↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第三皇女の約束  作者: トカゲ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/101

第15章 ???


 炎が見えた。


 まただ。


 高い城壁。


 崩れ落ちる塔。


 夜を赤く染める炎。


 人が走っている。


 叫んでいる。


 何かから逃げるように。


 ――違う。


 これは今ではない。


 まだ起きていない。


 目を閉じる。


 それでも光景は消えなかった。


 未来は、ときどきこうして勝手に入り込んでくる。


 望んだものだけを見せてくれるわけではない。


 いつ起きるのか。


 なぜ起きるのか。


 そこに至るまでに何があったのか。


 そんなものは見えない。


 ただ、起きる。


 それだけだ。


 炎の中を、誰かが歩いている。


 小さな影だった。


 少女。


 銀色の髪。


 炎を映してなお、その色だけは失われていない。


 見覚えはない。


 少なくとも、今は。


 少女がこちらを見る。


 何かを言った。


 聞こえない。


 未来はいつも不親切だ。


 場面が変わる。


 同じ少女。


 その前に、誰かが立っている。


 自分だった。


 その手には、力がある。


 殺せる。


 簡単に。


 敵ならば、そうすればいい。


 それなのに。


 未来の自分は動かなかった。


「……?」


 理解できない。


 少女も逃げない。


 何かを話している。


 自分が答える。


 けれど、その言葉は聞こえない。


 また、未来が途切れた。



     ◇



 静寂が戻る。


 炎はない。


 城もない。


 銀髪の少女もいない。


 当然だった。


 まだ、何も起きていない。


 敵ならば殺す。


 害になるなら排除する。


 それで終わる。


 今までなら、それでよかった。


 ならば。


 あの未来で。


 なぜ自分は、あの少女を殺さない?


 答えは、まだ見えなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。