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朝は神社で掃除をしていた最弱の巫女見習い、今日から魔法学園に通います。  作者: 九尾


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第89話 「価値」

「それで、何するのー?」


後日、ジョルティアさんやガーバント先生も居る状態で集まっていた。


「一応監視はするが、止めた時はそこでやめるように」


「ガーバント先生ありがとうございます。と言っても今日はちょっと試したい事が?」


「──試したい事?」


「以前、対抗戦の時に使用していた複数魔法。あれはもしかするとセリアさんを通して契約獣がしていたという仮説を出しましたの」


「ふむ…確かに映像を見る限りでは使役しているのと属性が対応している感じはしたが」


「という事で今回は皆に頑張ってもらいます…!」


そう言ってみんなを撫でたりすると喜ぶように鳴く。


「キナコ、いきますよ?」


そう言うと「キキッ!クククッ!」と鳴いて準備万端といった様子で両手を広げた。


「ではセリアさん。一番防御系で魔法を使っていた氷からお願いしてもよろしくて?」


「てことは、ヒヤンですね?」


そう言って撫でてからヒヤンを抱き抱える。


とんとんと撫でると「ぶぶっ。ぷーっ」と鳴きつつ手に擦り寄るようにぎゅっと屈める。


「ヒヤン、防御お願いします…!」


その瞬間、巾着袋がぴかっと輝く。あの時と同じ青色の光が広がる。


パキィンッ!!


地面から先に氷の槍が突き出る。


「…ほんまに出た」


その光景を見て尻尾が揺れながらジョルティアさんが前のめりになる。


「わぁーっ…!セリアちゃんすごーいっ!」


「んー…えーと…槍ですね?」


そう言いつつヒヤンを撫でると得意気にする。


「本人が倒れては…いないな」


そう言いつつガーバント先生が氷の槍を見つつノックするように確認していく。


「……なんだこの密度。ルーテリア、ジョルティア、来てくれ」


「にゃ?」


「ん?わかりましたわ」


二人が近寄って氷に触れる。


「「──?!」」


二人が固まって顔を見合わせていた。


「魔力が出てない…よね?これ。」


「え、えぇ…。ただの冷えた氷ですわね…」


魔法で生成された氷なら何かしらの魔力反応が出る。だがそこにあったのは純粋な氷のように思えるものだった。


「ねぇねぇこれって、魔力そのものを完全燃焼させて作ったって事…?!」


そう言うジョルティアさんが一番震えた様子でガーバント先生を見ていた。


「理屈的にはそうなるな。白銀の氷兎(フロスト・ラビット)の魔力の倍の威力か、それ以上の威力だ。対抗戦の時にエレアの攻撃を受けて流していたのをみるとあるいはもっと純度が高く硬質になる」


そう言っている間ミィさんが何かをブックちゃんに書いていた。


「…属性は皆と一緒。でも純度が違う。なら、これが自然。」


そのページを見せると視線がそっちに集まる。


「何々…セリアと契約してから、それぞれが使う魔法をセリアを通して発動するって事か?これ」


「…ん。これなら説明が通る。」


その構図を見て少し考える。


「制御が計測不可だったのもこの理屈で発動するなら確かに筋は通るが…」


私は構図が複雑すぎてちょっと理解が出来ない状態で「あっ、でしたら」と言ってヒヤンを下ろしてフラワを呼ぶ。


私は気になって巾着袋の中身を出して手のひらに並べる。


そこには以前も見たように少し発芽した種が6つ。


そして少し齧られた種が一つ。


「フラワ、花を咲かしてくれますか?」


──その際、一つの種が光り輝いた。


次は緑色の発光が発芽した種から出つつ淡い光が周りに広がり、花畑が裏庭に咲く。


(なるほど。これが光ったら魔法が発動するんですね…?)


その様子を皆さんが見つつも広がっていく花畑を見届ける。


「めっちゃ普通の花やな…」


そういって触れているルイネさんの言葉に皆さんが頷く。


「自然に生えているものと遜色がない…。本来魔法で生えたならこれは無いが」


「てことはてことは、えっ。セリアちゃん通したら能力上がるって事!?」


「いえ、少し違いますわ」


ジョルティアさんが首を傾げる中、ルーテリアさんが更に続ける。


「私達はマナコアのランクと出力によって決めている。というのは知っていますわよね」


「うん。一応それでランク分けされてて…」


「そのマナコアから引き出した数値の何割かを陣の形成で使っているか、あるいは純度100%で出力出来ていないのが私《わたくし》たちの魔法。」


「でもセリアさんの場合は、その減衰が無い。と言ったと所だと思いますわ」


「ん-……。理屈は大体わかったけどさ。なんでルーテリアちゃんはそう思うのー?」


「実際に対抗戦の時にも、練習の時にも。セリアさんを通して出力した経験則ですわ」


「まぁ戦車で使ってたし…でもあれって体を支える目的とかやなかった?」


「えぇ。最初は私《わたくし》もその予定でしたの。」


そう言いながらルーテリアさんは私を見る。


「え、えっと…その、私が近くにいたから精密操作ができるようになった…と?」


「その通り。私《わたくし》は正直言えば、あんな出力できませんもの」


ガーバント先生が生成された氷の付近から立ち上がり歩いてくる。


「その理屈で行くなら、セリア・レインという存在はある意味、相当厄介かもしれないな」


「厄介…?」


ミィさんが頷いて口を開く。


「…魔力を最大出力で出せる。なら、兵器利用もできる」


「へ、兵器……?」


「…魔力を吐き出すための通路。作った銃の銃口と一緒」


「…銃口……。」


私は自身の手を見る。


(私が銃口……?)


──お師匠様…私は…。

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