第67章 もう少し
次の日。
庭。
ノア。
今日は。 先に。 いない。
少しして。
来る。
「今日は早くない」
ヴィオラ。
ノアが。 嫌そうな顔。
「昨日、暇って言われたから」
「言ってない」
「言ったようなもんだろ」
「暇じゃないの?」
「違う」
別に。
「……べつに」
ノアが。 見る。
「それもやめろ」
便利なのに。
◇
歩く。
昨日の。 椅子。
通り過ぎる。
その先。
木。
昨日。
遠かった。 場所。
今日は。
ここにいる。
明日。
あそこまで。
昨日。 決めた。
今日。 来た。
少し。
嬉しい。
知らない庭が。
少しずつ。
知らない庭では。 なくなる。
◇
ノアが。 木を。 指す。
「ここ、昔転んだ」
見る。
「走ってて」
ヴィオラが。 笑う。
「泣いてたね」
「泣いてない」
「泣いてたよ」
ノアを見る。
「……ないた?」
「泣いてない」
ヴィオラを見る。
「泣いてたよ」
泣いた。 らしい。
一つ。
知った。
ノアが。 嫌そう。
知られたく。 なかった。
たぶん。
◇
もう少し。
歩く。
庭の。 端。
音。
剣。
振る。
人。
カイル。
ノアが。 言う。
「兄さん」
兄。
カイル。
昨日。 名前だけ。 聞いた。
たぶん。
あの人。
カイルが。 止まる。
私を見る。
「起きたとは聞いていた」
一回。
「もう歩けるのか」
一回。
「そうか」
ノアが。 見る。
「兄さん、反応薄くない?」
「何を言えばいい」
「なんかあるだろ」
「元気なら、それでいい」
薄い。
でも。
悪くは。 ない。
「剣は?」
私を見る。
ヴィオラが。 答える。
「昨日、ノアが棒を持たせたの」
カイルが。 ノアを見る。
「お前」
「もう怒られた」
カイルが。 私を見る。
「剣は使えるのか」
二回。
「そうか」
残念。
でも。 ない。
嬉しそうでも。 ない。
何も。 ない。
「なら、今は必要ない」
「歩けるようになる方が先だ」
そう。
カイルは。 また。 剣を持つ。
「邪魔しないなら、見ていて構わない」
見る。
剣。
速い。
ノアが。 言う。
「兄さん、剣だけは上手いから」
「だけって言うな」
昨日より。
歩けた。
今日。
届いた。
なら。
これも。
いつか。
できる。
たぶん。
「駄目だぞ」
ノア。
なぜ。
「その顔」
ヴィオラも。 笑う。
「今日は見るだけ」
「また今度ね」
また。
今度。
剣。
見る。
カイル。
見る。
自分の。 手を見る。
「その顔、絶対諦めてない」
「……いっかい」
「そこで頷くなよ」
ヴィオラが。 笑った。
カイルだけ。
剣を。 振っていた。
でも。
少しだけ。
こっちを。 見た。




