第75章 分かったこと
数日後。
先生が。 来た。
いつもの。 診察。
足。
腕。
歩く。
「少しずつ、歩く時間を増やしてもいい」
増やす。
「ただし、疲れる前に休むこと」
「……はい」
「無理しない」
「はい」
「本当に?」
「いつも。素直です」
先生が。 黙る。
ヴィオラも。 黙る。
「……たぶん」
二人が。 笑った。
◇
診察が。 終わる。
先生が。 まだ。 いる。
ヴィオラも。
何か。
ある。
「アネクシア」
ヴィオラ。
「前に話した、あなたの故郷のこと」
身体が。 少し。 固くなる。
「場所は、確認できた」
分かった。
場所。
ある。
「今は、昔と同じ状態ではないみたい」
昔。
「確認できた範囲では、以前のように人が暮らしている場所ではないみたい」
人が。
暮らしていない。
「王家のことや、お姉さんのことは、まだ調べてる」
まだ。
分からない。
でも。
場所は。
分かった。
「……行きたい」
声が。 出た。
ヴィオラが。 見る。
先生も。
「行きたいです」
「アネクシア」
「……見たい」
あの日。
城。
炎。
動かなくなった人。
お姉様の。 手。
その先は。
抜けている。
「自分で」
見たい。
「自分で、見たいです」
先生が。 少し。 考える。
「今すぐは無理だよ」
分かっている。
これは。
待てない。
違う。
待てる。
でも。
行きたい。
両方。
「今すぐじゃ、なくていいです」
言う。
「でも、行きたい」
先生が。 私を見る。
それから。
頷いた。
「もう少し歩けるようになって、移動に耐えられるようになったら考えよう」
考える。
駄目。
ではない。
「はい」
ヴィオラが。 息を。 吐く。
「その代わり、一人では行かせないからね」
「……ヴィオラ?」
「私が行く」
決まっている。 顔。
「……はい」
少し。
安心した。
昨日まで。
行きたい場所。
今日。
行く場所に。
なった。
窓を見る。
空。
前にも。
横にも。
ある。
その先に。
私が。
いた場所が。
ある。
まだ。
知らないことが。
たくさん。
ある。
だから。
行く。
自分で。
見に。




