☆二人の関係・・・・②
逃げ出した私を許してください。
灯と同じ状況だな・・・・・
3人とも薄汚れていて、ご飯も食べておらず、魔物に襲われている状況で私に助けられた・・・・・
この3人を家に連れ帰ったら・・・・・
灯から逃げている私が・・・・・
たった一人の少女から逃げているのに・・・・・
私は、『収納』に入れてある野菜が煮溶けているほど煮込まれたスープ入りのお椀とスプーンを3つ取り出した。
「少しだけ・・・・・なら」
私は、そう言って、お椀を地面に置いて距離を取る。『収納』から小枝や木くずを取り出して、火を付け、焚火を大きくしていく。
「ありがとうございます。」
最初に声を掛けてきた少女が、そう言って、3人の少女たちは、ゆっくりとお椀に近寄ってくるが、誰も口を付けようとしない。
「毒なんて入ってない。ただの煮込まれ過ぎた野菜スープだよ。まぁ、味に関してはあんまり保証しないが。」
私に声を掛けてきた少女がゆっくりと毒見を兼ねてか口に含み、静かに涙を零し始めた。
「・・・・・・美味しい・・・・・ほら、唯。食べてみて。朱音ちゃんも・・・」
二人はそう声を掛けられて、ゆっくりと口に運ぶ。
二人も同様に一口口に運び、泣き始めた・・・・
私は、どうしたらいいのか・・・・・ゆっくりと彼女たちにハンドタオルを渡し、又、焚火の反対側に回る。受け取った彼女たちは、自分たちが泣いているのを初めて知ったかの様にして、タオルで涙を拭う。
「ゆっくり食べろ。急に胃に入れると体がびっくりして、吐いてしまうぞ。」
「「「・・・・・はい。」」」
彼女たちは、ゆっくりと食べ始める。お椀が空になった頃、最初に声を掛けた少女からびっくりするぐらい大きいお腹の音が鳴った。
「えへへ。あの、あの、もう少し貰えませんか?・・・・美味しくてもっと食べたくなっちゃた。」
顔を真っ赤にしながらそう言って、お椀を私に差し出してきた。
私は、仕方ないなと思いながら、『収納』から鍋を取り出して、彼女たちのお椀にスープを入れた。
それから2杯食べた彼女たちは、私に自己紹介をしてきた。
まず、最初に声を掛けてきた(サマーニットのベストとチェック柄のスカートの制服の子)、ストレートの髪の子が、
「私の名前は、相原 舞です。で、妹の唯です。」
小学生ぐらいの子は小さく手を挙げた。
最後の子も舞と名乗った子と同じような制服姿(肩口までの髪の長さ)の子が名乗ってきた。
「私は、篠原 朱音って言います。」
それから、焚火を囲んで質問攻めに合い、3人からお説教をされた。
まさかこの年で、女子高生や小学生に怒られるとは・・・・
「まったく、お兄さんは・・・・すぐに帰りましょう。灯ちゃんに謝ってあげてください。」
はて?3人ともついてくる気満々な様子で、私を促してくる。後ろめたさもある私は、仕方なく帰る準備を行っていく。
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お腹が満たされ、元気いっぱいになった3人を引き連れて、家の前に付いた。
3人は呆然と家の前の堀の前に立ち尽くしていた。魔物から襲撃されない様に掘った堀と高さのある塀と私を交互に見やりながら、声を掛けてきた。
「どうやって建てたんですか?」
「どこから入るの?」
「・・・・・すごい・・・おっきい・・・・」
「一遍に言われても・・・・・後で・・・話すよ。」
まぁ、橋は作っていないので、飛び越えるしかないんだけど。一人一人抱えて、堀を飛び越して家の門を開ける。
「「「ひっろぉぉぉい」」」
歓声を上げながら、食事をしていた焚火周りについた頃、畑の方から人影が飛び込んできた。
泣きはらし、髪もぼさぼさになった灯が、私に飛びつき、ぽかぽかと殴りながら、
「どご、いっでだんですか~~~~~~~心配したんですよ~~~~~ばか~~~~ばか~~~~」
そう言って、私を抱きしめ、顔を見ながら、またぽかぽかと殴ってきた。
私は、後ろめたさからかぽかぽかと殴られながら、乱れてぼさぼさになった髪を手櫛で整えながら
「・・・・・悪かった。」
そう答えた。
その後、4人になった少女たちから、又、小1時間程、説教をされた。
いい年したおっさんが、十代の少女たちに怒られるなんて・・・・・反省。
泣き止み説教中も私から離れず、膝の上に乗り、首に手をまわして離れない灯が、そこで威嚇するかの様に3人に視線を送る。
3人ともやっと気が静まったのか、そんな灯に自己紹介を始めた。
ひと段落した後、舞が話始めた。
「私たちも3日ほど森を彷徨ってたんだ。妹の唯が、その・・・・・コミュニティーで、いじめにあって・・・・・そのうち、私たちも・・・・・段々と・・・・」
最初は、子ども同士の些細な見栄の張り合いから、立場の上下決めが段々とエスカレートしてきて、仕舞いには、その母親が主導し始めたらしい。
舞や唯、朱音の親も災害の時に亡くなり、後ろ盾の親がいない状況で、必死に頑張っていたが、段々と居辛くなって、そして、3人でこの森に入って来たとの事。
全員の気分が落ち始めたので、3人には、風呂へ入ってもらうことにした。
灯にお風呂の使い方を説明するように頼んだが、頑として私から離れようとしないので、全員でお風呂場に行くことになった。
灯と決まづくなった原因の魔道具で、お湯の張り方を教えていると、顔を真っ赤にさせながら、灯が服を脱ぎ始めた。他の3人もその場で脱ぎ始め、私は、逃げようとしたが、入り口が4人の少女に固められて、逃げ出せなかった。
逃げ遅れた私の服に裸になった灯が、手をかけ始めると、高校生組が私の腕を掴み離さない。全員が顔を赤くして、私を脱がしていく。小学生の唯は、手で顔を隠しているが、目は、私の姿をちらちらと見ては、ある一点を凝視していた。
振りほどこうと思えば出来たが、為すすべもなく服を脱がされた私は最後の抵抗とばかりに湯舟に逃げ出した。灯は、自分の服と私の服を脱衣場に持っていき、掛け湯をして、私の傍に寄って来た。
3人は、ゆっくりと髪や体を洗い始めたのだった。
私は、3人に背を向けていたが、その私の目の前に裸の灯が、見せつけてくるかのように立ってきた。
「見てください。恥ずかしいけど・・・・・私の・・・・」
「恥ずかしいなら、見せなくても・・・・・」
私はそう言ったが、灯は、真っ赤になりながらも裸体を見せていた。
増えた。私の立場は、もうない・・・・のか?




