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雷蔵伝・魔境奇譚  作者: まろやかポン酢風味
2番目の刺客
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41/50

武士の心得

一休(ひとやす)みを()えると(たつ)(かみ)()()がるので雷蔵(らいぞう)()()がる。(たつ)(かみ)はさらに西方面(にしほうめん)(ある)いていく。雷蔵(らいぞう)はうっそうと(しげ)った木々(きぎ)(なか)で、(たつ)(かみ)はどうやって進行方向(しんこうほうこう)(さだ)めているのか不思議(ふしぎ)(おも)った。休憩(きゅうけい)した場所(ばしょ)にある(いけ)水面(すいめん)にはぼんやりとした(そら)しか()えていなかった。()れていれば日差(ひざ)しの仰角(ぎょうかく)入射角(にゅうしゃかく)から(おお)まかな時間(じかん)自分(じぶん)正面(しょうめん)方位(ほうい)()かる。だが、今日(きょう)(くも)っていて、小雪(こゆき)()じりの天候(てんこう)なのだ。雷蔵(らいぞう)完全(かんぜん)方角(ほうがく)()からなくなっていたのだった。だが、山犬(やまいぬ)たちも(たつ)(かみ)進行方向(しんこうほうこう)支持(しじ)するかのように(おな)方向(ほうこう)(すす)んでいくので、雷蔵(らいぞう)選択肢(せんたくし)はなかった。


四半刻(しはんとき)ほどすると傾斜(けいしゃ)のきつい(くだ)勾配(こうばい)(はい)る。それほど時間(じかん)もかからず谷底(たにそこ)到達(とうたつ)する。谷底(たにそこ)(ちか)づくにつれて、そこがそこそこ(ひろ)谷間(たにま)であることに()づく。(いま)までいた台地(だいち)対面(たいめん)台地(だいち)も、それなりの(たか)さの急斜面(きゅうしゃめん)になっていることがわかる。(たつ)(かみ)は、南北(なんぼく)(よこ)たわる谷間(たにま)()(なか)にある(ふる)(みち)南下(なんか)していく。雷蔵(らいぞう)(たに)あいから(そら)(あか)るい(ほう)見上(みあ)げると、(うす)ぼんやりとした(そら)(なか)(とく)右手方面(みぎてほうめん)比較的(ひかくてき)(あか)るくなっている場所(ばしょ)があり、説明(せつめい)されなくともそれが太陽(たいよう)のある方角(ほうがく)だということが()かった。やはり、ある程度(ていど)(ひら)けたところに()ないと方角(ほうがく)をつかむことは(むずか)しい。だが、(けもの)人外(じんがい)にとってそれは(たい)した問題(もんだい)ではないということのようだ。だが、ただでさえ薄曇(うすぐも)りの空模様(そらもよう)であるのに、(たに)(みなみ)(ほう)(きり)(けむ)っていて見通(みとお)しが()かなかった。


しばらく南下(なんか)(つづ)けていると、(さき)()えている谷地(たにち)(あき)らかに異様(いよう)(きり)()たされていた。雷蔵(らいぞう)はその光景(こうけい)見覚(みおぼ)えがある。そう(おも)った矢先(やさき)(たつ)(かみ)が「曲者(くせもの)()(かま)えておるようであるな」とあざ(わら)うかのように()った。雷蔵(らいぞう)はそれに「また妖狐(ようこ)でござろう」と(おう)じた。「ほぉう、すでに()(むす)んでおったのであるな!」と()()んできた(たつ)(かみ)に「(たし)かに相対(あいたい)したのでござるが」と(すこ)()(よど)んだ雷蔵(らいぞう)は「討伐(とうばつ)したのは琵琶姫殿(びわひめどの)でござる」と()べると、(たつ)(かみ)はガッハッハッハッハと大笑(おおわら)いするのであった。雷蔵(らいぞう)苦笑(にがわら)いしながら『(なに)がそんなに面白(おもしろ)かったのだろう?』と疑問(ぎもん)(おも)っていると、(わら)()えた(たつ)(かみ)は「まあ()い、では、その妖狐(ようこ)とやらが如何(いか)なるもてなしを(さず)けてくれるかを()()くのである」と豪快(ごうかい)()(はな)ち、同時(どうじ)に、(こし)()いた横刀(おうとう)をやおら()(はな)ち、それを(かた)()せると足取(あしど)りも(かろ)やかに(きり)()かっていくのだった。


雷蔵(らいぞう)()けじと大太刀(おおだち)()(はら)うと(つか)両手(りょうて)(にぎ)り、大太刀(おおだち)()(さき)正面(しょうめん)ではなく右横(みぎよこ)()けた状態(じょうたい)(かま)えながら前進(ぜんしん)する。(きり)(なか)(はい)ってしまうと、視覚(しかく)による(てき)把握(はあく)はほぼ不可能(ふかのう)になる。(ゆえ)に、視界(しかい)(さまた)げない状態(じょうたい)大太刀(おおだち)()()にすることで、警戒(けいかい)即応性(そくおうせい)担保(たんぽ)して移動(いどう)するのだ。ところで、雷蔵(らいぞう)(たつ)(かみ)のような()()いをする武者(むしゃ)()きて戦場(せんじょう)から(もど)るのを()たことがない。()(たけ)()わない()()()()いは、戦場(せんじょう)において()直結(ちょっけつ)する。(おのれ)力量(りきりょう)過信(かしん)せず、はったりで自信(じしん)たっぷりに()()うようなことをせず、(つね)相手(あいて)(ほう)自分(じぶん)よりも(うえ)であるという認識(にんしき)でいる(ほう)生存率(せいぞんりつ)(たか)まるのだ。事実(じじつ)雷蔵(らいぞう)はそうして幾度(いくど)かの(いくさ)()(のこ)ってきた。(かれ)持論(じろん)は『()こそ()しけれ』を実践(じっせん)したければ、()ずは『(いのち)あっての物種(ものだね)』から(はじ)めるべきであるというものなのだ。

以下2点、確認させてください。


**Q1.** 「谷底の中心部によるにつけ、そこそこ広い谷間であることに気づく」の「によるにつけ」の部分

- A. 「近づくにつけ」に修正(谷底に近づくにつれて、の意)

- B. その他のご指定


なお、以下は明確な誤字のため自動修正しました。

- 「雷蔵は完全に邦楽輪が分からなくなっていた」→「雷蔵は完全に方角が分からなくなっていた」(誤字)

- 「雷蔵が谷あいから空の明るい方をを見上げると」→「雷蔵が谷あいから空の明るい方を見上げると」(「を」の重複を削除)


A/Bでお答えください。

    1,B「谷底に近づくにつれて、そこが、そこそこ広い谷間・・・」に変更してください

承知しました。修正を確定します。


**確定事項**

- 「谷底の中心部によるにつけ、そこそこ広い谷間であることに気づく」→「谷底に近づくにつれて、そこがそこそこ広い谷間であることに気づく」


全文にルビを振ります。


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