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朝は神社で掃除をしていた最弱の巫女見習い、今日から魔法学園に通います。  作者: 九尾


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第61話 「居場所」

夜の後半、そろそろ受付が終わる1時間前くらいに、リスを頭に乗せた彼女が歩いて来た。


「ただいま戻りました~。」


「あ、おかえりなさーいっ!」


テレサは受付で報告書を見ていく。


「……これ、掃除依頼ですよね?。え、皆さんでしました…?」


そういうとセリア以外の全員が首を横に振る。


「特に何もしていませんわね。全てセリアさんがしましたわ?」


「…ん。喋ってただけ。」


「は、はい…。その、お婆さんの話し相手をしてた…だけで…?」


口々にそういう顔には嘘を言っているような雰囲気は無かった。


「は、はぁ…」


テレサは改めて完了報告書に目を通していく。


家の中を見てみたら隅々まで綺麗になっていた。整理整頓がきちんとされていた。無くしていたものまで見つけてくれた。終わってからも会話で楽しい時間を過ごせた。


どこを切り取ってもその報告書には掃除のみという範疇を軽く超えているような雰囲気しかなかった。


「あのー、報告書は問題ないでしょうか…?」


「えっ?あ、はい大丈夫です!じゃあポイント1点加算しておきますね…!」


そう言いつつ加算手続きを行い、彼女は溶けるようにだらけているリスを大事そうに持ちながら「今日は何食べましょうか?」と話し合いながら歩いていく。


「…リリアーヌ姉さんに一応報告しておこうっと」


「何を報告するんですかぁ~?」


「いつも通り5点満点で帰ってきて――…ちかっ!?」


クスクスと笑いつつクレアは「ごめんなさい。少し驚かそうと?」と少しいたずらな笑みを見せる。


「それで、内容を見ても?」


「あ、はい。こんな感じで…?」


クレア本人も報告書内容を見ていく程に5点満点の評価を納得せざる負えないような表情になっていた。


「…丁寧ですねぇ…。一つ一つの対応が……」


「ね。聖母とか地母神ですかね?」


「最弱の地母神ですかぁ…。ふふっ、もしいたら自主的な入信者が増えそうですね?」


そう話していると一人が歩いてくる。


「何をしているのですか二人とも…」


「あらリリアーヌさん。お疲れ様です」


「彼女の評価を改めて見てたんですよ」


そう言いながら渡された報告書に目を通すとスッと目を細める。


「…依頼は掃除。やってる事は整理整頓…まではわかりますが、何故家具の移動や植木鉢の手入れ、洗い物や世間話の談笑までしてるんですか…」


「なので、地母神的な才能があるのかなと!」


「はいはい。そんな与太話は良いですから締めの作業をしてください。まだ残ってるんですから」


口を尖らせたまま「はーい」と言いつつテレサは行く中、「では私もしてきますね」と軽くお辞儀してそれぞれの担当の場所に向かう。


――――。


翌日の朝、職員室では少し趣向を変えて微糖コーヒーを飲みながらガーバントはHRの資料を纏めていた。


「こんなものか。…で、お前は何してる…。」


「ん?セリアがしてたのをしてみてるのだ!」


メルフィスは兎のような小動物系の契約獣を机に乗せて「お手!」などを言っていた。


「セリアがしてたのって…。そんな事してたか…?」


「いや、してなかったが契約獣自らしてたのだ!」


そういうメルフィスに「じゃあ違うじゃないか…」と言いつつも別れを告げて職員室を後にする。


歩いている間、軽く周りを見ているとやはり自身の担当している教室が少し…いや相当風変りしているんだなと実感させられる。


(…ランクの離れた相手との会話が無いな。)


ランク差別は確かに多い。直接現場を見受けられればいじめなどは止めるが、もはや態度からそういった諦めのオーラが滲み出ていた。


見る程にその疑問は深まっていた。


――4組の中でセリアは中心じゃない。だが、何故かいじめが他と比べて極端に少ない…というかいじめそのものを見た事が無いような気がする。


(ランク差別はあるが…今までのと違うよな…)


数年、この教師と言う立場に就いて初めての出来事だった。


「…はぁ。」


(考え事をしてると教室まであっという間だな…)


そう思いつつ、ドアを開ける。


「おはよう、早速席付けー…って何してんだ?。」


見てみると依然決めたセリアとゼクスが前に出て黒板に何か書いていた。


「あ、おはようございますガーバント先生。 実はこの前の作戦の簡易的な説明をしてまして?」


横にいるゼクスも「皆がわからない点を積んでおきたく」と追記が入る。


「あ、あぁそうか…なら軽く纏めてくれるか。HRの時間だ」


「わかりました!」


「以上を持って作戦会議は終える。各自予習しておくように」


そう言うと、軽く会釈するようにしてからゼクスは行き、セリアは綺麗なお辞儀をしてからさささっと行く。


「――とりあえず、さっきの続きを借りる形で説明するが、対抗戦まで2週間を切ったが」


そう言いながら生徒達を見ると、今までの殺伐とした雰囲気、どんよりとした雰囲気はこの教室だけには何故か当然のように無かった。


「…――大丈夫そうだな。では軽く説明のおさらいだけして今日の授業をするぞ」


そうして軽く学年対抗戦の説明をしてから授業を開始する。


授業を開始してから生徒達を見ると、やはり差別よいう雰囲気は見えず、なんなら後ろの方にいるセリア。


この教室唯一のGランクなのに、あんなに楽しそうに授業を聞いている。


それどころか指名したら正解不正解関係なく、笑顔で答えたりする。


(…居心地が良いんだろうな。あのセリアって存在が。)

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