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朝は神社で掃除をしていた最弱の巫女見習い、今日から魔法学園に通います。  作者: 九尾


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第56話 「新たな行事」

――一月が経ち、五月頃。


HRにて、私達はガーバント先生の説明を聞いていた。


「そろそろ学年対抗戦について説明をするぞ」


そう言いつつ渡されたプリントに目を落とすように言われる。


「今回は普通の勝ち抜き戦じゃない。団体戦と代表者戦の二つがある」


そう言うと手を上げる生徒もいる。


「代表ってどうやって決めるんですか?」


頷きつつ、黒板に書かれていく。


「原則として各クラスで候補を出す」


そう言うと目に見えてざわめきが広がっていた。


「今回するのは学年別での候補といったように、出来る限り上位に食い込むのを目的とする。」


「とはいえ、この4クラスは他みたいにSランクが居ないから、他よりハンデがある状態になる。が、逆に言えばマークされない」


そう言いつつ黒板に書いていく。


「さて、候補自体は各クラスから自由に挙げる。ただし過去の傾向からAランク以上が選ばれることが多い」


私は少し疑問に思い手をあげる。


「そういえば、優勝賞品のこの”ランク専用食堂の優先利用枠”…というのは?」


「知っての通り、学園内の食堂施設はランクによって分かれているのはあるのは知っているな」


そう言いながら食堂の構図を簡単に描いていく。


「この優先席と呼ばれる区域の利用権だな。提示すれば低ランクでも利用できるという代物だな。この時にランクは不問になる」


「なるほどっ、ありがとうございます!」


私は疑問が晴れて満足気に座る。


「他にも支給品の品質が上がったりするのが報酬としてはあるな」


そう言いながら報酬についても黒板に記述していく。


「大まかに言えばこんな感じだ」


各々が思いを言う中、ガーバント先生が「まずは代表者を決めるぞ」と黒板の開いた部分に候補者を広げていく。


「代表者の試合は単独戦闘による個人技だ。そのため、低ランクだと太刀打ちできない可能性が出てくる」


そう言いながら、投票数と名前が書かれていく。


「――ルーテリア、ギルフォード、ゼクス。この3人がこのクラスにいるAランクだ」


そしてそれぞれの投票が始まる。


勿論、私は一番関係があるルーテリアさんに投票をした。


「ルーテリアさんが良いと思う」

「堅実な戦いをするギルフォードさんが良いと思うだが」

「数で圧倒するゼクスさんだろ」


そんな会話が広がる中、各々の投票を記した紙を簡易的な投票箱に収め、結果が発表される。


「投票数42名、1位17票、2位13票、3位12票。」


「――結果は、ルーテリア・ラフテイルに決まった」


そう言うとルーテリアさんが指名され、立ち上がる。


「皆様の期待、しかと受け取りましたわ。悔い無きよう、全力を持つので、是非応援して頂けると、嬉しいですわ」


そう言って再び座ると、パチパチと拍手が鳴る。


(頑張ってくださいルーテリアさん!)


心の中で最大限のエールを送っていると、ガーバント先生は「次に」と言いながら団体戦の事を記述していく。


「団体戦は個人技じゃなく集団行動だ。よって、今回のリーダーと副リーダーを決めるが、これも投票制だ。」


次は名前は書かれず、先ほどと同じように簡易的な投票用紙を渡されていく。


(ん-…集団行動のリーダーですか…。となるとゼクスさんですかね。影さんをいっぱい利用してましたし)


そんな事を思いながらリーダーを描き、副リーダーをミィさんと記入して投票箱に入れる。


「――次に団体戦のリーダーだが…。」


そう言って一瞬ガーバント先生が固まる。


「――。リーダー、ゼクス・ルーメンで19票だ。そして副リーダーだが――」


少しの沈黙が広がる。


「――…副リーダー候補、セリア・レイン。8票。」


「私…!?」


あまりに驚きすぎて素っとん狂な声が漏れてしまうと同時に「えっ」という声が広がる。


「だいぶ接戦だったんだが、どう計算しても1票差でセリアが1位になっていた。2位は7票で同列、ギルフォードとルーテリアだ。」


ざわざわと広がる中、更にガーバント先生が言う。


「お前たちが多数決で決めた事だ。即ち合意の上という事だ。異論があるなら今のうちに聞くが?」


そう言うと数人が手を上げて立ち上がる。


「Gランクですよ!」

「魔法もAランクの人みたいに撃てないのに…!」

「それに陽溜まりのスライムサンシャイン・スライムにも勝てないレベルですよ?!」


そうざわめく中、「こちらも投票した」と声が響くと、その声の人物、ゼクスさんに視線が集中する。。


「実際、イリス講師の授業の時にアイデアを出した所が見事に的中したからだ」


そして更に「わたくしも」「自分もだ」とルーテリアさん、ギルフォードさんの声が上がる。


「実際、あの時のアイデアがあったからこそ、勝利が容易に、そして迅速に作戦を立てれましたわ」


「対面して思ったが、セオリー通りなら対策は取れた。だがそれをしてこなかったからこそ、足元を掬われたのも事実だ」


その3人の主張があり、意見がそれぞれ止まり、場が鎮まる。


「…ならば、異論はないな?副リーダーをセリア・レインとする。二人とも一言を」


そう促されてゼクスさんに続いて私は緊張しつつも立ち上がる。


「リーダーになったからには統率は効率化する。Sに対しての下剋上、上等だ」


「わ、私も精一杯頑張りますね!皆さんで楽しんでやりましょう!」


そう言い終わって座ると、当日までにする事をガーバント先生が黒板に並べて書いてくれる。


「当日までにする事は、まとめた。各自の得意分野を生かして優勝を取ってこい」


一拍を置いて「じゃ、午前の授業を始めるぞ」と、そのまま授業へと入っていく。


(皆さんの期待を背負ったんですから…頑張らないと!)


そう期待や使命感、そして少しばかりの不安を胸に、私は午前の授業へと視線を向ける。

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