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俺だけ異世界転移していないらしい 〜異世界で俺と結婚した三人の嫁が、転移前の俺を必死に攻略してくる  作者: nayaminotake
第一章 俺のクラスがおかしい

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第29話 もう一度、幼馴染として・・・子供は3人は欲しいですね!by麗華

「眼が覚めましたか?」


 目をあけると、黒髪の美しい女性が俺の方を覗き込んでいた


「―――!?黒峰さん!?」


 慌てて、バッと体を起こす


 ここは、あの時の公園―――

 すっかり暗くなり、誰も居ない公園で街灯だけが俺たちを照らし出す。


「僕はいったい・・・」

「何も気にしなくて大丈夫ですよ、巧君」


 よく見ると、黒峰さんの口の横に薄っすらと血の跡が・・・


「!?その血!まさか黒峰さん?!」

「あぁ、これはそう言うのでは無いので、ご心配なく」


 黒峰さんはポケットから取り出したハンカチで口の横についた血の跡を拭き取る


 馬鹿な俺でも察する・・・怪しい影や暴漢らに襲われた俺を黒峰さんが助けてくれたんだ・・・

 情けない―――

 女の子を守れる強い男に・・・母さんとそう約束したにも関わらず

 女性である黒峰さんを危険なめに


 それに――――


「あ、あの・・・御免さない!」

 俺は黒峰さんに頭を下げる


「え?やめて下さい!頭を上げてください巧君!」

「いえ!僕は黒峰さんに酷い事を言ってしまたのに、危ない所を助けてもらって!」


「僕は自分が情けなくて―――お金も力も無い自分が・・・本当に情けなくて・・・」


 ギュッと黒峰さんの柔らかい胸に抱き抱えられる


「良いんですよ・・・巧君は、十分わたくしを助けてくれました・・・小さい頃も、そして――――」


 ん?なんか頭を締め付ける力が強い様な・・・


「わたくしも、巧君の気持ちを想い至りませんでした・・・春香様への想いを軽んじる様な真似を・・・」

「いえ・・・それは僕の我儘です、今のままじゃいつ、祖母の形見の櫛を買い戻せるか・・・」


「質流れは無くても、買い手がついたら二度と母の手には戻りませんから・・・」

「では、こうしましょう」


 黒峰さんが俺の頭を放すと


「巧君が私が買った金額で、私から買い戻す―――と、言うのは如何ですか?」

「いいんですか?・・・何年かかるか分かりませんけど・・・」


「構いませんよ、それまでは、わたくしが責任をもって春香様の思い出の櫛を保管しておきます」

「あ、ありがとう御座います!必ずお金を貯めて黒峰さんから譲ってもえるようにします!」


 黒峰さんは笑顔で頷いた


「でも、今日も助けてもらって、櫛の事まで・・・僕の気が済みませんので何か出来ることがあれば―――」

「では一つ・・・麗華と」


「昔みたいに麗華と呼んでいただけますか?」


「で、でも・・・それじゃ――――」

「遠慮はいりません、わたくしらは、将(・)来(・)を(・)誓(・)っ(・)た(・)幼(・)馴(・)染(・)では御座いませんか!」


「!?将来は誓ってませんよね!」

「あら?巧君にとっては悪い話しではありませんよ?私の夫になれば、当然わたくしの物は巧君の物に・・・」


「つまり、春香様の思い出の櫛も巧君の物に・・・いかがですか?」


「いえ!絶対にお金を用意させて頂きますので!」


「あら残念ですわ、フフフフ・・・でも、昔みたいに麗華と呼んで頂きたいのは本当です、わたくし・・もう一度、巧君の幼馴染をさせて頂きたいです。」

「わ、わかりました・・・れ、麗華・・・さん」


「さん・・・まぁ今の所はそれで―――フフフ、それじゃ、幼馴染として久しぶりに、わたくしを家まで送って貰えますか?」


 麗華は俺に笑顔で手を差し出した・・・


 おずおずと手を伸ばすと、麗華はその手を強引に握り


「さぁ行きましょう!」


 夜の公園を後にする


 ―――――その様子を見送る2人の影・・・


「ちぇ――――いい所、全部麗華にもってかれたじゃん」

「まぁ今日は、麗華に任せるって作戦だったじゃない・・・最後まで任せてみましょう」


「でもさぁ―――タクミんをあんな危ない目にあわせてんじゃん!」

「さっきのだって、麗華がタクミんを一人にしたからだし!」


「―――そうね、修斗の言う通り、今の巧を一人にするのは危険ね・・・」


「?真希、何か考えがあるの?」

「・・・まぁね、でも今日の所は麗華のターンだから、私らは麗華からの吉報を待ちましょう」


「はぁ―――アタイも早くタクミンに名前で呼んでもらいたいなぁ―――」



 ――――巧と麗華は、夜の住宅街を昔話をしながら歩いていた・・・


「で、ここの番犬が大きくて、わたくし本当に怖かったんですよ!」

「あ、あぁ・・・確かに、あれって秋田犬でしたっけ?」

「そうですそうです、口も大きくてケ(・)ル(・)ベ(・)ロ(・)ス(・)みたいでした」


「?ケルベロス??」

「えぇ、まさに地獄の番犬!って感じでした」


「あ、あぁ・・・成程」


 しばらく歩くと、大きな屋敷が見えて来た・・・黒峰邸だ

 麗華さんが、正面ゲートの前に立つと音も無くなく勝手に門が開いていく―――


「それじゃ僕はこの辺で・・・」

「え?少し寄って行って下さいませ、夕飯もまだでしょ?」


 確かに、すでに時間は21時を回ってる・・・

 いまから近所のスーパーに行っても値下げの総菜は残って無いかも・・・


「さぁ!」

「あっ!?ちょっ!?」


 考える間もなく麗華さんに強引に腕を引かれ、屋敷の中に・・・


 ―――広い庭を通り、玄関へ


 ガチャと扉が開くと―――


「おかえりなさいませ、お嬢様―――旦那様と奥様がお待ちです」

「えぇわかりました」


「御神様も、ようこそいらっしゃいました」

「ご、ご無沙汰してます・・・木田さん」


 出迎えてくれたのは、使用人の木田さんという女性・・・

 昔よく麗華の家に送って行ったときに挨拶をしていたのを覚えてる


 木田さんは、黒髪の眼鏡美人だ


「あ、あの手洗いをお借りしても?」

「はい、ご案内します」


 俺は、やたら広いトイレに案内され落ち着かないまま用をたしていると・・・

 何やら洗面所の方で麗華さんと木田さんの話声が―――


「いやよ、巧君と繋いだ側の手は洗わないわ」

「畏まりました、では僭越ながら反対の手は私が・・・」


 うーん、なにを言ってるのかよく聞こえないけど―――

 俺の事言ってた?


 ――ー俺たちは、麗華さんのご両親が待つ応接室へと通された


「お、お久しぶりです…御神巧です」


 入って早々、黒峰さんの両親に頭を下げる


「・・・・・・・」

「まぁまぁ、何年ぶりかしら―――巧君よく来てくれたわねぇ―――」


 白髪の不機嫌そうに腕を組んでるのが、麗華さんの父親である

 黒峰富雄(くろみねとみお)さん


 そして、隣に座ってる美しいマダムが、麗華さんの母親である

 黒峰麗羅(くろみねれいら)さんだ・・・


 麗羅さんは、俺の母さんに負けず劣らずの若々しい黒髪美人で、顔立ちも麗華と良く似ている

 昔、麗華を送って行ったときは、沢山のお菓子を持たせてくれた、とても優しい聖母の様な女性だ


 いっぽうの富雄さんは、正直言って苦手だ・・・

 見ての通り、かなり年配で麗羅さんとも歳がひとまわり以上離れているらしい

 高齢で出来た一人娘の麗華を溺愛してるので、男友達だった俺はやたら睨まれたっけ・・・まぁ、とばっちりだけど


「今日は巧君も一緒にご飯を食べてもらおうとおもうのですが」

「まぁ!それは良いわね!」


「・・・・・ならん!」


 喜ぶ麗羅さんの横で、腕を組みムスっとする富雄さんが一蹴する


(まぁそうだよね、数年ぶりに顔を出して、飯を食わせろなんて厚かましいにも程がある―――今日は、奮発してコンビニでお弁当でも買って帰るか)


「そ、そうですよね・・・では僕はこの辺で――――」

 ガシッ


 頭を下げ帰ろうと振り返った俺の手を麗華さんが掴んだ


「――――ならん?とは?」


「ならんものはならん!」

「あなた・・・大人げないですよ・・・」


「大人げないとは何事だ!未成年で未婚の娘が、こんな時間に男を連れて帰ってきて、飯を食わせろだと!」


 ―――仰る通りです、富雄さんもっと言ってやって下さい!


「儂はそんな風に育てた覚えはないぞ!」


 バン!


 富雄さんがテーブルを叩く


「わかりました、それでは――――今までお世話になりました、御父様も御母様も御達者で」

「え?」「え?」

麗華さんが急におかしな事を言い出したので、俺と富雄さんが呆気に取られてると


「まぁまぁ、娘の旅立ちね―――寂しくなるけど、孫が出来たら会いに行くから―――」

「はい、遠からず御母様にだ(・)け(・)は(・)、連絡いたしますので」


 ―――え?なに孫って・・・


「ま、まちなさい!麗華!出て行くとはどういう事だ!それに母さんにだけ孫を合わす気か!?儂はどうなる?」

「そのままの意味ですよ?知りませんか?駆け落ちってワードを、あ、ちなみにお爺ちゃんは居ないって、子供らには伝えますのでご心配なさらず」


「か、駆け落ち!?」

「えぇ、駆け落ちです」

「儂、孫に会えないの?」

「はい、会えません」


 ―――え?富雄さんポイントブレてますよ?孫とかそういう問題じゃないですよね?


「あなた、麗華を笑顔で送り出しましょう・・・旦那にご飯も食べさせてあげれない妻の気持ち・・・私には痛いほどわかります・・・」


―――え?旦那?誰が?たかが晩御飯を食べてく食べてかないで何でそんな話になるの?俺が頭悪いから話に追いつけないのかな?


「―――これは、貴方が貯めた貯金です・・・50億程と少ないですが、これで巧君と二人で何とか、やりくりして頑張りなさい!」


 そういうと、10枚ちかい通帳とカード、印鑑を麗華に手渡す麗羅さん


 ―――え?俺、時給1200円で頑張ってバイトしてますけど?


「―――御母様・・・私、どんな貧しい生活でも、巧君となら乗り越えて見せます、子供も3人は作ります!」

「麗華!お母さんも孫3人、頑張って抱ける様に筋トレしておくわ!」


 涙を浮かべ抱き合う母と娘・・・そして唖然とその様子を見つめる父親


 ―――え?全然ついてけない―――


 ナニコレ―――

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