魔石研究2
お風呂入りたいよね~
水の出る魔道具?みたいな試作品が出来たが、私以外の人も使えるのか?灯に試してもらうため、畑に行ってみる。
「灯、ちょっといいか?」
「はい?何でしょうか?」
畑に水やりをしていた灯を呼び寄せて、先程の試作品を試してもらう。如雨露の水を入れるところに向けて試作品の属性魔石部分を向けてもらい発動させてみる。
灯が『アクア』と唱えると属性魔石から水が出始める。止め方が分からなくて、如雨露からあふれた時は、灯がわたわたして、年相応な慌てぶりだったので、笑ってしまった。灯からポスポス叩かれたが、灯でも使えたので、実験は成功だ。灯に『魔力切れ』の際の身体の不調など説明し、水やりで試してもらうことにした。
私は、お風呂に使えるようなお湯や水の量が出せる様に研究をしに研究小屋に戻る。何種類もの魔物の魔石を使い実験した結果、角ウサギは、ライター程度の火しか出せないし、水もコップ一杯出せるかどうかだった。1回の魔力補充で検証出来たものの一覧は、次の通りだ。
火 | 水
角ウサギ :ライター程度 | コップ一杯
ゴブリン :CB缶1本分 | 2Lペットボトル×3本分
狼 :ガスレンジ並み | ユニットバスのお風呂半分程度
オーク :ファイヤーの魔法(初級魔術)| ユニットバスのお風呂満タン
ゴブリンソルジャー :ファイヤー×3回分 | 我が家のお風呂場半分(4~5名分浸かれる)
オークソルジャー :ファイヤー×7~10回分 | お風呂場満タン
ゴブリンは、簡易コンロや水筒に使えるし、狼は固定式のガスコンロになりそうだし、水は洗い物をするには十分だろう。オーク辺りは、洗濯機レベルかな?オークソルジャーは、我が家のお風呂に決定だな。
ゴブリンキングとオークキングは、数が少ないので実験に使えないが、ソルジャー以上の力はあるだろう。オークソルジャーの回数が不安定なのは、また後日検証だな。
後、光や風、氷の検証も後日だな。
家電製品や洗濯機、冷蔵庫、水栓トイレ等生活必需品がこれで賄えそうだ。炊飯器や電子レンジは、原理を知らないから試行錯誤しながら作っていこうかな。
辺りを見回すともう薄暗くなっていたので、現調理場でもある焚火のところに戻る。
一日、畑仕事をしていたらしい灯が焚火に火を付けようと悪戦苦闘していた。
やはり今どきの子は、火を付けられないのか?ライターもマッチも使った事無さそうだし・・・・
灯にメタルマッチの使い方を教えながら、オイルライターの場所も教えていなかったなと思い出していた。
「灯、メタルマッチは、いつもここに置いてある。使い方は、最初燃えやすい木くずか何かに火を移して、段々大きくしていくんだ。やってごらん。」
「分かりました。」
灯がおっかなびっくりにメタルマッチを擦るが、火花が出てこない。
「もっと勢いよく擦ってごらん。最初にメタルマッチを削って、金属粉を火につけたいものにちょっと掛けて、それに火花が燃え移ると激しく燃えるから、それから木くずに移す感じで・・・」
今度は、木くずに火がついたので、焚火の下に入れ、小枝に火を移らせて、薪に燃え移らせて段々と火を大きくしていく。
魔法や魔術が使える様になれば、メタルマッチもあまり使わなくなってしまうんだが・・・・
「あと、リビングにオイルライターがあってだな・・・・」
そう言うと、灯がジト目でこちらを見やる。
「ライターあるなら先に言ってくださいよ。」
「いや、紙タバコから電子タバコに変えて、使わなくなったし、ほら今、タバコが吸えなく無くなっちゃったから、忘れていた・・・・」
「タバコ吸うんだ・・・・今も吸いたい?」
「吸えるなら吸いたいね。でも、灯はダメだよ。まだ未成年だし、女性だし・・・・体に悪いから」
「なんで?男性とか女性とか区別するの?」
「私としては、別に女性だからダメなんじゃなくて、妊娠中は、母体から子供への悪影響があるからおすすめしてないだけだし、未成年なのは、まだ、体が大人になる前だから成長に影響があるからね。それに
一度吸い始めちゃうと中々禁煙出来ないんだよ。吸わないことがよりストレスになっちゃうんで。体力も落ちるし、呼吸が浅くなるしで、いいことなんて無いし・・・・匂いがダメとかあるし。」
ライターからタバコへ話題が移っていったが、あまり納得していない顔であったが、聞き分けてくれたみたいだ。
「ほらほら、夕飯の支度しようか?」
私の話題転換に少々あきれながら付き合ってくれた。
「はいはい。今日は何にするんですか?また野菜スープですか?」
二人で野菜庫に取りに行きながら、今日はどうしようかと考える。
「お腹の調子が良ければ、お肉も入れようか?吐き気とか下したりとかない?」
無言でぽかぽかと殴られる。
「もう!!デリカシーが無いんだから」
「いや~だってつい最近まで、ご飯まともに食べていなかったのに急に食事を入れたら、胃がおかしくなっちゃうからさ」
またもぽかぽかと殴られる。痛くは無いが、そんなに毎回毎回叩かれても・・・・
「もうちょっと、女性の事考えて話してください。」
「????」
私にはわからないよ。家族意外と寝食ともにすることなんてほとんど経験ないんだから・・・・
ちょっとぷりぷりと怒った灯は、大根や玉ねぎ、にんじんを持ち、焚火に戻っていった。
私は、ネギと調味料を持ち、後を追いかける。
その後、二人で作った野菜スープとウサギ肉を焼いて出したところバクバクと食べていたので、大丈夫だろう。まだお肉を食べたそうにしていたので、狼肉も出してみたが、ちょっと堅めのお肉だけど美味しいと言っていたので、多分大丈夫だろう。
今後狩りに行って、生きたウサギや狼を捌くところを見たらどうなるか分からないが・・・・
「それで、渡した魔道具?はどうだった?」
「水汲みが少なくなったので、やり易かったですよ。ただ、5~6回使ったら出なくなっちゃいましたけど」
「まぁ、1回のチャージで6Lぐらいしかでないからな。畑の大きさがもっと広くなったら、また考えないとな。」
「おっと、そうだ。お風呂場の方も説明しとかないとな。お風呂入りたいだろ?」
「もちろん!!毎日でも入りたいです。」
「それじゃ、お風呂場に行くか。」
お風呂場に新たに設置した蛇口型の魔道具の説明をして、出てくるお湯が熱湯なので、水の方で薄めて丁度良いくらいになるようにと説明し終えた。灯は、顔を真っ赤にしながら、着ていた服の裾を掴みもじもじし始めた。
「お湯、勿体ないから一緒に入りますか?」
なんで??そうなるの??




