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朝は神社で掃除をしていた最弱の巫女見習い、今日から魔法学園に通います。  作者: 九尾


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第78話 「見え方」

「最近調子乗ってない…?」

「Sランクに話しかけてもらえていい気になってるなってるんでしょ」

「ほんとよね、いい子ちゃんぶって、きっしょ。」


 そんな声を耳にしつつ、ニナはセリア達を観察しながらレオニダスやヴィクトリアの動向を探ろうと見ていた。


(最近露骨にセリア・レインに対しての反発組と擁護組が増えてきてるわね…)


 情報部としてはこの上ないネタの宝庫であるセリアの周りは色々な感情が周りに点在しており、ネタには困らない状況になっていた。


 対抗戦が終わってからというもの、ヴァルザードの評判は前よりも下がり、本人は荒れつつも教師陣にマークされているのもあり、燻っている様子。


 対してセリアに関しては同じ組の為、近くで見ていると色々分かった事があった。


 まず一つ、セリアはランクで対象を見ていない。そして二つ、とりあえず一回目は信じるという点があるが、こっちは周りが無理矢理止めたりしていた。


 ──そして三つ、動物や精霊獣などに異様に好かれる点。


(…これ掲載して誰が信じるのよ)


 キナコ筆頭、周りに契約獣がいる場合、高確率でセリアの付近に近寄りたがるというのが観察していると出ていた。


 Aランク、Bランクであろうが何であろうが、気性が荒くともその成りを潜めてその場にいるという状態が散見されていた。


(とはいえSランク系のはまだ…か。出来ればどこかで見れればいいのだけど)


 そうは言ってもSランクの使役している契約獣は軒並み規格外。


 レオニダスの凍土の氷腕巨獣(イエティ・ブラッド)は地面を叩き割って無尽蔵に氷の棘を出したり氷塊生成できる能力だし、ヴァルザードの紅玉の溶岩竜《ルビー・マグマドラゴン》は、歩く度に灼熱を振り撒く火山内包の竜。


 一番は大人しいのがヴィクトリアの奈落の灯蛾(アビス・モス)だけど、それでも暗殺とかに特化したとんでもない催眠や麻酔作用がある。


 そんなとんでもない能力持ちのがセリアに懐く、とは考え難いが、既にルーテリアの契約しているAランク級の蒼月の霊狼(ルナ・フェンリル)が懐いていたのを、対抗戦終わりのパーティで見ている。


 そうやって考えていると、斜め後ろから「ニナ、おい?」と声が聞こえる。


「なに、ギャレット。今考え事をしてるんだけど」


「ずーっと難しい顔してるからだろ。それよりも、情報俺も集めたぞ」


「──また使えない物とか既に知ってる物じゃないでしょうね」


「男子区域の寮に入れんのかお前」


「…一応聞くわ。それでどんなの?」


「題して、男子で決めたミスコンだ。といってもDからBくらいまでしか聞けてないんだが」


「…変態」


「何でだよ?!」


 ニナは溜息交じりに「さっさと続けなさいよ」と言いつつ一応メモを開く。


「堂々の一位はエレア・セレスティア。聖女の中に小悪魔的なママみがあるとか──」


 説明を聞いている間、ニナの表情は終始死んでいた。


「後は学年飛んで、推定FのSS、3年の大妖精の異名を持つロヴィーノ・アルテさんとか」


「もういいもういいわかった。」


「え、まだ続きが──」


「男ってみんなそうだってのがよくわかった」


「仕方ねぇだろそういう方が話せるんだからよ!?」


 ニナは踵を返していこうとした時、ふと思い立って足を止める。


「…ねぇギャレット。それ、セリア・レインはいる?」


「え、ランキングにか?そりゃ、居るが…──」


 もう一度ギャレットの方を向いて近寄りつつ「それを先に言いなさいよ」と詰め寄る。


「それで、何位なの」


「え…えーと…1年の中だと、4位…」


「4位…え、容姿だけでそんななる…?」


「なんか…対抗戦のが効いたのか知らないけど、順位がすっごい上がってたな…?」


「その記事どこで見れるの」


「えーと…男子用の掲示板の…ほら、これ」


 マテリアルプレートを見ると、そこには男子特有の胸が大きいベスト10だの、付き合いたい彼女ランキングだのが並ぶ中、一際目立つのが一つだけあった。


「学年別、バブみ選手権…?え、きっしょ」


 ジト目でギャレットが「本音漏れてるぞニナ」と言いつつ記事を開く。


 中身はスレが何個も乱立するような形だが、順位表と何故それにしたのかという説明書きまで丁寧にあった。


 <投票:セリア。甘えさせてくれそうだから>

 <投票:セリア。大人しい顔して脱いだら凄そう>

 <投票:セリア。白装束で寛いでるのを見たって言ってた。ソレになりたい>


 見ているうちに無意識に「きっしょ」と声が漏れつつも内容を纏めていく。


 そんな下品な投稿の中で一つ気になる一文があった。


 <投票:セリア。怒る気になれない。というより一緒に居ると何故か落ち着く>


「──…何故か落ち着く、ねぇ」


「あぁ、それは俺も思ったが…何なんだろうな?あの雰囲気」


「…もしかすると無意識化で何か魔法が…いやでもそれなら感知に反応するはず…?」


「まぁこういうのだが、一応は集計がある。お前の言う通り女からすればキモイ発言も多いけどな。異名だし」


「──そこは否定しないけど、ある意味私の気にもして無かった所にフォーカスは当たるから今後あれば定期的に見せて頂戴」


 頷くギャレットに「それで、あなたは誰に投票したの?」と聞いてみる。


「俺は最初は苦手感あったけどルーテリア。対抗戦前のからちょっと気になりだして、割と敏腕お嬢様って感じで超タイプだな!」


「うわぁ…。」


「うわぁってなんだよ?!」


「絶対不釣り合いだから夢だけにしておきなさいよ」


「んなもん、わかんないだろ!?」

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