第十一章 集まった仲間
小林の新技『万華鏡・愛の弾幕』の光が収まり、アンチゲイ団の残党たちが無力化された静寂のなか、ヒロミチは大亀と共に荒野を進んでいた。
「小林のあの技、すごかったなぁ。どうやってしてんだ?」
「まぁ。領主との戦いで私が学んだものを形にしてみただけよ。みんなも出来るわ。それより誰かの気配が近づいてくるわ。それも高速で。一様隠れましょう。」
と一同は岩の端っこに隠れた。
音は近づいてくる。
「誰だあいつは」
ヒロミチが叫んだ瞬間、轟音と共に、誰かが自分たちの真上を通過した。
「あああああああああ! 行き過ぎたぁぁぁぁ!!」
聞こえてきたのは紛れもなくコレナガの声だった。あまりの速さに制動が効かず、コレナガはヒロミチから5km離れたところで派手な土煙を上げた。
ヒロミチたちが土煙の上がる地点へ駆けつけると、そこには深さ3メートルほどのクレーターができ、中心でコレナガが頭を抱えて座り込んでいた。
「コレナガ! 大丈夫か!?」
「……ヒロミチか。……ようやく見つけた。いや、見つけられた、のか……?」
コレナガの足からは、タケダ師匠に仕込まれた魔術の炎の火花がパチパチとはじけている。彼はシロクマの毛(北極で付着したもの)を肩に払いのけながら、ふらふらと立ち上がった。
「遊んでいる場合じゃないんだ。タケダ先生に会ってきた」
コレナガは真剣な表情に戻り、懐からメモを取り出した。
「中田を救う儀式にはみんなの力が必要だ。それもかなり強いエネルギーでなくてはならないらしい。そしてその皆の力をそれぞれ完璧に扱えなければ中田を救う『トリプル・ハート・フル・コネクト』ができないんだ。」
ヒロミチはその言葉を噛み締めた。「僕たちはまだ弱い。中田くんを救うのには力が足りないんだ。皆力を貸してくれるかい?」
ヒロミチの言葉にみんな頷いた
コレナガの合流、そしてソウタの覚醒。小林の広域殲滅能力。
不揃いだったピースが、中田救済という一つの目的のために集結しつつあった。
「よし、行こう。僕たちは強くならなきゃいけない。何かこの辺りに強い人や修行場所はないかな。探してみよう」
「……その前にヒロミチ、俺を酔い止め薬のあるところへ連れて行ってくれ。この速さは、胃にくる……」
コレナガの情けない訴えに、一行は苦笑しながらも、次なる冒険へと足を踏み出した。




