四つ足の戦い終
立ち止まり、空中の匂いを嗅ぎまわりつつ警戒する。彼の狐は自分の周囲に小さいながらも無数の霊気を持った存在が近づいてくることに気づいた。妖狐が耳を下げ、あたりを見回しながら警戒し始めた矢先、「ふぉっふぉっふぉ、無駄じゃよ」と言う老いた男性の声がすると、その声の先にある木の幹の陰から小柄で品の良い服装の翁が現れた。妖狐は訝しむ。『はて?このようなものが公家の中に居っただろうか?』すると、まるで彼の狐の心を読んだかのように翁が言う「ご心配召さるな、命婦殿」。最後にそう勿体をつけて話しながら不敵な笑みを浮かべる翁に対して、妖狐は全身の毛を逆立て、低くうなりながら強く濃い暗黒の霊気を放ち始めるのだった。
妖狐が強い霊気を発しながら警戒しているのをあざ笑うかのように翁が口を開く、「そこもとは強い、とても強い。じゃがのぅ、戦というのは、大将だけが強くても勝てるものではないんじゃよ、ほっほっほっほ」。彼がそう言っている間にも、妖狐の周囲は小さな無数の霊気に包まれつつあった。その霊気の正体は目には見えないが、確実に妖狐の周囲、地面の下、枯れ落ち葉の下と樹上から感じられるのだ。もしレーダーで検出できたのだとしたら、妖狐の全周囲に立体的に小さな点が写っていたことだろう。翁は言葉を続ける、「唐の国の昔話の英雄は一人で戦を勝利に導いたとあるが、あれは後代の人間が書き加えたおとぎ話じゃ。英傑の働きに奮い立った雑兵どもの士気が高まっただけのことじゃよ。つまりじゃ、たった一人が強かったところで戦には勝てぬ。勝てぬのよ!」そういうと、翁は余裕ありげに「ふぉっふぉっふぉっふぉ」と大笑いするのだった。
「ふん、そのようなちっぽけな霊気など、我の前では無力であると知れ!」そういうと妖狐は黒い霊気から黒い稲妻を周囲に放ち始め、それに当たった幾匹かの野鼠が「キィッ!」と悲鳴を上げて絶命した。だが、減った以上の数の小さな霊気が続々と集まってくる。「このようなもの!」と叫びながら妖狐が霊気を練り上げながら暗黒の雷撃を放った瞬間、それは、なぜか彼の狐の前方にいる翁の口の中に吸い込まれていった。慌てて雷撃を止める妖狐。その雷撃を口の中に吸い込んだ翁は人の前歯にしては大きく長すぎる前歯をむき出しにしながら「ふむ、ちと苦くて辛いのぅ」と味の感想を述べた。「お、おのれぇっ!」と負け惜しみを言う妖狐に向かって「わしは悪食でのぅ、食おうと思えば何でも食えるのじゃ」というと、例の高笑いを始めた。その翁の視線の先では、絶望の表情の妖狐が野鼠たちに覆われ、生きたまま食われ始めるのだった。
紀国の狗神とその眷属たちが到着した頃には、狐の骨しか残っていなかった。「お疲れさまじゃのぅ」という翁に、「小さきものと思って侮ってはならぬようじゃな」と目を細めながら言う狗神だった。最後の妖狐が翁である子の神と戦い始めた頃、雷蔵にかけられていた幻惑の術が解けたため彼は呆然としていたが、辰の神に「どうやら其方に幻術をかけていたものは敗れたようであるな」と声をかけられて我に返る。「して、如何様な幻であったか?」と問う辰の神に、「見知っているかもしれぬ武者の襲撃を受けましてござる」と答える雷蔵だった。
以下4点、判断が分かれるため確認させてください。
**Q1.** 「妖狐の首位、地面の下、彼落ち葉の下と樹上から感じられるのだ」の「首位」の部分。文脈上、「その霊気の正体は…妖狐の周囲、地面の下…から感じられる」という意味に思われます。
- A. 「周囲」の誤字と考え「妖狐の周囲、地面の下」に修正
- B. その他のご指定
**Q2.** 「戦というのは、対象だけが強くても勝てるものではないんじゃよ」の「対象」の部分。文脈(一人の英雄・大将の話)から
- A. 「大将」の誤字と考え「大将だけが強くても勝てるものではない」に修正
- B. その他のご指定
**Q3.** 「【味】の感想を述べた」の【】表記について、他の地の文では鉤括弧(「」『』)のみが使われています。
- A. 【味】の表記のまま活かす
- B. 括弧を外して「味の感想を述べた」に修正
**Q4.** 「というトレイの高笑いを始めた」の「トレイ」の部分。文脈上、意味が通じません。
- A. 「というと、彼は高笑いを始めた」のような形に修正(「トレイ」を削除)
- B. その他のご指定
Q1〜Q4、A/Bでお答えください。
なお、以下は明確な誤字のため自動修正しました。
- 「彼落ち葉の下」→「枯れ落ち葉の下」(前回確定した表記に統一)
- 「暗黒の来駅を放った瞬間」→「暗黒の雷撃を放った瞬間」(誤字:直後に「雷撃を止める」とあるため)
- 「どうやら措置に幻術をかけていたものは敗れたようであるな」→「どうやら其方に幻術をかけていたものは敗れたようであるな」(誤字)
- 文末の構成メモ内「妖孤」(2箇所)→「妖狐」(表記統一)
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1.「枯れ落ち葉」、2.A,3.『』は口に出さない考えや心の声、【】はそれ以外の何かを目立たせるために使ったが、不自然かな?そもそも、霊気に味があるかどうかもわからないので、子の神が述べたのは抽象的な”味”という概念なんだよね。
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なるほど、承知しました。
**Q1**: 「枯れ落ち葉」に修正して確定します。
**Q3**: 【味】について、意図("味"という抽象概念自体を強調する記号)は理解しました。ただ、この作品では現状、鉤括弧(会話)と『』(内心・独白)以外の記号は使われていないため、初出のこの箇所だけ【】が浮いて見えてしまう可能性があります。もし今後も「本来ないはずの感覚を抽象的に指す」場面で【】を使う予定がおありでしたら、記号のルールとして成立しますので、そのまま活かすのも一案です。逆に一度きりの使用であれば、鉤括弧の外に出して「ちと苦くて辛いのぅ」と、味、と呼ぶべきものの感想を述べた。のように地の文で説明する方法もあります。
いかがしましょうか?
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【】無しで行きましょう
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承知しました。全ての修正を確定します。
確定事項
「彼落ち葉の下」→「枯れ落ち葉の下」
「対象だけが強くても」→「大将だけが強くても」
「【味】の感想を述べた」→「味の感想を述べた」(括弧を外す)
「というトレイの高笑いを始めた」→「というと、翁は高笑いを始めた」
全文にルビを振ります。
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修正箇所が多すぎたので、原文を修正した。これにルビ振って
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それ以外は前回までにご確認いただいた修正がすべて反映されているようです。全文にルビを振ります。
1点、句読点の誤りを自動修正しました(前回も同様の箇所を修正済みのため、本則に基づき統一)。
**自動修正した箇所**
- 「絶命した、だが、減った以上の数の」→「絶命した。だが、減った以上の数の」
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