第70章 もう一人
庭。
歩く。
昨日より。
少し。
遠く。
アルベルトは。
今日は。
いない。
仕事。
ヴィオラも。
途中で。
呼ばれた。
だから。
ノアと。
二人。
「疲れたら言えよ」
「……うん」
「ほんとに?」
一回。
「ほんとか?」
一回。
ノアが。
私を見る。
「……まあ、この前も自分から休むって言えたし」
この前。
ノアも。
いた。
「何その顔」
二回。
「絶対なんか失礼なこと考えただろ」
一回。
「なんでそこは正直なんだよ」
難しい。
◇
昨日。
通り過ぎた。
木。
今日も。
通り過ぎる。
少し先。
道が。
二つ。
分かれている。
右。
左。
知らない。
止まる。
「どうした?」
指す。
「こっち?」
右。
一回。
「行ったことない?」
一回。
「じゃあ行くか」
歩く。
知らない道。
でも。
怖くない。
ノアが。
いる。
少し。
歩く。
音。
聞こえる。
木。
木。
ぶつかる。
音。
何度も。
「あ」
ノア。
嫌そう。
なぜ。
進む。
見える。
カイル。
また。
剣。
この前と。
違う。
木の。
人形。
みたいなもの。
剣で。
叩いている。
「兄さん」
カイルが。
止まる。
こっちを見る。
「また来たのか」
また。
「庭なんだから来るだろ」
ノア。
「お前に言っていない」
私。
らしい。
「……だめ?」
「駄目とは言っていない」
なら。
いい。
近づく。
ノアが。
ため息。
なぜ。
◇
木の。
人形。
見る。
傷。
たくさん。
「訓練用だ」
カイル。
聞いていない。
でも。
知りたかった。
「剣の練習に使う」
一回。
分かった。
剣を見る。
この前も。
見た。
今日も。
見たい。
カイルが。
私を見る。
「やりたいのか」
一回。
ノアが。
すぐ。
「駄目」
カイルが。
ノアを見る。
「分かっている。剣は持たせない」
「ならいいけど」
「この前みたいなことはするなよ」
ノアが。
少し。
小さくなる。
「もう怒られたって」
面白い。
「笑うなよ」
笑って。
いない。
たぶん。
「顔!」
また。
◇
カイルが。
剣を。
置く。
私を見る。
「立てるか」
立っている。
「そういう意味じゃない」
分からない。
カイルが。
少し。
考える。
「足を肩幅に開け」
する。
「もう少し」
する。
「膝を曲げろ」
曲げる。
ぐら。
揺れる。
戻す。
「もう一度」
する。
ぐら。
「兄さん?」
ノア。
「剣は持たせない」
もう一度。
膝。
曲げる。
揺れる。
カイルが。
腕を。
組む。
「まだ足が弱い」
知っている。
「剣以前の問題だ」
剣。
以前。
なら。
そこから。
やればいい。
「……やる」
「何を」
足。
指す。
「これ?」
一回。
カイルが。
少し。
黙る。
「好きにしろ」
もう一度。
膝を。
曲げる。
ぐら。
戻す。
もう一度。
「おい」
ノア。
もう一度。
「やりすぎるな」
カイル。
止まる。
昨日。
言われた。
無理を。
しなくていい。
少し。
疲れた。
まだ。
できる。
でも。
休む。
「……やすむ」
カイルが。
一瞬。
止まった。
「そうしろ」
ノアが。
私を見る。
「ちゃんと言うようになったな」
一回。
できる。
少し。
得意。
◇
椅子。
座る。
ノアも。
隣。
カイルは。
また。
剣。
見る。
この前より。
近い。
剣が。
動く。
速い。
止まる。
また。
動く。
きれい。
「兄さん、剣だけは本当に上手いんだよ」
「だけを付けるな」
聞こえている。
「じゃあ他に何が得意?」
剣が。
止まった。
ノアが。
笑う。
カイルが。
こっちを見る。
私も。
見る。
「お前まで考えるな」
まだ。
何も。
言っていない。
でも。
考えた。
剣。
以外。
知らない。
「……しらない」
ノアが。
笑った。
カイルが。
少し。
嫌そうな。
顔。
初めて。
反応。
薄くない。
少し。
面白い。
◇
帰る。
来た道。
分かれ道。
今度は。
迷わない。
昨日まで。
知らなかった。
道。
今日。
知った。
カイルも。
少し。
知った。
剣が。
上手い。
教える。
少し。
厳しい。
ノアには。
もっと。
厳しい。
それから。
反応が。
薄くない時も。
ある。
「何笑ってんだよ」
ノア。
二回。
「絶対笑ってるだろ」
一回。
「どっちだよ」
どっち。
だろう。
少し。
笑った。




