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俺だけ異世界転移していないらしい 〜異世界で俺と結婚した三人の嫁が、転移前の俺を必死に攻略してくる  作者: nayaminotake


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第24話 新たなお宝に歓喜するドルオタ、高級タワマンに響く謎の女の声

 水原さんのマンションから逃げ帰った俺は、一人部屋に籠った

 この時間、母さんはまだ帰って来てない。


 部屋の時計は22時を回った所


 昔のアニメ番組の再放送で見た、胸に七つの傷を持つ世紀末救世主・・・

 何て名前だったか覚えて無いが

 ボロボロの衣服を着た老人が有り得ない程のムキムキでパンクな男に絡まれ殺されそうになってる所に現れた、暗殺拳法の使い手・・・


 アニメの中の話だって事は俺にも分かってる・・・

 でも、頼みの大田君、影浦さんにも見放されちゃてる俺にとっての救世主は―――


「!?」


 俺はハッと思い出し、マジ天使からのプレゼントの袋を鞄から取り出し、頭上に掲げ崇めるように見上げる


 ピンクに苺のイラストが施された可愛らしいラッピング袋

 照明で透けた影が薄っすらと見える


「何だろ?」


 推しアイドルからのプレゼントの袋を傷つけないように慎重にセロテープを剥がしていく・・・


 中から出て来たのは―――


「こ、これって・・・ココアちゃんのアクリルキーホルダー・・・・・」


 そこには、ココアちゃんがステージ上で踊ってる姿のアクリルキーホルダーが


「こ、これって見た事ないぞ!?」


 慌ててスマホでココアちゃん関係のグッズを検索する・・・

 だが、手にしてるキーホルダーと同じグッズは検索で引っかからなかった


「やっぱり・・・これってアクセルに初めて加入した時の衣装だ!」


 嬉しい!いや、嬉しいを越えて、マンモス嬉しピ!

(※マンモス嬉しピを、知らない人は、検索して調べてね!)


 ―――さっきまでの絶望がウソのように晴れ、胸が満たされる・・・


 これこそ、マジ天使ココアちゃんの、慈愛力―――


「はぁ―――もう、クラスの連中の陰湿で悪質なドッキリなんてどうでもよくなったなぁ―――」

「それも、これもマジ天使ココアちゃんのおかげだ、ありがとうココアちゃん!」


 ―――巧はココアからの贈り物のおかげで、不安な夜を送らずに済みましたとさ・・・


 単純かよ・・・



 ●島崎ココアside


時を同じくして・・・

 ―――都内の高層マンション・・・31階(ちなみに真希部屋の階の3階下)


【はぁ―――もう、クラスの連中の陰湿で悪質なドッキリなんてどうでもよくなったなぁ―――】

【それも、これもマジ天使ココアちゃんのおかげだ、ありがとうココアちゃん!】


「クククク良いぞ良いぞぉ―――あのドクサレ前髪陰キャ野郎は、高飛車女じゃなく私のファンだったかぁ―――ヒヒ・・」


 風呂上りに白いガウンを身に纏い、ジンジャーエールを口に運ぶ(※アルコールは20歳からです!)

 椅子に深く腰掛け目の前に置いたスマホから聞こえる音声に口元を緩める島崎ココア(18歳)・・・


「あのドクサレ陰キャ・・・あのアクキー(アクリルキーホルダーの略)の中に、盗聴器が仕込まれてとも知らず・・・クククク」


「私のファンだってなら、絶対にスマホとか鞄に付けて肌身離さず持ち歩くに違いない」

「そうなれば、あの高飛車女、水原真希との赤裸々なやり取りも・・・」


「いや?もし、あのドクサレ陰キャの言う通り、高飛車女も含めてクラス全員での陰湿なイジリだったら?」


「―――いや、それも面白い」


「実録!トップアイドルの学園生活の全て!”アイドルの仮面を被った陰湿なイジリ女の正体”」

「いい!いいいじゃねぇか!ゴシップ好きの週刊誌の見出しまで思い浮かぶぜぇ!」


 ギャハハハハ―――


 その日の深夜、セレブ達が多く入居してる都内の高級タワーマンションで、女の気味の悪い笑い声が響いていたとかいなかったとか・・・


 ―――翌日の朝・・・


 ココアは移動中の車の中でイヤホンを耳に装着し、盗聴していた・・・


「・・・・・・・・・・・・」


 ―――その日の昼、カフェにて昼食をとってる時も・・・


「・・・・・・・・・・・・」


 ―――その日の夕方、楽屋で待機してる時も・・・


「・・・・・・・・・・・・」


 そして、深夜の自宅――――


「だぁぁぁぁ!何で、何も聞こえて来ないのよ!!」

「あの盗聴器不良品なんじゃない?!」


 乱暴にベッドに放り投げたスマホ・・・・


【ココアちゃんただいま――――】

「!?」


 突如スマホから巧の声が聞こえて来た


「!?な、どういう事?」

【いい子でお留守番してくれてたかな?】


「留守番だぁ?」


 ――――そう、ココアは勝手に、自分のファンなら推しのアクキーは、スマホか鞄につけて肌身離さず傍に置くものだと思い込んでいた・・・


 事実、ココアも推しの好きピ皇子様の写真は、就寝の時のみならず風呂やトイレの時も肌身離さず持ち歩いているから・・・


「ま、まさかあのドクサレ陰キャ・・・私のアクキーを自分の家に飾ってるとか・・・有りえねぇ――――!」

「クソがぁぁぁぁぁ!!」


 その日の深夜、セレブ達が多く入居してる都内の高級タワーマンションで、女の下品な叫び声が響いていたとかいなかったとか・・・



 ―――巧君、新たなお宝Get良かったね!


 でも、球技大会まで残り3日だよ?



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