第91章 少しいる
次の日。
朝。
目を開ける。
天井。
いつもの。
昨日。
宿へ。
行った。
建物を見た。
中に入った。
階段を上った。
部屋を見た。
ベッドに座った。
帰った。
泊まっては。
いない。
でも。
知らない場所では。
なくなった。
次。
昨日。
自分で。
考えた。
まず。
見る。
次に。
少しいる。
それから。
できそうなら。
眠る。
今日は。
少しいる。
できるか。
まだ。
分からない。
⸻
朝食。
ヴィオラ。
カイル。
ノア。
アルベルト。
いる。
ミーナが。
食事を置く。
食べる。
「……今日」
ヴィオラが。
こちらを見る。
「宿?」
頷く。
覚えていた。
「また。行きたい」
「見る?」
首を振る。
「……いる」
ノアが。
止まる。
「いる?」
「少し」
昨日。
決めた。
ヴィオラが。
分かったように。
頷く。
「じゃあ、お昼を食べてみる?」
昼。
宿で。
食べる。
前に。
外で食べた。
今度は。
宿。
「……はい」
⸻
先生。
診察。
昨日より。
疲れていない。
肩も。
大丈夫。
「今日は宿で昼食?」
「はい」
「それだけ?」
「……少し。います」
先生が。
頷く。
「泊まらない?」
「まだ」
すぐ。
言えた。
先生が。
少し笑う。
「よろしい」
まだ。
泊まらない。
できない。
では。
ない。
今日は。
しない。
⸻
馬車。
ヴィオラ。
私。
それから。
「今日は暇だから」
ノア。
いる。
今日は。
本当に。
が。
ない。
「……暇」
「今日はいいんだよ」
いいらしい。
⸻
町。
昨日と。
同じ道。
曲がる。
建物。
見える。
宿。
昨日と。
同じ。
「分かる?」
ヴィオラ。
頷く。
「……宿」
知っている。
一度。
見た。
⸻
降りる。
入口。
昨日。
ここで。
少し止まった。
今日は。
止まらない。
扉。
開ける。
声。
食べ物の匂い。
知らない人。
昨日とは。
違う人もいる。
でも。
机。
椅子。
階段。
同じ。
全部が。
知らないわけでは。
ない。
⸻
席。
座る。
ヴィオラ。
隣。
ノア。
向かい。
人の声。
皿の音。
扉が。
開く音。
閉まる音。
屋敷の食堂より。
ずっと。
うるさい。
「大丈夫?」
ヴィオラ。
考える。
身体。
大丈夫。
気分。
少し。
落ち着かない。
「……少し。うるさい」
「席、変える?」
見る。
奥。
少し。
静かそう。
でも。
今の場所でも。
まだ。
大丈夫。
「……ここで。いい」
選ぶ。
⸻
食事。
来る。
パン。
スープ。
肉。
知らない料理では。
ない。
でも。
皿が。
違う。
匂いも。
少し違う。
食べる。
普通。
「どう?」
ノア。
「……食べられる」
「そりゃ飯だからな」
違う。
そうでは。
ない。
でも。
説明するのは。
面倒。
食べる。
⸻
途中。
扉が開く。
人。
何人か。
入ってくる。
声。
増える。
胸。
少し。
固くなる。
手。
止まる。
ヴィオラが。
気づく。
でも。
何も言わない。
待っている。
息。
吸う。
吐く。
周り。
見る。
入口。
階段。
窓。
ヴィオラ。
ノア。
知っているもの。
ある。
昨日。
見たものも。
ある。
「……大丈夫」
自分で。
言う。
少し。
間。
「でも。ちょっと。疲れた」
ヴィオラが。
頷く。
「食べ終わったら、部屋で休む?」
部屋。
昨日。
見た。
「……行く」
⸻
階段。
昨日と。
同じ。
廊下。
昨日と。
同じ。
部屋。
昨日と。
同じ。
扉が。
開く。
ベッド。
机。
椅子。
窓。
「……同じ」
「昨日と同じ部屋をお願いしたの」
ヴィオラ。
そうか。
知らない部屋。
では。
ない。
昨日。
見た部屋。
⸻
ノアは。
下に残った。
「人多い方が楽しいだろ」
と言った。
たぶん。
あいつは。
宿泊練習。
必要ない。
⸻
ベッド。
座る。
昨日も。
座った。
今日は。
横になる。
靴を。
脱ぐ。
ヴィオラは。
椅子。
「眠る?」
首を振る。
「今日は。少しいる」
「うん」
横になる。
天井。
昨日。
見た。
知らない天井。
では。
ある。
でも。
初めての天井では。
ない。
⸻
目を閉じる。
声。
下から。
少し。
聞こえる。
廊下。
足音。
扉。
どこかで。
閉まる。
屋敷では。
聞かない音。
目を。
開ける。
天井。
同じ。
ヴィオラ。
いる。
「怖い?」
考える。
少し。
怖い。
でも。
それだけでは。
ない。
「……落ち着かない」
言葉。
少し。
違う。
怖い。
より。
近い。
ヴィオラが。
頷く。
「そっか」
直そうと。
しない。
⸻
少し。
いる。
何もしない。
天井。
見る。
窓。
見る。
ヴィオラ。
本を。
読んでいる。
時間。
過ぎる。
知らない場所で。
何も起きない。
それを。
待つ。
⸻
「帰る?」
ヴィオラ。
身体。
少し。
楽になった。
まだ。
いられる。
昨日なら。
帰った。
今日は。
少しいる。
そのために。
来た。
「……もう少し」
ヴィオラは。
本に。
戻る。
それだけ。
⸻
もう少し。
経つ。
今度は。
自分から。
起きる。
靴。
履く。
「……帰ります」
ヴィオラが。
本を閉じる。
「うん」
できた。
少しいる。
どのくらいか。
分からない。
でも。
昨日より。
長く。
ここにいた。
⸻
下。
ノア。
食べている。
「まだ食べてる?」
「追加した」
そう。
「帰るぞ」
「おう」
残りを。
口に入れる。
急ぐ。
そこまで。
しなくても。
いいのに。
⸻
外。
空気。
吸う。
宿を見る。
昨日は。
見る場所。
だった。
今日は。
食べる場所。
休む場所。
になった。
まだ。
眠る場所では。
ない。
でも。
少し。
近づいた。
⸻
馬車。
帰る。
揺れる。
疲れている。
でも。
昨日とは。
違う。
知らない人の中で。
食べた。
知らない音の中で。
横になった。
目を閉じた。
眠らなかった。
それでも。
大丈夫だった。
⸻
屋敷。
「おかえりなさいませ」
ミーナ。
「……ただいま」
今日は。
宿で。
食べた。
だから。
ミーナの昼食は。
持っていかなかった。
少し。
変な感じ。
でも。
帰ったら。
ミーナがいる。
それは。
同じ。
⸻
午後。
部屋。
ベッド。
いつもの。
横になる。
静か。
宿より。
ずっと。
静か。
目を閉じる。
すぐ。
眠くなる。
宿では。
眠くならなかった。
たぶん。
緊張していた。
それも。
分かった。
眠れなかった。
では。
ない。
今日は。
眠らなかった。
違う。
⸻
昨日。
見る。
今日。
少しいる。
次。
眠る。
そこまで。
来た。
でも。
明日。
すぐ。
やる必要は。
ない。
疲れていたら。
休む。
怖かったら。
もう一度。
少しいる。
できそうなら。
その次。
一つずつ。
自分で。
決める。
知らない場所は。
一度見た場所に。
なった。
一度見た場所は。
少しいた場所に。
なった。
次に。
何になるかは。
まだ。
分からない。
でも。
それで。
いい。
たぶん。
今日は。
いる方の。
たぶん。




