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第三皇女の約束  作者: トカゲ


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第97章 予定どおり

朝。


目を開ける。


天井。


いつもの。


少し。

明るい。


身体を。

動かす。


足。


重くない。


肩。


大丈夫。


昨日より。

たぶん。


いい。


起きる。


今日は。


模擬旅の。

前の日。


明日。

出る。


宿場まで。

行く。


一泊して。

帰る。


そのあと。

先生に。

診てもらう。


それから。


故郷へ行く日を。

もう一度。

決める。


順番。


分かっている。


たぶん。


今日は。

準備。


でも。


準備しすぎない。


前に。

覚えた。


全部。

自分で。

持たなくていい。


全部。

今日。

やらなくてもいい。


部屋を。

出る。


廊下。


ヴィオラ。


「おはよう」


「……おはよう」


「身体は?」


考える。


「……軽いです」


「足は?」


動かす。


「大丈夫」


ヴィオラが。

少し。

笑う。


「先生みたい」


違う。


たぶん。


「……ヴィオラが」


「ん?」


「先生みたい」


「え」


止まった。


少し。

面白い。


先に。

歩く。


「待って、それどういう意味?」


知らない。


たぶん。


いい意味では。

ない。


⸻


朝食。


アルベルト。

いる。


カイルも。


ノアも。


ノア。


いる。


「……学校」


「まだ行かねえよ」


そうか。


朝。


だった。


「明日だな」


アルベルトが。

言う。


一回。

頷く。


「予定では、宿場まで行って一泊。翌日戻る」


「はい」


「だが」


止まる。


見る。


「予定は予定だ」


前にも。

聞いた。


「天候、道、馬の状態。お前の体調。変わる理由はいくらでもある」


「……はい」


「変わったら、その時に考える」


その時に。


考える。


先生も。

言っていた。


宿場に。

着けなかったら。


どうする。


途中で。

止まる。


分かっている。


たぶん。


「明日は、朝に先生が来るから」


ヴィオラ。


「診てもらってから出よう」


「はい」


「荷物は今日のうちに確認する」


アルベルト。


「足りないものがあれば追加する。多ければ減らす」


減らす。


大事。


たぶん。


「俺の土産は?」


ノア。


見る。


「……帰ってくれば。いいんでしょ」


止まった。


カイルが。

笑う。


ヴィオラも。


ノアだけ。

少し。

変な顔。


「……覚えてたのかよ」


「覚えてる」


「そりゃそうだけど」


なら。

聞かなくて。

いい。


「土産はいらねえよ」


「はい」


「いや、そんな即答すんな」


難しい。


⸻


食後。


部屋。


鞄。


前に。

使ったもの。


服。

水。

布。

小さい袋。


薬は。

先生。


食べ物は。

ミーナ。


大きいものは。

馬車。


自分で。

持つもの。


少ない。


ヴィオラが。

一つずつ。

確認する。


「これは?」


「……着替え」


「何日分?」


考える。


一泊。


でも。

予定が。

変わることもある。


「……少し。多め」


「うん」


正解。

らしい。


「これは?」


小さい布。


「……使うかも」


「何に?」


分からない。


入れた。


「……分からない」


「じゃあ、置いていこうか」


見る。


布。


使うかも。


でも。


何に使うか。

分からない。


「……置いていく」


出す。


鞄。

少し。

軽くなる。


前なら。


持てるなら。

持った。


今は。


必要か。

考える。


少し。

違う。


⸻


昼前。


庭。


先生。


来た。


「明日だね」


「はい」


診察。


呼吸。


脈。


足。


肩。


「問題なさそう」


「……行けますか」


「今のところはね」


今のところ。


嫌では。

ない。


前なら。


大丈夫。

と言ってほしかった。


今は。


明日の朝も。

見る。


途中でも。

見る。


帰ってからも。

見る。


それで。

いい。


「明日の練習で、一番大事なこと覚えてる?」


考える。


宿場まで。

行く。


違う。


一泊。


違う。


「……帰る」


先生が。

笑う。


「うん」


「ここまで?」


「それも大事」


少し。

考える。


「疲れたら?」


「言う」


「怖くなったら?」


「言う」


「まだ行けそうでも、休みたくなったら?」


「……休む」


「予定と違っても?」


「その時に。考える」


先生が。

頷く。


「十分」


十分。


その言葉。


何度も。

聞いた。


でも。


明日は。


先生。

いない。


アルベルト。

ヴィオラ。


いる。


自分も。

いる。


それで。

やる。


⸻


午後。


何もしない。


正確には。


少し。

歩く。


昼を。

食べる。


眠る。


起きる。


水を。

飲む。


それだけ。


明日のために。

体力を。

残す。


前なら。


前の日なら。

もっと。

練習した方が。

いいと。


思ったかもしれない。


今は。


違う。


明日。

使うなら。


今日。

使い切らない。


窓の外。


道は。

見えない。


宿場も。

見えない。


故郷は。

もっと。

見えない。


でも。


ある。


見えないことと。

なくなることは。

違う。


知っている。


⸻


夕方。


ヴィオラが。

来る。


「荷物、最後に見る?」


考える。


朝。

見た。


必要なもの。

確認した。


「……見ない」


「いいの?」


「たぶん。大丈夫」


「どっちの?」


考える。


少し。

笑う。


「確認した方の」


ヴィオラも。

笑う。


「そっか」


鞄を。

閉じる。


明日。


これを。

持つ。


全部では。

ない。


必要な分。


⸻


夜。


ベッド。


いつもの。

天井。


明日の夜は。


違う天井。


宿場の。


たぶん。


予定では。


少し。

胸が。

固くなる。


でも。


前とは。

違う。


知らない天井を。

知っている天井に。

変える方法。


知っている。


見る。


いる。


眠る。


それから。


朝。


でも。


明日は。

それだけでは。

ない。


行く。


泊まる。


そして。


帰る。


途中で。

予定が。

変わるかもしれない。


宿場まで。

行けないかもしれない。


一泊では。

足りないかもしれない。


まだ。

知らない。


だから。


その時に。

考える。


目を。

閉じる。


明日。


予定どおりに。

いけばいい。


でも。


予定どおりで。

なくても。


帰ってくれば。

いい。


たぶん。


今日は。


明日に残す方の。


たぶん。


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