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*Ⅳ*




二人は学校が終わるとバラバラに廃パチンコ屋へと向かいお互いにナイフで腕を切り合った。腕から流れる血を見合ってウィルは思った。この血は紛れもない実体である! ある日もウィル一人血の秘密の場所に行って糸目を待った。しかし待てど暮らせど糸目は来ない。しびれを切らしたウィルは学校へ糸目を呼びに行くことにした。

 もう生徒のほとんどは下校しているらしく、人影もまばらである。しかしウィルは糸目がどこにいるのか皆目見当がつかない。ウィルは糸目の血の赤さしか、知らない。そっれ以外には、興味がない。不意に、体育用具室に行こうと思った。そこは怠慢な体育教師のおかげでいつでも自由に入ることが出来、生徒達の格好のいじめスポットになっていた。

 体育用具室の前まで来ると何やら物音と笑い声が聞こえる。ウィルがドアを勢いよく開けると、糸目へと振り上げられた拳が彼の左頬へと飛んでゆき、それが当たって吹っ飛び、壁に激突したまさにいじめの瞬間だった。それはどうやら3~4人の生徒によって行われているらしかった。ウィルに気付いたいじめっ子たちはどうやら興が削がれたらしく、一言二言捨て台詞を吐いて体育用具室を後にした。何から何まで未熟で、グロテスクで、どうしようもなかった。

 ウィルはゆっくりと糸目に近づき、見下ろした。糸目は顔を俯けて縮こまっていた。

``なあ。結局血だの切腹だの言ってたって、俺はいじめられてんだよ。ホラ笑えよ失望しただろ。お前も笑えよおッ!``

 糸目はそう叫ぶと、目に一杯の涙を溜めていた。ウィルはしゃがんで糸目の顔をのぞき込むと出ていた鼻血をペロと舐めた。

``君の血はこんなに綺麗じゃないか。``

 すると糸目が、

``馬鹿だな君は。HIV になっちまうよ。``と言った。


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