第十三章
一方その頃、中田は暗闇の中にいた。
(一体どこだここ、俺は生きているのか?)
(どういう状況なんだ)
(ヒロミチは生きているのか?ケイイチの攻撃にやられてないか?)
様々な疑問が浮かぶ中中田は空間を彷徨っていた。真っ黒な空間を。
中田はここの空間を何となく察していた。(多分自分は死んで、ここはあの世みたいなところだろう。それか、よく漫画である生死の狭間の空間ってか。)
(もう師匠にもヒロミチにも会えねえのか)
寂しさが強くなり、中田はイラついた。
「おいっ 誰かいねえか!!」
イラつきのあまり怒鳴ったが帰ってくるのは沈黙のみ。
中田はだろうなと思いながらもその場にとどまっているのも嫌だったのでまた歩き始めた。
…何時間が経ったろうか。いや数日かもしれない。ここは全てが真っ黒だ。右も左も上も下もどこもかしこも。
「気がおかしくなりそうだっ!」
何度も自分はおかしくなってないと思うために叫ぶ。もうすでにおかしくなっているかもしれないが叫ぶ。
「結果は何も変わらないのにな」
中田は自嘲した。自分のことを殴ってみた。思い切り走ってみた。飛んでみた。全ての行為が無駄だった。
ここでは腹も減らない。痛みも感じない。疲労も感じない。溜まるのは精神的疲労だけだ。
(もう死にたい)
中田はそう思ったが死ぬ方法すらわからない。ナイフもない。縄もない。落下死で頭をかち割ろうとしても、そこまでの高さを飛べないから、意味がない。そもそもこの空間にしといく概念があるのかわからない。
(意味がないんだ)
そう思って中田はまた歩き 始めた。
何で 歩いてるんだろう
何を してるんだろう
自分って 何だっけ
何か ある!
光が見える!!
何だ。出口か!!!
そう思い中田は走り始めた。数時間、数日、わからないが光だ。光が見えたぞ
光に飛び込んだ中田は別の空間に移動する
中田は意識を失った。
次に中田が目を覚ました時あたりは明るかった。
それだけで たったそれだけの事実が中田には嬉しかった。
「やった うぅ」
と少し泣いたが、すぐに思い直し泣いている場合じゃないと歩き始めた。
今度はちゃんと疲労を感じた。
それだけで生きている感じがした。
しばらく歩いていると、少し開けた場所に出た。
椅子があった。テーブルと挟んで2つあった。
疲労していた中田は迷いなくその椅子に座った。
(少し疲れて た)
と思った時にはテーブルに突っ伏して寝ていた。
中田がこの空間で再び目を覚ました時、目の前に誰か座っていた。
中田が寝ぼけ眼で相手を見ると男か女かわからない抽象的な顔立ちの人間がいた。
その人物に中田が質問しようとした時先にそいつが口を開いた。
「中田君 君は運命は好きかい?」




