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雷蔵伝・魔境奇譚  作者: まろやかポン酢風味
2番目の刺客
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43/50

助太刀

戦場(せんじょう)(たお)れることは()意味(いみ)する。(ふと)ももに(から)みつく草摺(くさずり)をかき()けるようにして右膝(みぎひざ)()()げた雷蔵(らいぞう)は、左手(ひだりて)()()ることで上体(じょうたい)地面(じめん)から()(はな)す。そのままクランチングスタートの要領(ようりょう)(てき)追撃(ついげき)から()げつつ()ちあがる。(すこ)(はな)れた(ところ)山犬(やまいぬ)たちのけたたましい咆哮(ほうこう)(ひび)(わた)(なか)、5〜6()ほど(いそ)(あし)前進(ぜんしん)してから(まわ)(みぎ)(てき)正面(しょうめん)(むか)えた雷蔵(らいぞう)諦念(ていねん)のこもった()(いき)()く。(てき)が3(たい)になっていたのだった。


先程(さきほど)雷蔵(らいぞう)()(むす)んでいた亡者(もうじゃ)両脇(りょうわき)(あら)たに2(にん)亡者(もうじゃ)(なら)んでいるのだ。3(にん)(とも)(かぶと)前立(まえだ)てをつけているので、高位(こうい)武士(ぶし)であることが(うかが)える。最初(さいしょ)雷蔵(らいぞう)へと(おそ)いかかったものの前立(まえだ)てのほうが(こま)かく()()りが(はい)っている(おお)きくて豪華(ごうか)なものであり、その両脇(りょうわき)にいる(もの)たちは、(ちい)さめの鍬形(くわがた)前立(まえだ)てをつけた(もの)と、(まる)一文字(いちもんじ)(もん)前立(まえだ)てとして()けている(もの)たちだった。()かって左手(ひだりて)(すこ)(とし)がいった(もの)自分(じぶん)()てなくもない面貌(めんぼう)で、どこか出会(であ)ったような()もするが、(おも)()そうとすると(あたま)(いた)くなってくるし、(かれ)らは(そろ)いも(そろ)って3(にん)とも無防備(むぼうび)上段(じょうだん)(かま)えのままジリジリと()(あし)近寄(ちかよ)ってくる。そのり|(あし)をする(あし)下藪(したやぶ)()けているのだ。それだけで、これがうつし()(ことわり)(つう)じぬ亡者達(もうじゃたち)であるという確証(かくしょう)()る。


山間(さんかん)(むら)から(はい)って()った(とき)(きり)(なか)(おそ)いかかってきたのは腐臭(ふしゅう)(ただよ)わせている(むくろ)(つわもの)たちだったが、今回(こんかい)姿(すがた)だけが此岸(しがん)にある彼岸(ひがん)(もの)たちだ。此岸(しがん)(ことわり)通用(つうよう)せぬ(もの)たちであると同時(どうじ)に、(かれ)らもこちらに()()せないはずなのに、(かれ)らの攻撃(こうげき)実際(じっさい)雷蔵(らいぞう)打撃(だげき)(あた)え、きちんと(いた)みまである。この状況(じょうきょう)をどうするべきか(なや)みつつ中段(ちゅうだん)(かま)えで相対(あいたい)しつつ、雷蔵(らいぞう)もジリジリと()(あし)()位置(いち)調整(ちょうせい)する。


(てき)を1(れつ)にして相手(あいて)にできるよう、次第(しだい)(みぎ)移動(いどう)していく。雷蔵(らいぞう)右手(みぎて)には(すこ)(おお)きめの(やぶ)があり、相手(あいて)生身(なまみ)人間(にんげん)であれば、(やぶ)()こう(がわ)(まわ)るか、味方(みかた)(となり)(すす)()(ほか)雷蔵(らいぞう)()()める手立(てだ)てはないはずだ。だが、(かれ)らは3(にん)(よこ)1(れつ)(なら)んだ状態(じょうたい)雷蔵(らいぞう)(めん)するように()位置(いち)()えていく。そして(かれ)らは実際(じっさい)(やぶ)(なか)浸透(しんとう)してきた。『こんな相手(あいて)をどうすれば撃退(げきたい)できるのか?』と(こころ)(なか)(さけ)雷蔵(らいぞう)だったが、とにかく、(てき)斬撃(ざんげき)をまともに()けてはいけないことだけはわかる。(はじ)くのも()なすのも無意味(むいみ)だ。(ふか)(いき)()()んで意識(いしき)集中(しゅうちゅう)()()ませる。


一方(いっぽう)樹上(じゅじょう)からキーキーと耳障(みみざわ)りな(こえ)(さわ)()てながら投石(とうせき)してくる(さる)たちに辟易(へきえき)してきた(たつ)(かみ)は、抜身(ぬきみ)横刀(おうとう)霊気(れいき)をまとわせると頭上(ずじょう)()かって一閃(いっせん)した。すると、剣戟(けんげき)とともに()()ばされて()った霊気(れいき)扇状(おうぎじょう)(ひろ)がりながら樹上(じゅじょう)(さる)たちを容赦(ようしゃ)なく()()いて()き、(かれ)らの(おお)くが下半身(かはんしん)()(わか)れしたのだった。この(ふか)(きり)(なか)でどうやって味方(みかた)不幸(ふこう)察知(さっち)したのか、(たつ)(かみ)周辺(しゅうへん)にいた(さる)たちは悲鳴(ひめい)()げながらあっという()(はな)れたところへと()げて()った。自分(じぶん)問題(もんだい)片付(かたづ)けた(たつ)(かみ)は、雷蔵(らいぞう)(ほう)()(かえ)る。


(かれ)霊視(れいし)では、雷蔵(らいぞう)虚空(こくう)()かって必死(ひっし)(かたな)()っているのだが、雷蔵(らいぞう)()()くとその剣戟(けんげき)をぬうように樹上(じゅじょう)からの石礫(いしつぶて)()(そそ)いでいたのだった。「雷蔵(らいぞう)!」と(こえ)をかけつつ(たつ)(かみ)(かれ)(ちか)づくのだが、(かれ)には(たつ)(かみ)(こえ)(とど)いていないらしく、虚空(こくう)(にら)みつけながら必死(ひっし)大太刀(おおだち)()(まわ)しているのだった。こんな雑木林(ぞうきばやし)(なか)大太刀(おおだち)()(まわ)せば、その(へん)木立(こだち)()たった(さい)()木肌(きはだ)()()んで()けなくなる場合(ばあい)があるので、あまり感心(かんしん)できない()()いだ。だが、(たつ)(かみ)は、雷蔵(らいぞう)(いや)(かん)じの霊気(れいき)(こも)ったこの(きり)()てられて幻覚(げんかく)でも()ているのだろうと見立(みた)てた。それで、()()えず、雷蔵(らいぞう)術策(じゅっさく)にはめている(もの)正体(しょうたい)見極(みきわ)めようと、雷蔵(らいぞう)(まわ)りで(かれ)()かって()(そそ)石礫(いしつぶて)横刀(おうとう)(はじ)いて(まわ)るのだった。

1点、確認させてください。


**Q1.** 「雷蔵を謀っている者の正体を見極めようと」の「謀っている」の部分

- A. 原文のまま活かす(「策略を巡らせている者」の意)

- B. 「惑わしている」に修正(幻覚で惑わしている、の意)

- C. その他のご指定


A/B/Cでお答えください。


なお、以下5点は明確な誤字のため自動修正しました。

- 「新た2人の亡者が並んでいる」→「新たに2人の亡者が並んでいる」(脱字:に)

- 「深く生きを吸い込んで」→「深く息を吸い込んで」(誤字:生き→息)

- 「厳格でも見ているのだろう」→「幻覚でも見ているのだろう」(誤字)

- 「嫌な感じの霊気が隠ったこの霧」→「嫌な感じの霊気が籠ったこの霧」(誤字:隠った→籠った)

- 「必死で大立ちを振り回している」→「必死で大太刀を振り回している」(誤字)

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妖孤と申の連携攻撃だから、惑わしている(物理攻撃を伴っていないような印象)はどうだろう?と思った。辰の神はまだはっきりと雷蔵が幻惑されていると断定したわけではない。今のところは仮定の状態。この場合、どういうのが適切な言葉だろうか?

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「惑わしている」だと物理攻撃なしのニュアンスが伝わりにくいとのこと、承知しました。辰の神があくまで仮説として見立てている段階、というニュアンスを込めるなら、以下のような候補はいかがでしょうか。


- **「幻惑している」**:目や心を惑わす、という言葉自体に「実体のない術による攪乱」の意味が強く出ます。直前で辰の神が「幻覚でも見ているのだろう」と推測している流れとも自然につながります。

- **「たぶらかしている」**:やや口語的で、化かす・欺くという意味合いが強く、妖狐との連携という背景にも合います。

- **「欺いている」**:やや硬い表現で、確信度が高めに聞こえるかもしれません。


個人的には「幻惑している」が、直前の「幻覚でも見ているのだろう」という推測との整合性が良く、かつ仮説段階のニュアンスも保てると思いますが、いかがでしょうか。

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申(猿)たちは、辰の神に対してはランダムに投石していたのに、雷蔵に対しては乱雑に投げるのではなく、雷蔵が大太刀を振り回す直前に投げているように見えるため、猿たちによる幻惑と投石の複合攻撃なのか、あるいはそれ以外のものによる幻惑攻撃なのかを見極めている状態です。「彼を術策にはめているものを見極めよう」という心境です。

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なるほど、術策そのものというより「誰が/何が仕掛けているか」を見極めようとしている状況ですね。それでしたら「雷蔵を術策にはめている者の正体を見極めようと」がしっくりくると思います。「謀っている」よりも、単発の企みではなく継続的な仕掛けというニュアンスが出ますし、辰の神がまだ確信を持てていない仮説段階の心境とも合います。


この表現で確定してよろしいでしょうか?

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よろしくです

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確定しました。全文にルビを振ります。


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