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化け物勇者の少女  作者: 四季 冬潤
始まり ~日本(パラレルワールド)~編
17/22

第十話 話し合い

 授業が始まったが、ミュウのことを考えているせいで内容がまったく頭に入ってこなかった。それでも、黒板に書かれたことはちゃんと書きとっている私であった。慣れってすごい。


 ◇ ◆ ◇


「――ニファー、大丈夫?」

「ふぇ?」

 今は3限目、体育の授業。またしてもミュウのことを考え続けていた私は、急にかけられた声に素っ頓狂な声を上げた。すぐにはっとして声の主の方を見ると、声をかけてきたのは桜だったようだ。心配そうに私のことを見つめている。

「……大丈夫。ありがとう、桜」

「ほんとに大丈夫なの? 何か悩んでいるなら私が相談に乗るよ?」

 ううん、大丈夫と言いかけて、私は言葉を止めた。もともと昼休みに真木と永木の3人で話し合う予定だったのだが、桜も私たちの幼馴染の一人だ。彼女もミュウと一緒に遊んでいたのである。だったら、仲間外れにするのはダメだ。と、私は考えた。なので、桜も一緒に話し合ってもらうことにした。

「昼休みに、ちょっと話がしたいの。一緒に来てくれないかな?」

 桜は本当に悩みがあると思っていなかったのか、驚いた顔をしたが、すぐにわかった、と返事をしてくれた。そして、桜はコートの向こう側に戻り、バトミントンを再開した。


 ◇ ◆ ◇


「お疲れーニファー」

 4限目の魔法応用の授業が終わり、桜が私の方に近づいて来た。私もお疲れと返す。

「それでニファー、話ってどうしたの?」

 話が早い。私は席を立ち、桜について来るように言った。

 弁当を持って1階まで下りて外に出ると、中庭で真木と永木が既に場所をとっていた。仕事が早い。

「おーい、ニファー。もう場所はとったよー」

 真木が笑顔で手を振っている。私も小さく手を振り返しておく。

「おまたせ。桜も連れてきたよ」

「ちょうどよかった。今から桜にも来てもらえないかメールしようと思っていたところなんだ」

 永木がスマホを振って言った。どうやら無駄なメールを送らずに済んだようだ。

「お昼を食べながら話すから、とりあえずお弁当を開けよっか」

「わかった。じゃあ、今日も卵焼きちょうだいね」

「ダーメ。いつもあげてばっかりじゃない。今日は何かと交換じゃないとダメ」

「えー」

 桜と話しながら弁当を開ける。そして桜の唐揚げと私の卵焼きを交換した。

「いただきまーす」

 弁当を食べ始める。真木と永木はすでに食べ始めていた。

「それで、桜」

「ふぁに?」

 ちょうどごはんを口に入れたところだったようで、もごもごとご飯を食べながら返事をしてきた。

「ミュウ・スクナーって名前に聞き覚えはない?」

 桜は咀嚼(そしゃく)していたご飯を飲み込み、口を開いた。

「ううん、聞いたことない」

 やはり、桜も覚えていないのか。本当になぜ、永木は忘れていなかったのだろうか? 永木には忘却魔法は効かないのだろうか?

「やっぱり、桜も忘れてるんだね……」

 真木が苦笑交じりに言った。

「やっぱり? 皆も忘れていたってこと?」

 桜が聞き返した。

「いや、永木君だけは覚えていたんだけど……」

「忘却魔法で忘れさせられた可能性があるんだ。現に、ニファーはどうやら昨日までは覚えていたらしいんだが、昨日の夜に急に名前を思い出せなくなったらしい。だとすると、なぜ俺には効かなかったのかが分からないんだが……」

「そうなんだ……。それで、ミュウってどんな子なの?」

「えっと、小さいころにミュウを含めた私たち5人でよく遊んでいたんだけど、7歳の時に急にいなくなったの。金色の髪に青い目の女の子で、引っ込み思案で人見知りだったはず」

 実際、まだ少しあやふやなところが残っていた。まだ、完全に魔法が解けたわけではないようだ。

「ああっ! そうだ、思い出した! ……私、何で忘れて……」

「大丈夫! 魔法のせいだから! 桜は何も悪くないよ!」

 忘れていたことに深刻なダメージを負った桜は、このまま放っておけば壊れてしまいそうな危うさを感じさせていた。慌ててフォローをする。

「そうだよ! 私も朝まで忘れてたんだから! 大丈夫、今からでもなんとかなるよ!」

 真木もフォローに入った。流石は天然のムードメイカー、この辺りには敏感である。

「……うん、ありがとう。大丈夫だよ」

 桜も気を取り直したので、本格的に話を始める事にする。


「それで、ミュウがどこにいるかだけど、やっぱり一番可能性が高そうなのは政府の陰謀説かな?」

「なにそれ?」

 桜が首を傾げた。そうだ、桜は朝にはいなかったんだった。そりゃあ知らなくて当然だ。

「朝にも少し話したんだけどね、私の力を欲しがった政府が、私に対しての切り札として拉致したっていう説なんだ。私としてはこれが一番可能性が高そうな気もするけれど……」

「俺もそう思う」

「私も~」

 真木、永木と一致した。

「なるほど、一理あるかもしれないね。でも、まだミュウは生きているの?」

 桜が納得しつつも、最大の懸案事項を口に出した。確かにそれは私も気になる。けれど、一つだけ心当たりがあった。

「桜、昨日の乱入者の容姿を覚えてる?」

「え? 昨日の乱入者の容姿って……ああっ!?」

 そうなのだ。昨日の乱入者の容姿。それは、()()()()()()()()()()()()だった。それはつまり、

「あの子がミュウ本人の可能性もあるってことなの。もしかしたらクローンか何かかもしれないけれど……」

「他人の空似っていう可能性は……」

「低いと思う。でも、もし本人だとすると、成長が遅れすぎていることが気になるのだけれど」

 でも、ミュウはもともと発達が遅れていたはずだ。もしかしたら、全然成長していないという可能性も無くはない。ただ、あまり現実的な考えではなかった。

「ねぇねぇ」

「ん? 真木、どうしたの?」

 唐突に真木が話しかけてきた。

「5限目開始まであと6分だけど、大丈夫?」

 弁当を見ると、ほとんど減っていなかった。

「「やばっ!」」

 桜と私は食べきることが出来ず、若干空腹のまま魔法実技応用の授業に行く羽目になったのだった。

どうも、四季冬潤とかいう者です。


うーん、特に書くことが無い。

魔法の授業ですが、必須科目として1年に魔法基礎、魔法実技、2年に魔法応用、魔法実技応用があり、選択で2年は4大属性の本格的な魔法実戦という科目があります。


次回は10月25日前後の投稿を目指したいと思います。

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