第45話 「単独の実戦!」
後日、私達はHRでガーバント先生の告知を聞いていた。
「では、各自に通達があったように。今日は実技試験を行うが、今回はソロでの適正を見るテストだ」
そう言ってプリントを配るように指示する。
「前回したのはチーム戦でのやつだ。今回はさっきも言ったように、ソロでのテストだが、このクラスにはGランクもいる。そこで担当のイリスの方からも聞くと思うが、こちらで用意した契約獣との一騎打ちという事になる」
私はプリントを見ながらその事を聞いていく。
「…?どうしたんですかキナコ…?」
懐から見てたキナコがもぞもぞと動いて興味深そうに見る最中、ガーバント先生はHRを終え、そのまま朝の授業を始める体制に変わるのを見る。
私は授業の準備をしてキナコを撫でたりしながら今日のエルディシア世界の歴史学についての授業を受ける。
――時間は過ぎ、場所は学園に存在するダンジョン演習塔の付近の広場。
メルフィス先生とイリス先生がいる状態で私達1年生は各自集まっていた。
「はい、では今回は単独でのテストを致しますね?」
「うむ。今日はこっちで選定した契約獣と戦ってもらうのだ。勿論、あくまで試験の一環だから殺傷行為は厳禁なのだ」
そうしてメルフィス先生の指示の下、それぞれを担当する契約獣を発表していく。
「――次にGランク。陽溜まりのスライムなのだ」
(となると、ポヨンの個体ですね…?)
ポヨンとは別だろうなと思いつつ、少し心が痛む感じがしますが、今回はテストですから頑張らないと。
そう思いながら下のランクからという事で、このクラス唯一のGランクである私は最初に前に行く。
「じゃあとりあえず。今回Gランクはセリアだけなのだ」
「はい、よろしくお願いします」
私は定位置に立ち、実際に陽溜まりのスライムをメルフィス先生が呼び出す。
見た目はポヨンと違い、二回りくらい大きく、ちょっと貫禄があるような雰囲気のが対面に来る。
メルフィス先生が先にルール説明をする。
「一定以上の損傷、あるいは相手が戦闘継続不能と判断した時点で終了なのだ」
イリス先生が定位置に着いたのを見てから手を上げて言う。
「では準備を。――始め」
とりあえず戦った事はありませんが、なんとか頑張ってみようとまずはダッシュで接近からする。
「やぁああ!」
私は出来る限りの全力で正面から殴りかかってみるのですが――。
「はぶっ!?」
「「「「……?」」」」
スライムは体当たりをしてきて思いっきりお腹に飛んできて避けれずに喰らう。
(((よわっ…?!)))
「うぐぅ…痛い…」
その様子見て逆に困惑されてるような雰囲気を目の前のスライムさんに感じる。
「ま、まだ…!」
その後も何回か挑戦をしてみる。攻撃をされる直前に回避して一撃入れるも、むにゅんっと拳が取り込まれ。
「抜けない…!ん-…!ぁッ、わたっ!?」
抜けたと思ったら勢い余って尻もちをつく。
3回くらい避けようとするも成功したのはたった1回、攻撃を与えれてもパンチなどのせいで一切合切を無効化。
もっと言えば拳を掴まれ抜けなくなったりする。
「~~~!」
私はスライムさんに乗られてパシパシと手でギブアップを宣言するように叩く。
「う、うむ…もう大丈夫なのだ」
「あらぁ…まぁまぁ…。」
イリス先生が途中で止めつつ記述して、メルフィス先生がスライムさんを持ち上げる。
「生きてるのだ?」
「…はい。何とか…」
「魔法を一切使ってないのだ…。一応勉強はしているか…?」
私は起き上がりつつ頷く。
「はい。してますが、その上手くできず…」
「そ、そうなのだな」
若干困惑されつつもイリス先生が「それでは次のランクの方」と声をかけて私に「お疲れ様」と声をかけてもらいつつ後方の自分の位置へと帰る。
(やっぱりルイネさんみたいに戦えなければルーテリアさんみたいに魔法も撃てませんねぇ…)
そんな事を思いつつクラスの人たちのを見学する。
「イリス。どうするのだ、これ」
「事実を書くしかないかなと…。身体能力は普通、魔法適正は低、戦闘経験ほぼなし…。特記事項は、術式構築が極端に不得手…と記述しておきましょう。」
「…そこは任せるのだ。じゃあちょっと他のもやってくるのだ」
そうして私が座って何が行けなかったのかをキナコに対して手に乗せた状態で軽く聞きつつ皆さんのテストを見ていく。
その様子を見ながら、同クラスの人物はセリアに聞こえないようにヒソヒソ話をしていた。
「……あれがGランク?」
「本当に弱いじゃん」
「じゃあ依頼の話は……?」
「やっぱり不正じゃないのか?」
「でも依頼の記録は本物なんだろ?」
その様子をクローディア自身も聞いており、あまりの弱さに少しばかり困惑などが出ていた。
(よ、弱すぎる…。要するに精霊頼みってこと…?というか確か前に出てたのって戦闘能力が低いのばっかだったはずじゃ…)
――同時刻、その光景をガーバントはローレファルスに連れられ遠くから飲み物を片手に見ていた。
「ブフッ――。」
「どうしたガーバント。そんなに驚いて」
「…陽溜まりのスライムに負けてる」
「まぁGランクだからそりゃ拮抗して負け――」
「手も足もでないくらい負けてる」
「は?」
貸せと言いつつローレファルスは双眼鏡を分捕り、セリアを観察する。
「…馬乗りにされてるし…予想よりも弱い…」
「制御は解析不能なレベルなのに魔力は最底辺…ある意味試験と全く一緒の結果だな」
「ガーバント…なんだあの生物は」
「セリア・レイン」
「あんな存在がいるんだな…」
「同情の声が漏れてるぞ…」




