↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第三皇女の約束  作者: トカゲ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/103

第89章 何日

朝。


目を開ける。


天井。


いつもの。


昨日。


鞄を。


持った。


少しだけ。


入れた。


それでも。


重かった。


旅に必要なものは。


もっとある。


でも。


全部を。


私が持つ必要はない。


そこまでは。


分かった。


まだ。


分からないもの。


ある。



⸻


朝食。


アルベルト。


ヴィオラ。


カイル。


ノア。


今日は。


いる。


食べる。


パン。


スープ。


果物。


昨日。


聞いた。


服は。


日数による。


食べ物も。


日数による。


日数。


「……アルベルト」


「ん?」


「故郷まで」


言うと。


みんなが。


少しだけ。


こちらを見る。


もう。


驚かない。


「何日。かかりますか」


アルベルトが。


すぐには。


答えない。


考えている。


「今の道なら、順調に進んで三日ほどだ」


三日。


一日。


二日。


三日。


「……三日」


思っていたより。


短い。


ような。


長い。


ような。


分からない。


「じゃあ。三日で着く?」


アルベルトが。


首を振った。


「アネクシアなら、もう少しかけた方がいい」


増えた。


「どうして?」


「一日中、馬車に乗り続けるつもりか?」


止まる。


馬車。


揺れる。


長く座る。


疲れる。


途中で。


降りる。


食べる。


休む。


昨日まで。


知った。


「……無理。かも」


「だろうな」


ノア。


早い。


見る。


「たぶん」


「そこ便利に使うなよ」


便利。


今日は。


たぶん。



⸻


アルベルトが。


机の上に。


紙を広げる。


朝食のあと。


書斎。


前にも。


来た。


紙。


線。


町。


道。


川。


知らない名前。


「地図だ」


知っている。


でも。


今まで見た地図とは。


少し違う。


指。


アルベルトが。


一つの場所を示す。


「ここが、この町だ」


ここ。


今いる場所。


そこから。


線を辿る。


長い。


途中。


分かれる。


曲がる。


また。


続く。


そして。


指が止まる。


「この辺りだ」


故郷。


名前は。


もう。


知っている。


場所も。


知った。


でも。


こうして。


今いる場所と。


一本の線で。


つながっているのを。


見るのは。


初めて。


「……遠い」


「遠いな」



⸻


「三日で行けるの?」


もう一度。


聞く。


アルベルトは。


別の場所を。


指す。


「馬を替えながら進んで、天候も道も良ければな」


馬。


また。


出た。


「替える?」


「同じ馬を何日も走らせ続けるわけにはいかない」


そうか。


馬も。


休む。


少し。


見る。


ノアは。


いない。


言ったら。


何か言いそう。


たぶん。



⸻


「それに」


アルベルトの指が。


途中で止まる。


「雨が降れば遅れる。道の状態が悪ければ迂回することもある」


前に。


聞いた。


道は。


いつも同じではない。


「宿に着く前に疲れたら?」


聞く。


アルベルトが。


こちらを見る。


「その前に休む」


「でも。遅れる」


「遅れていい」


すぐだった。


遅れて。


いい。


「三日じゃ。なくなる」


「三日で着くことが目的ではないからな」


目的。


故郷へ。


行く。


三日で。


ではない。



⸻


ヴィオラが。


地図を見る。


「今のアネクシアなら、一日に進む時間を短くして考えた方がいいと思う」


「何日?」


「それをこれから決めるんだよ」


まだ。


決まらない。


「四日?」


「かもしれない」


「五日?」


「かもしれないね」


「六日?」


カイルが笑った。


「増やし続けなくていいよ」


そうか。



⸻


地図。


見る。


三日。


四日。


五日。


数字。


増える。


遠くなる。


前なら。


嫌だったかもしれない。


早く。


行きたい。


今も。


行きたい。


でも。


途中で。


食べる。


休む。


眠る。


また。


進む。


それを。


知った。


「……ゆっくりでも。着く?」


アルベルトが頷く。


「道を進めばな」


それなら。


いい。



⸻


「泊まるところは?」


聞く。


アルベルトが。


地図の途中を。


二つ。


指す。


「候補はいくつかある」


候補。


「ここ?」


「その一つだ」


町。


らしい。


今いる町とは。


違う。


知らない町。


「ここで。寝る?」


「その可能性はある」


知らない場所。


夜。


客室。


思い出す。


眠れた。


怖かった。


でも。


朝が来た。


「……見たい」


「何を?」


「泊まるところ」


アルベルトが。


少し考える。


「今すぐは無理だな」


今すぐ。


ではない。


「写真?」


聞いてから。


違う。


ここには。


たぶん。


ない。


アルベルトが。


首を傾げる。


「宿の。写真?」


アルベルトが。


首を振る。


「その宿のものは、持っていないな」


そう。


写真は。ある。


宿の写真が。ない。



⸻


代わりに。


アルベルトが。


宿のことを。


教える。


大きさ。


部屋。


食事。


馬を休ませる場所。


人。


知らない人も。


いる。


「家とは。違う?」


「違うな」


「客室とも?」


「違う」


知らない場所。


本当に。


知らない場所。


少し。


胸が。


固くなる。


でも。


前ほどでは。


ない。


「……泊まる前に。行ける?」


ヴィオラが。


「近い宿なら、一度見に行ってみてもいいかもね」


近い宿。


故郷へ行く途中では。


なくても。


いい。


見る。


帰る。


それなら。


できそう。



⸻


昼。


自分の部屋。


紙を。


一枚。


もらった。


地図ではない。


書く。


三日。


その横。


四日。


五日。


少し。


考える。


消す。


数字だけでは。


分からない。


代わりに。


書く。


進む。


休む。


食べる。


眠る。


進む。


昨日まで。


知ったこと。


並べる。


最後。


着く。



⸻


三日なら。


早い。


五日なら。


遅い。


でも。


どちらでも。


最後は。


同じ。


着く。


途中で。


一日増えても。


道が。


なくなるわけではない。


休んでも。


次の日がある。


眠っても。


朝が来ることも。


知った。


だから。


早くなくても。


いい。


たぶん。


まだ。


少し。


早く行きたいけど。



⸻


夕方。


ヴィオラが来る。


紙を見る。


「旅の予定?」


「……まだ」


予定では。


ない。


「何?」


考える。


「行き方」


ヴィオラが。


少し笑う。


「そっか」


紙の最後。


着く。


そこだけ。


指で触る。


何日か。


まだ。


分からない。


途中で。


何があるかも。


全部は。


分からない。


でも。


三日で。


着かなくてもいい。


四日でも。


五日でも。


途中で。


止まっても。


また。


進めばいい。


大事なのは。


早く着くことでは。


ない。


ちゃんと。


着くこと。


たぶん。


今日は。


急がない方の。


たぶん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。