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俺だけ異世界転移していないらしい 〜異世界で俺と結婚した三人の嫁が、転移前の俺を必死に攻略してくる  作者: nayaminotake


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第28話 邪神の第五位階使徒 vs 魔女 黒峰麗華

深皇との契約…

市民不殺、同志不殺、――同志守護


 市民に危害を加えてはならない、仲間同士でスキルを使用しての争ってはいけない


 そして、仲間を守らねばならない……


 ツーエーにおける、敵味方の判別は単純、仲間を傷つける相手かどうか―――


 この深皇の契約により、ツーエー勇者部隊は深皇により首輪を付けられたも同然

 だが、それは彼、彼女らが望んだ事…


 その恩恵は、魔族との広範囲に渡る戦闘において、味方同士の同士討ちを避けるという以外にも大きな効果が


 それは―――


「深皇のエンゲージ・・・ツーエー勇者部隊がひとり、魔女―――黒峰麗華・・・おしてまいります!」


 麗華の黒い魔眼が、魔力の光を宿し自身の全面に展開した4色の魔方陣を激しく輝かせる


【それが、深皇との契約の恩恵……超過重加速(オメガブースト)か…】


 〇超過重加速(オメガブースト)


 ツーエー勇者部隊のスキル能力を飛躍的に向上させる、チートブースト

 自身の魔力を消費する事無く、通常のブーストのおよそ5倍、司令塔である松前修斗の使用する過重加速(ハイブースト)の約、倍の能力向上効果を得る事が出来る―――


 その為……


「第一陣…アイスバレット」


 麗華の展開した青い魔方陣から無数の氷の弾丸が打ち出された


【下らぬ、今更、初級魔法などで―――何っ!?】


 氷の弾丸により打ち抜かれた、傀儡と化した無数の人影は瞬時に凍り漬けにされ巨大な氷塊へ閉じ込められる


【おのれぇ―――影共!】


 モスマンが巨大な黒い羽を広げると、黒い球体が幾つも放たれ麗華の前に着弾した


【さぁ邪神の影共……深皇の中の神話級封魂(アガルタ)を解除する為の時間を稼げ!】


「!?ま、まさか、巧君は自分の中にアガルタを!?」


 麗華がモスマンの言葉に動揺する


【フン!深皇のエンゲージである魔女の貴様が、何も気付いておらぬとはな……あぁ成程、そういう事か―――クククク……いいぞ、これは良い】


 モスマンは何かに気付いたのか、うって変わって余裕の雰囲気を見せた


【深皇ほどの者が、使徒最下位である、第五位階の我れに、成す術も無く捕縛されたのも納得だ】


「な、なにが言いたのですか!?」


【―――貴様らは女神ティアに、まんまと騙され一杯喰わされたって訳だ……クククク、これは滑稽!】


「女神ティア?!何を言って……」


【無駄話もこれまで!行け邪神の影共!】


 モスマンの放った黒い球体は、黒い闇のケルベロス、コボルド、オークらに姿を変え一斉に麗華に向け仕掛けて来た


「チッ…第二陣から第四陣―――解放!」


 赤、緑、黄色の魔法陣が激しく回転しながら輝き、それぞれ炎、風の刃、岩礫を撃ちだし、邪神の影を粉砕する


【まだまだ――――次だ!行け影共!】


 再びモスマンの羽から黒い球体が打ち出され、邪神の影が出現する


「キリが無い・・・」


 その時――――


 パリィ――ーンと、後方の空間が割れ


「なに通話切ってんのよ!麗華!」

「タクミん!?」


 割れた空間から飛び込んで来たのは、真希とエミリだった。


 二人は磔にされた巧を見て、目を見開くと・・・


「お前ぇ―――――巧に何をしたぁ――――!」

「テメェ―――ぶっ殺す・・・」


 二人の魔眼が激しく光る


「!?」

「――――麗華、どういうつもり?」


 麗華は右手を横に広げ、二人を制す


「後で、わたくしの事を好きにしてくれて構いません・・・ですが、ここは手を出さないで下さい」


「はぁ?ふざけんじゃないわよ!巧が邪神のクソ共に捕まってんのよ!」

「あ”ぁ”?麗華・・・そんな戯言、聞ける訳ねぇだろ?」


「――――永久氷壁(コキュートス)」


 麗華の青い魔法陣が激しく輝き、真希とエミリの周りに分厚い氷の壁を作り出した


「ふざけてる場合じゃないのよ!麗華!」

「テメェ、何してるか分かってんのか!おい!」


「御免なさい・・・二人とも・・・でも、これは巧君を傷つけた私のケジメだから・・・」


【馬鹿な女だ・・・折角の助っ人を無下にするとはな・・・】


「大丈夫・・・あなたはすぐに消えるわ」


 麗華は再び両手を広げ、4色の魔法陣を形成する


【忘れたか?我が死ねば、深皇も死の鱗粉で毒されて――――死ぬぞ?】


「あぁ―――それは大丈夫・・・・」


 麗華の魔眼が光り―――


「第一陣から第四陣―――解放」

「第一、第二陣・・・混成魔法「ミラージュ」」


 麗華の姿が、揺らめき――――


【!?消えた!】


「第二、第三陣・・・混成魔法「フライ」」


 麗華は炎と風魔法を使い、上空に飛びあがると


「第三、第四・・・混成魔法「デザート」」


 モスマンの頭上で停止し、モスマンに向け魔法を展開した


【!?か、身体が・・・砂に!?】

「第一陣、出なさい・・・アイスダガー」


 そして、麗華はモスマンの頭部を氷で作り出した、ナイフで切り裂く


【ぎゃぁぁぁぁぁ!】


 黒い体液が噴き出し、麗華の美しい肌を黒く染め上げていく


「有りました・・・これが血清となる器官ですね」


 ミチミチと嫌な音をさせながら、モスマンの頭部に手を突っ込み、麗華は赤黒く脈打つモスマンの肉塊の一部を引き千切る


【き、貴様ぁ・・・】


 モスマンは、そのまま砂となり崩れ落ち巧は砂まみれに・・・


「わぁぁぁ!巧君が砂で汚れちゃったぁぁ!」


 ――――麗華は、巧を十字架から降ろし、コキュートスを解除する


「麗華!!」「テメェ!!」


 パシッン


 真希によって平手打ちを喰らい頬を抑える麗華・・・

 そのままフラフラと巧の元へと・・・


 そして――――


「さぁ巧君、これで呪いは解けますからねぇ――――」


 妖艶に・・・微笑む麗華、その手には先ほどモスマンの頭部から引きちぎった脈打つ肉塊が


「あ、あんたまさかその気色悪いのをタクミんに食べさす気じゃ!?」


 エミリが麗華が手に持つ肉塊を見て言葉を失う


「まさか―――こんな、汚い物・・・直(・)接(・)巧君に飲ませたりしませんよ―――」


 そう言うと、麗華は顔を上げ大きく口を開き


 ブシャ―――


 と、肉塊を握りつぶし、溢れ出る赤黒い液体を自身の口の中へ・・・


「ちょっ!?麗華何を!?」


 麗華はそのまま仰向けになって昏倒している巧の口に・・・

 自身の口を重ね


「く、口移し・・・」


「――――フフフ、巧君のためなら、糞尿でも汚水でも泥水でも全然飲めますわ・・・フフフフ」


―――真希とエミリの二人は、背筋が冷たくなるのを感じた・・・


☆メンヘラの片鱗回でした





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