む
「う―――ん、やっぱり味噌の代わりに、ハチミツとイチゴジャムだと、口の中で喧嘩しちゃうか―――」
――――味音痴の殺人料理姫は、こんりんざい厨房に立つなし!!byツーエー勇者部隊一同
球技大会まで後、1日・・・・




