狗神の軍勢
※ 紀州犬という犬種は1934年に白い犬として認定されていますが、今でも狩猟犬として飼われている古代種は様々な体毛や模様のものがいるようです。
それは、北側から現れて壊滅した弥助の集団のいた場所にもう一つの集団が新たに合流してきた時だった。狼たちの遠吠えは石部の台地の方から聞こえてきた。雷蔵のみならず、その場にいた3つの集団もその異常事態に、石部の台地の方を注視するのだった。狼というものは山の中で活動するものであって、日の出以降に人里に出てくるようなことは滅多に無い。彼ら野武士たちは何が起こっているのかを確かめるべく警戒し始めた。次第に近づいてくる狼の鳴き声に、弓取りたちも雷蔵の方ではなく、まだ視界に入らぬ狼の鳴き声の方へと矢の狙いを変えた。台地の裾野の茂みや草藪が広範囲で揺れながら狼たちの唸り声が聞こえてきたとき、低木の茂みからひときわ大きな個体が飛び出した。遠目でも体高が5尺はありそうな、狼というにはあまりにも大きすぎる個体で、その見た目は現代人が「紀州犬」として認識する犬種に似たごま模様だった。
「大口の真神原」の言い伝えに聞くような大柄の狼のような生物が多くの狼を引き連れてこちらに向かってくるのを見て、雷蔵は『ヤタの知り合いか?』と思った程度だったが、雷蔵の背後にいた3集団の者たちは混乱に陥った。「大口の真神が眷属を引き連れて襲ってきた!」と誰かが叫ぶと、その集団は途端に蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。山犬は山の神、もしくは、山の神の眷属として認識している彼らにとって、巨大な狼に率いられた狼の群れが襲ってくるという現状は恐怖以外の何物でもない。中には一矢報いようと矢を射る者もいたが、その殆どが当たることはなく、偶然あたってもあっさりと弾かれてしまうのだった。打ち物を投げ捨てて逃げるものもいたが、逃げることを諦めた者たちは其々が武器を構え直して密集し始めるのだった。
抗おうとする兵どもをまるで嘲笑うかの様に狗神は一旦立ち止まると一際大きな遠吠えを放った。それは大気と台地を震わせ、それと同時に、逃げる者たちと抗おうとする者たちをも震わせた。恐怖のあまり意気消沈してへたり込むものや、立ちすくんだまま失禁するものなどが続出したが、狗神は立ち止まったと言うのに、その眷属の狼たちは立ち止まるどころか、更に加速して狗神の足元から吹き出すかのように現れた、石畳を敷き詰めたかのような床の上を駆けてくるのだった。その石畳の床は、あっという間に野洲川の全ての州の上に架けられていき、狼たちが泥濘に足を取られ無いようにしていた。この様子を見た雷蔵は、昨日、ヤタが言っていた「援軍」が、彼ら狗神に率いられた山犬たちの群れであることを悟った。
山犬たちは、野武士たちの集団の攻撃を何事もなかったかのようにするりと避けると、次々とその喉元や噛みつけそうなところに噛み付いていき、彼らの肉体を食いちぎっていった。また、逃げようとしているものや、怖気づいてへたり込んだ戦意を失っている者たちに対しても情け容赦なく襲いかかり、彼らを絶命させていった。雷蔵を捉えようとしていた者たちが全て噛み殺された頃、悠々と川の州の上に自分で敷いた石畳の床の上を渡ってきた狗神は、雷蔵のもとにツカツカと歩み寄ると、まるで犬よろしく雷蔵の頭から胴へ、胴から股間へ、そこから尻と背中まで嗅ぎ回るのだった。匂いをかぐことに満足したそれは、雷蔵の正面にすっと立つと「お座り」の姿勢になり、人の言葉で「ほほぅ、なかなか良い男ではないか」と言いつつニタァっと笑ったような表情のまま舌を出して息をする犬の仕草をするのだった。彼女の声は、中年から初老の頃の女性のような声だった。
1点、判断が分かれる箇所があるため確認させてください。
**Q1.** 「雷蔵のみならず、その場にいた3つの集団もその異常事態に、石部の台地の方を中止するのだった」の「中止する」の部分は文脈上不自然です。どう修正しますか?
- A. 「注視する」に修正(台地の方を注意深く見る、の意)
- B. 「注目する」に修正
- C. その他(ご指定ください)
A/B/Cでお答えください。
なお、以下は明確な誤字のため自動修正します。
- 「悪党」→「野武士たちの悪党」の重複表現を整理し「野武士(悪党)」に修正(要確認:後述)
- 「唸りげ」→「唸り声」(誤字)
- 「体高が5尺はありそうな、狼といういはあまりにも」→「体高が5尺はありそうな、狼というにはあまりにも」(誤字:「いい」の衍字)
- 「一矢報いようと矢を射るおのもいた」→「一矢報いようと矢を射る者もいた」(誤字:おの→者)
- 「打ち物・鳴り物」→この部分も要確認(後述)
**追加確認事項**
**Q2.** 「彼ら野武士たちの悪党は」の部分、「野武士」と「悪党」が重複しています。
- A. 「彼ら野武士たちは」に修正(悪党を削除)
- B. 「彼ら悪党たちは」に修正(野武士を削除)
- C. 原文のまま活かす
**Q3.** 「打ち物・鳴り物を投げ捨てて」の部分、「鳴り物」は音を鳴らす道具(鐘・太鼓等)ですが、戦闘中に「投げ捨てて逃げる」ものとして違和感があります。
- A. 「得物」の誤字と考え「打ち物・得物を投げ捨てて」に修正
- B. 「鳴り物」のまま活かす(陣太鼓・鐘等を鳴らしていた設定として)
- C. その他(ご指定ください)
Q1〜Q3について、まとめてお答えいただけますか?
1.A,2.A,3.[・鳴り物
Q1とQ2は確定しました。Q3の回答が文字化けしているようです、恐れ入りますがもう一度お願いできますか?
**Q3.** 「打ち物・鳴り物を投げ捨てて」の部分について
- A. 「得物」の誤字と考え「打ち物・得物を投げ捨てて」に修正
- B. 「鳴り物」のまま活かす
- C. その他(ご指定ください)
3.「・鳴り物」は削除。今使っているラップトップのXubuntuは、なぜか起動時しか冷却ファンが稼働せず、ものすごく熱を持つ、そして、熱を持つとキーボードがチャタリングを起こすので、ご迷惑をおかけてしております。
大変ですね、それは気になりませんのでどうぞお気になさらず。「・鳴り物」を削除して確定します。
修正内容がすべて確定しましたので、全文にルビを振ります。
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以下2点の誤字・表記ゆれを自動修正しました。
**自動修正した箇所**
- 「石版」→「石畳」(誤字:後段で「石畳の床」と表記されているため統一)
- 「州の上に」(2箇所)→「洲の上に」(表記ゆれ:以前の場面で使われた「洲」の表記に統一)
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あれ?「洲」は本則では間違いで、「州」が正しいんじゃなかった?
ご指摘の通りです、申し訳ありません。「州」が常用漢字表内の本則表記で、「洲」は表外字(人名用漢字としては使われますが、地形を表す一般語としては本則では「州」が正しいです)。
訂正いたします。
**訂正箇所**
- 「野洲川の全ての洲の上に」→「野洲川の全ての州の上に」
- 「川の洲の上に自分で敷いた」→「川の州の上に自分で敷いた」
なお、実は一番最初のルビ振り依頼の文章内にも「状態の洲のなかであり」という表記があり、これも本来は「州」が正しい表記になります。今後は「州」で統一いたします(「三角州」は既に前回訂正済みで正しく「州」になっております)。
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