第66章 歩く
庭。
ノアが。 いる。
先に。
「遅い」
遅くない。
ヴィオラを見る。
「この子は遅くないよ。ノアが早かっただけ」
「別に」
また。
別に。
暇では。 ないらしい。
◇
歩く。
昨日より。 少し。 遠く。
ノアが。 前。
振り返る。
「その顔やめろよ」
何も。 していない。
「してる」
ヴィオラが。 笑う。
「もうだいぶ分かるようになったね。この子の顔」
「分かりやすいじゃん」
顔。
便利。
「便利じゃないからな」
歩く。
もう少し。
先。
行きたい。
足。
まだ。 動く。
速く。
「……はしる」
ヴィオラが。 止まる。
「まだ駄目」
まだ。
ノアも。 見る。
「歩けるようになったばっかりだろ」
少しだけ。
速く。
ぐら。
身体が。 傾く。
ノアが。 支える。
「今ので説得力なくなったぞ」
何も。 言っていない。
◇
椅子。
昨日と。 同じ。
座る。
遠く。
木。
あそこまで。 行きたかった。
今日は。 届かなかった。
ノアが。 見る。
「あそこ?」
一回。
「明日な」
明日。
「今日はここまで」
一回。
明日。
あそこまで。
ヴィオラが。 隣に。 座る。
「待てるようになったからね」
待てる。
次が。 あるなら。
待てる。
◇
ノアが。 落ちていた。 木の棒を。 拾う。
振る。
剣。
みたい。
「やる?」
一回。
ヴィオラ。
「ノア」
それだけ。
ノアが。 止まる。
「ちょっとだけ」
棒。
受け取る。
重くない。
立つ。
持つ。
振る。
身体が。 ついてこない。
ぐら。
ノアが。 支える。
また。
「姉さん」
姉さん。
私。
「剣は、まだやめといた方がいい」
まだ。
なら。
いつか。
できる。
たぶん。
少し。 嬉しい。
「なんで嬉しそうなんだよ」
分からない。
ノアが。 ため息。
ヴィオラも。 ため息。
似ている。
少し。
面白い。




