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第三皇女の約束  作者: トカゲ


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第55章 指先

白い天井。


今日も。


あった。


昨日と。


同じ。


窓から。


光が入っている。


空は。


見えない。


天井が。


あるから。


でも。


向こうにあることは。


知っている。


サウラ。


返事は。


ない。


まだ。


寝ているらしい。


よく寝る。


人のことは。


言えないけど。


少し。


笑おうとした。


動かない。


顔も。


まだ。


あまり。


動かない。


そうだった。


暇。


なので。


続ける。


手。


右。


指。


親指。


動け。


動かない。


人差し指。


動け。


動かない。


中指。


動かない。


薬指。


動かない。


小指。


動かない。


左。


同じ。


動かない。


もう一度。


右。


親指。


だめ。


人差し指。


動け。


少し。


何か。


違う。


もう一度。


動け。


ほんの少し。


指先が。


動いた。


気がする。


扉が。


開いた。


ヴィオラ。


「おはよう」


一回。


「何してるの?」


何。


説明できない。


右手。


意識する。


動け。


「……手?」


一回。


「動かそうとしてる?」


一回。


ヴィオラが。


近づく。


布団から。


右手を。


出してくれる。


見える。


手。


指が。


長い。


いや。


手が。


少し。


大きい。


気がする。


こんな。


手だっただろうか。


「どの指?」


人差し指。


見せたい。


動け。


少し。


指先が。


動いた。


ヴィオラの。


目が。


大きくなる。


「今、動いた?」


一回。


もう一度。


動かす。


「待って」


止められた。


なぜ。


「一気にやらない」


ヴィオラが。


手を。


そっと。


布団に戻す。


「できても、やらない」


できるのに。


「先生に怒られるの、私だから」


それは。


困る。


一回。


ヴィオラが。


笑った。


「よし」


右手。


布団の中。


人差し指。


動け。


動かさない。


今は。


それで。


我慢した。


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