↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷蔵伝・魔境奇譚  作者: まろやかポン酢風味
比叡山麓縦断
PR
58/72

長等山の山麓

和(なご)やかな雰囲気(ふんいき)で朝餉(あさげ)が始(はじ)まる、ただ一柱(ひとはしら)を除(のぞ)いて…。他(ほか)の神々(かみがみ)は雷蔵(らいぞう)にとっては何(なに)が何(なん)だかわからない内容(ないよう)の話(はなし)をしていたが、雷蔵(らいぞう)は一応(いちおう)人間(にんげん)である、分(わ)からなくて当(あ)たり前(まえ)だった。ただし、琵琶姫(びわひめ)が時折(ときおり)聞(き)き耳(みみ)を立(た)てている様子(ようす)はあった。それでも、彼女(かのじょ)から彼(かれ)らの話(はなし)に加(くわ)わる様子(ようす)はなかった。まるで雷蔵(らいぞう)と琵琶姫(びわひめ)だけその場(ば)から浮(う)いているようだった。


狗神(いぬがみ)は生前(せいぜん)の景行天皇(けいこうてんのう)の幼少期(ようしょうき)に少(すこ)しだけ関(かか)わったことがあったらしく、八幡神(はちまんしん)から「其方(そなた)は変(か)わらず達者(たっしゃ)であるな、まさか女人(にょにん)であったとは」と狗神(いぬがみ)に話(はなし)を振(ふ)ると「フフフ、では、久(ひさ)しぶりにやんちゃな童(わらし)を背(せ)に乗(の)せようかのう?」と彼女(かのじょ)は返(かえ)したが、彼(かれ)は「朕(ちん)はもう童(わらし)ではない、人(ひと)ですらない」と狗神(いぬがみ)の冗談(じょうだん)を窘(たしな)めた。それなのに「我(われ)から見(み)ればまだ童(わらべ)よ」と狗神(いぬがみ)は嘯(うそぶ)くのだった。一方(いっぽう)、琵琶姫(びわひめ)は他(ほか)の神々(かみがみ)とあまり関(かか)わりがなかったらしく、無関心(むかんしん)のようだ。


そうして和(なご)やかな雰囲気(ふんいき)で朝餉(あさげ)を終(お)えた一同(いちどう)は、最近(さいきん)の戦(いくさ)による武家(ぶけ)の勢力(せいりょく)の変動(へんどう)に対応中(たいおうちゅう)で手(て)が離(はな)せないので帯同(たいどう)できないと詫(わ)びる八幡神(はちまんしん)に南中門(なんちゅうもん)まで見送(みおく)られて門(もん)をくぐる。すると、門(もん)から出(で)た先(さき)は宇佐山(うさやま)の山麓(さんろく)の鳥居(とりい)の前(まえ)だった。朝早(あさはや)く出(で)かけていた数人(すうにん)の町人(ちょうにん)が、突然(とつぜん)現(あらわ)れた一団(いちだん)に驚(おどろ)いていたが、超常(ちょうじょう)の現象(げんしょう)である上(うえ)に強力(きょうりょく)な神威(しんい)に充(あ)てられて膝(ひざ)から崩(くず)れ落(お)ち、一行(いっこう)に向(む)かってブルブルと震(ふる)えながら平伏(へいふく)するばかりだった。


それを気(き)にも留(と)めずに辰(たつ)の神(かみ)は先頭(せんとう)に立(た)って歩(ある)き始(はじ)め、狗神(いぬがみ)は巨大(きょだい)な紀州犬(きしゅういぬ)の姿(すがた)に戻(もど)ると山(やま)から下(お)りてきた犬(いぬ)たちを引(ひ)き連(つ)れて先(さき)に行(い)ってしまった。道(みち)の傍(かたわ)らにある民家(みんか)からは戸(と)を閉(し)める音(おと)が次々(つぎつぎ)と聞(き)こえてくる。村人(むらびと)たちはオオカミや野犬(やけん)たちを率(ひき)いる巨躯(きょく)の獣(けもの)の姿(すがた)に怯(おび)え、野良仕事(のらしごと)に出(で)るのをやめて屋内(おくない)に逃(に)げ込(こ)んだのだった。


一行(いっこう)は朝日(あさひ)を浴(あ)びる皇子山古墳(おうじやまこふん)を左手(ひだりて)に、現代(げんだい)と違(ちが)ってほぼ真(ま)っすぐに伸(の)びている道(みち)を南下(なんか)していく。しばらく進(すす)むと小川(おがわ)が見(み)えてくる。川(かわ)のほとりの樹木(じゅもく)が密生(みっせい)しているところで西風(にしかぜ)を避(さ)けながら給水休憩(きゅうすいきゅうけい)をとる。鎧(よろい)をまとった状態(じょうたい)で乾燥(かんそう)した風(かぜ)に吹(ふ)きつけられながら歩(ある)くのは体力(たいりょく)を極端(きょくたん)に消耗(しょうもう)するからだ。暫(しば)し休(やす)んでから出発(しゅっぱつ)する。これくらいの時間(じかん)になると日(ひ)がだいぶ高(たか)くなってくるので寒(さむ)さが薄(うす)れる。風(かぜ)さえなければの話(はなし)だが。


ほとんどの部分(ぶぶん)が泥(どろ)の上(うえ)に薄(うす)く雪(ゆき)が被(かぶ)っているような泥濘(ぬかるみ)だらけの歩(ある)きにくい農道(のうどう)である。とてもではないが重武装(じゅうぶそう)の武者(むしゃ)が歩(ある)くのに向(む)いているとは言(い)えない。舗装道路(ほそうどうろ)の半分(はんぶん)の速度(そくど)で歩(ある)いても速度(そくど)が速(はや)すぎるくらいだ。街道(かいどう)から外(はず)れているその様(よう)な農道(のうどう)を選(えら)んで進(すす)む。狗神(いぬがみ)と戌(いぬ)の神(かみ)は獣(けもの)形態(けいたい)になって眷属(けんぞく)たちと周囲(しゅうい)を威圧(いあつ)しながら進(すす)む。仏院(ぶついん)や稲荷神社(いなりじんじゃ)も多(おお)く、ほぼほぼ敵地(てきち)だからだ。


そこからさらに進(すす)むと、長等山(ながらやま)から少(すこ)し離(はな)れたところに小山(こやま)がある。後(のち)に「弘文天皇陵《こうぶんてんのうりょう》」と言(い)う地名(ちめい)をつけられることになる小山(こやま)だ。そこの東側(ひがしがわ)で西風(にしかぜ)を避(さ)けつつ休息(きゅうそく)をとる。西風(にしかぜ)さえなければ昼前(ひるまえ)の日差(ひざ)しは柔(やわ)らかく温(あたた)かい。琵琶姫(びわひめ)がどこから出(だ)したのか光(ひか)る団子(だんご)の入(はい)ったクマザサの葉(は)の包(つつ)みを出(だ)してきたので、雷蔵(らいぞう)はそれをいただいた。少(すこ)し早(はや)い昼食(ちゅうしょく)だった。


体(からだ)が温(あたた)まって来(き)て昼食(ちゅうしょく)による元気(げんき)も出(で)てき始(はじ)めた正午頃(しょうごごろ)、一行(いっこう)は出発(しゅっぱつ)した。小関峠(こせきとうげ)の入口(いりぐち)に当(あ)たる谷間(たにま)の街道(かいどう)を進(すす)む。まばらに人(ひと)がいるものの、ほとんどの通行者(つうこうしゃ)が一行(いっこう)に先駆(さきが)けてきた巨躯(きょく)の犬(いぬ)2頭(とう)とその巨犬(きょけん)たちの周(まわ)りに侍(はべ)る山犬(やまいぬ)や野犬(やけん)たちに恐(おそ)れをなし、震(ふる)えながら平伏(へいふく)しつつ、まるで嵐(あらし)が過(す)ぎ去(さ)るのを待(ま)つかのように手(て)を合(あ)わせて何事(なにごと)かを祈(いの)っていた。彼(かれ)らを尻目(しりめ)にいよいよ急勾配(きゅうこうばい)に差(さ)し掛(かか)るという所(ところ)で山(やま)からの湧(わ)き水(みず)を見(み)つけた狗神(いぬがみ)たちはそこで立(た)ち止(ど)まったため、群(む)れも移動(いどう)をやめる。そこで一行(いっこう)は最後(さいご)の水飲(みずの)み休憩(きゅうけい)を終(お)えると、小関峠(こせきとうげ)を越(こ)えるべく出発(しゅっぱつ)するのだった。

以下2点、判断に迷うため選択肢を提示します。


**Q1.** 「突然現れた一団に驚いていたが、頂上の現象である上に強力な神威に充てられて膝から崩れ落ち」の「頂上の現象である上に」の部分。文脈上、意味が通りにくくなっています。

- A. 「非日常の光景である上に」に修正

- B. 「朝早くの出来事である上に」に修正

- C. その他のご指定


**Q2.** 「自分でもいつしかぶりに朝日に手を合わせる」の「いつしかぶりに」の部分

- A. 「久しぶりに」の誤字と考え修正

- B. 「何時ぶりか」の誤字と考え修正

- C. その他のご指定


A/B/Cでそれぞれお答えください。


なお、以下は明確な誤字のため自動修正しました。

- 「丸で雷蔵と琵琶姫だけ」→「まるで雷蔵と琵琶姫だけ」(誤字:丸で→まるで)

- 「膳の前いいた」→「膳の前にいた」(誤字)

- 「朝日を拝しておったであるか?」」→「朝日を拝しておったであるか?」」(全角記号の誤り:」→」)

- 「錦織の山際の道だった。った。」→「錦織の山際の道だった。」(文末の衍字を削除)

==========

1,C「超常の」。2、そこから下はもういらない部分なので何もしなくて良いです。

==========

承知しました。


**確定事項**

- 「頂上の現象である上に」→「超常の現象である上に」

- 「そうしていると神職が朝餉の支度ができたと言ってきたので」以降(Q2を含む段落と、それ以降の3つの・の項目)は処理不要とのことですので、除外します。


本文(「長等山の山麓」の項目部分、「・境内の東面の…」以降を除く)にルビを振ります。


---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【読者様へのお願い】
作品を楽しんでいただけたら、ブックマークや下部の評価受付から応援をよろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。