第17話 アクセルのNo1とNo2の共演は闇が深いです
山城ちゃん(元ヤン担任)の紹介で入って来たのは
大きな花束で顔を隠した――――
「じゃぁ―――ん♪サプライズゲストの島崎ココアですぅ~♪」
「えっ?!ココアちゃん!?マ、マジ!?」
突如現れた俺の推しアイドル、マジ天使ことアクセルの島崎ココア
ツカツカとヒールを鳴らしながら、天使の笑顔でスッと俺の横の席に座っている水原さんの前まで歩み寄り
バサッ
ハートのエフェクトが見えそうな笑顔で、ピンクの花が詰まった花束を水原さんへと差し出した
「マッキー先輩♪撮影お疲れ様ぁ~それとぉ~人気投票連続1位おめでとう御座います~♪」
隣の水原さんへと視線を向けると・・・
ゾクッ
―――うそ…だろ?マジ天使ココアちゃんからのサプライズに何て冷めた眼を!?
有り得ない・・・同じグループの後輩相手にその冷めた態度は・・・
そっと背後を振り返ると、カメラはココアちゃんの笑顔と水原さんの後ろ姿しか映してなさそう
「あぁ―――うん、ありがとねココア」
え?何この棒読み・・・貴方、去年日本アカデミー賞で主演女優賞とっておられましたよね?
演出上でもその感じ、ダメじゃないんでしょうか?
チラッと後ろを確認すると、撮影班の責任者ぽい人が顔を引き攣らせていた
口パクで・・・
【驚いたリアクション!】と、水原さんのマネージャーさんぽい中年の男性に伝えていたが・・・
「えぇ~先輩、もっと驚いてくれないんですかぁ~?」
「あぁ―――はいはい、ビックリ!・・・これでいいんでしょ?」
「チッ・・・」
?今、ココアちゃんが舌打ちしたような・・・
「ほら早く花束を渡して、退場たら?」
「先輩、マイクで拾われてないからって、そんな態度でいいんですかぁ~?」
ん?なんかマジ天使ココアちゃんが俺の方を見てるような・・・
「なんかぁ~最近になって気になる同級生が居るみたいですけどぉ~そんな水原真希を見せていいんですかぁ~?」
「―――成程、ココア・・・アンタ知ってて巧にちょっかいかけたって訳ね―――」
「!?」「はぁ?」
水原さんとマジ天使ココアちゃんが何か小声で話をしてる、俺には聞えないが黒峰さんや黄瀬さんには聞こえていたらしく何やらココアちゃんを睨んでいる
地獄耳かよ・・・
俺だってココアちゃんの話、興味あるのに全然聞こえないってば、ギブ ミー ヘルズ イヤー(地獄耳を下さい)
「ココア、悪い事は言わないから、巧に手を出すのは止めなさい」
「ぷっ、もしかしてぇ~マッキー先輩のオキニ君を私に取られるとかぁ~思ってますぅ?」
「はぁ―――まぁそうか・・・詩織(藤田さんの事)の伝道師のスキルで、記憶を書き換えたからね・・・」
「何、訳の分からない事を言ってるんですかぁ~?」
教室前のドア付近で、顔を青くしながら必死に人差し指を小さくクルクル回している
「はぁ…ココア巻が来てるみたいよ」
「あぁ~ですねぇ―――」
ココアちゃんが、マジ天使笑顔で優しく花束を水原さんに手渡し―――
「えっとぉ―――マッキー先輩の隣の席に座ってる幸運君♪」
「え!?ぼ、ぼ、僕ですかぁ!?」
突然、推しアイドルから声をかけられ声が裏返る
「うんうん、これ幸運な君にもプレゼントォ~♪」
「え、え、え、えぇ――――?!」
なんと、推しのマジ天使ココアちゃんからプレゼントだとピンクの包装紙の袋を渡された
渡された袋を胸に抱え、マジ天使を見上げ昇天しかけてる俺・・・
「それじゃ――――皆さん、お疲れ様ぁ―――♪ 島崎ココアでしたぁ――――!」
ココアちゃんが笑顔のウインクを教室に残し去って行った・・・
「あ、あぁ・・・と、少し打ち合わせと違ってるが、まぁ皆も撮影お疲れ様だったな」
山城ちゃんが適当にホームルームを締める・・・
「真希さん、何なんですか?あの馴れ馴れしい女は!」
「ホンそれ!マジムカつく!アタシのタクミンに色目つかってさぁ!」
あぁ・・・もう、一生の幸運を使い切ったかも
マジ天使ココアちゃん
――――最高かよ
●島崎ココアside
「ココアちゃん、カメラの前で特定の子にああいう対応は・・・・」
フチ無し眼鏡美人のマネージャーがココアに対し苦言を呈する
「あ”ぁ”?アレもファンサだ、ファンサ」
「だったらクラスの皆に、ジュースを差し入れするとか・・・歌をプレゼントするとか・・・」
「馬鹿かテメェは!」
「ヒッ!」
突然怒鳴られるマネージャー
「あのクラスには、高飛車女が居るんだぞ?歌とか歌ってみろ、モブ連中にアノ嫌味女より私うが下手だとか思われたら発狂するわ!」
「そ、そんな事は無いと思いますが・・・」
「だぁ―――もういい!この案件は終わり!!そうだろ!」
「は、はい・・・お疲れ様でした」
(――にしても・・・撮影までの待機時間、車を抜けだしてあの陰キャに会いに行った・・・)
(はずだったんだけどな・・・いつの間にか、この撮影用の車の中で寝てたし・・・)
あの陰キャに助けられたような記憶が――――夢?だったか?




