第79章 外の道
数日。
馬車に。 乗った。
最初より。 少し長く。
揺れる。
まだ。 慣れない。
でも。
最初ほど。 疲れない。
馬は。
まだ。 分からない。
◇
今日も。
屋敷の前。
馬車。
先生。
ヴィオラ。
それから。
ノア。
「なんでいるの?」
ヴィオラが。 聞く。
「暇じゃない」
聞いていない。
「……乗る?」
私が。 聞く。
「いいの?」
先生を見る。
先生が。 少し考える。
「邪魔しないなら」
「しない」
早い。
私を見る。
「ほら」
何が。
ほら。
◇
乗る。
ヴィオラ。
私。
ノア。
向かいに。 座る。
「狭い?」
「別に」
狭くは。 ない。
でも。
前より。 人が多い。
馬車が。 動く。
揺れる。
ノアは。 普通に。 座っている。
揺れても。
何も。 しない。
「……慣れてる?」
「馬車?」
頷く。
「まあ」
少し。 羨ましい。
私は。
曲がる時。
まだ。 力が入る。
ノアが。 見る。
「そこまで踏ん張らなくても大丈夫だぞ」
「……動く」
「馬車だからな」
知っている。
先生と。 同じことを。 言う。
「……知ってる」
「じゃあ力抜けよ」
難しい。
◇
今日は。
屋敷の前を。 少し。
ではない。
道に。 出る。
昨日まで。
見ていた。 道。
馬車が。 そこへ。 入る。
窓。
家が。 動く。
違う。
私が。 動いている。
人。
店。
荷物。
知らない人。
知らない場所。
たくさん。
通り過ぎる。
「……人」
「いるな」
ノア。
「たくさん」
「そりゃ町だから」
町。
そうか。
ここは。 町。
知っていた。
たぶん。
でも。
今。
見た。
窓に。 少し。 近づく。
「アネクシア」
ヴィオラ。
「……はい」
「落ちないでね」
落ちない。
たぶん。
言わない。
◇
馬車が。 止まる。
「どう?」
先生が。 外から。 聞く。
身体。
確認する。
背中。
腰。
足。
少し。 疲れた。
「……少し。疲れました」
「気分は?」
気分。
「……楽しい」
「そっちじゃなくて」
違った。
ノアが。 笑う。
「気持ち悪くないかってこと」
「……ない」
「頭は?」
「大丈夫」
「ふらつきは?」
「ないです」
先生が。 頷く。
「じゃあ、少し休んで戻ろう」
休む。
馬車の中。
窓の外。
知らない店。
知らない道。
知らない人。
見ている。
「降りたい?」
ヴィオラが。 聞く。
少し。
考える。
降りたい。
見たい。
でも。
今日は。
馬車。
「……今日は。いい」
ヴィオラが。 少し。 笑った。
「そっか」
ノアが。 窓を見る。
「また来ればいいだろ」
また。
来る。
できる。
たぶん。
「……うん」
◇
帰る。
同じ道。
さっき。
知らなかった。
店。
曲がり角。
大きな木。
帰りは。
少し。 分かる。
「あれ」
指を。 さす。
「さっきも。あった」
ノアが。 見る。
「そりゃ動かないからな」
知っている。
「……知ってる」
また。 笑われた。
◇
屋敷。
馬車が。 止まる。
降りる。
ヴィオラの。 手。
今日は。
少しだけ。 借りる。
地面。
ちゃんと。 立つ。
先生が。 見る。
「どう?」
「疲れました」
「うん」
「でも。大丈夫です」
「うん」
それから。
少し。 考える。
「また。乗りたいです」
先生が。 笑った。
「休んでからね」
「はい」
今度は。
たぶんを。 付けなくて。 いい。
◇
庭の外。
屋敷の外。
知らない場所は。
まだ。 たくさん。 ある。
故郷は。
もっと。 先。
今日。
近づいたのは。
ほんの。 少し。
でも。
行って。
戻って。
また。 行きたいと。 思った。
それなら。
次も。
行ける。




