第68章 この家
帰る。
庭から。
屋敷へ。
昨日より。
遠くまで。
歩いた。
だから。
昨日より。
疲れた。
でも。
歩ける。
ノアが。
隣。
ヴィオラが。
反対側。
カイルは。
残った。
剣を。
振っている。
振り返る。
まだ。
見える。
「気になる?」
ノア。
一回。
「剣?」
一回。
「やめとけって」
まだ。
やっていない。
「顔がやる気なんだよ」
顔。
やっぱり。
便利。
「便利じゃないからな」
なぜ。
分かった。
◇
屋敷。
廊下。
庭より。
歩きやすい。
でも。
足は。
重い。
少し。
休みたい。
言う。
「……やすむ」
ヴィオラが。
止まった。
ノアも。
止まった。
「うん。休もう」
近くの。
部屋。
入る。
昨日まで。
知らなかった。
部屋。
椅子。
机。
棚。
大きな。
窓。
「ここは?」
ヴィオラが。
聞く。
知らない。
二回。
「居間」
居間。
覚える。
座る。
柔らかい。
少し。
沈む。
「そこで待ってて。飲み物を持ってくるから」
ヴィオラが。
出ていく。
ノアは。
いる。
また。
いる。
「なに?」
見ていただけ。
二回。
「じゃあ見るなよ」
難しい。
◇
棚。
見る。
本。
飾り。
知らないもの。
たくさん。
壁。
絵。
違う。
絵では。
ない。
人。
四人。
並んでいる。
ヴィオラ。
分かる。
カイル。
さっき。
知った。
ノア。
今より。
小さい。
もう一人。
男の人。
知らない。
見る。
「それ?」
ノアが。
立つ。
隣に。
来る。
「父さん」
父。
「アルベルト・アークス」
アルベルト。
覚える。
「会いたい?」
少し。
考える。
会いたい。
でも。
少し。
違う。
知りたい。
「……だれ」
「父さんだって」
二回。
それは。
分かった。
言葉。
まだ。
足りない。
写真。
見る。
ノアを見る。
もう一度。
写真。
「どんな人かってこと?」
一回。
通じた。
「んー」
ノアが。
考える。
長い。
「父さん」
それは。
知っている。
「騎士」
それも。
たぶん。
「真面目」
カイルも。
そんな感じ。
「あと」
考える。
「姉さんに弱い」
扉が。
開いた。
「誰が?」
ヴィオラ。
ノアが。
止まる。
「……父さん」
「そう」
怒らない。
「事実だしね」
事実。
らしい。
◇
飲む。
温かい。
少し。
甘い。
身体が。
楽になる。
「アルベルトの話?」
ヴィオラ。
一回。
少し。
気になる。
「……ヴィオラも。きし?」
「うん。第三騎士団だよ」
第三。
覚える。
「父さんには、まだ会ったことはないものね」
ない。
「今日は仕事で出てるから、帰ってきたら紹介するね」
また。
新しい人。
一人。
増える。
「カイル、どうだった?」
どう。
だった。
考える。
剣。
速い。
反応。
薄い。
「……うすい」
ノアが。
吹いた。
「何が?」
ヴィオラ。
ノアが。
笑っている。
「兄さんの反応」
そう。
一回。
ヴィオラも。
笑った。
「まあ、カイルだからね」
カイル。
だから。
分からない。
でも。
二人には。
分かる。
知らない。
また。
一つ。
見つけた。
「兄さん、昔からああだから」
ノア。
「悪気はないよ」
ヴィオラ。
悪いとは。
思っていない。
ただ。
薄い。
「本人に言うなよ」
なぜ。
「たぶん気にしないけど」
なら。
いいのでは。
「その顔やめろ」
また。
顔。
◇
扉が。
開く。
今度は。
ミーナ。
「お嬢様、お加減はいかがですか?」
お嬢様。
誰。
私を見る。
私。
らしい。
「……だい、じょうぶ」
ミーナが。
止まった。
「まあ」
近づく。
嬉しそう。
「お話しできるようになられたんですね」
一回。
「よかった」
笑う。
知っている。
人。
ミーナ。
ヴィオラ。
ノア。
カイル。
まだ。
会っていない。
アルベルト。
この家に。
いる人。
少しずつ。
増える。
違う。
増えたのは。
人では。
ない。
私が。
知っている人。
「どうしたの?」
ヴィオラ。
二回。
何でも。
ない。
部屋を見る。
居間。
写真。
三人。
知っている。
一人。
まだ。
知らない。
庭。
廊下。
部屋。
知らなかった。
場所。
知っている。
場所に。
なっていく。
ここは。
まだ。
私の家では。
ない。
でも。
知らない家でも。
なくなってきた。
少し。
不思議。
「明日は父さんもいると思うぞ」
ノア。
明日。
また。
一つ。
増えた。




