第五章 領主の正体
すみません
忙しくて更新が遅れてしまいました
今日は後3個あげます
「無駄だと言ったはずだ。愛だの情熱だの、私にとっては退屈な余興に過ぎん」
ヒロミチの『フェロモン・ゲイ・スラッシュ』が領主の胸を深く切り裂き、大亀の剛拳がその脇腹を粉砕したはずだった。しかし、傷口からは血が流れるどころか、黒い霧が立ち昇り、瞬時に肉体が再生していく。
「なっ……! 攻撃をまともに受けて、傷一つ残らないなんて……!」
小林が驚愕し、シルクの手綱を緩める。どんなに強力な攻撃を加えても、領主は余裕の表情でワインを啜り、不敵な笑みを浮かべるばかりだった。
後方で戦いを見守っていたソウタは、領主の肌の白さと、その異様な再生速度を見て、かつて街の老人から聞いた不吉な噂を思い出した。
「ヒロミチさん、気をつけて! そいつはただの人間じゃない、**吸血鬼**だ!」
ヒロミチは吸血鬼ってとソウタに聞くが、小林が説明した。
「吸血鬼とはアンチゲイエナジーを溜め込み一定の確率で突然変異した元人間のことよ」
ソウタの叫びが玉座の間に響く。
「噂じゃ、あいつはこの街の地下にある『深紅の石』からエナジーを吸い上げているんだ! その石を壊さない限り、あいつは何度でも蘇る! それに、吸血鬼は『純粋すぎる愛の波動』には耐性が低いはずだ!」
「……チッ、余計なことを知っている虫ケラが」
それまで優雅に構えていた領主の顔が、怒りで歪んだ。ソウタの指摘は図星だったのだ。再生能力の源と、致命的な弱点を暴かれたことで、彼はついにその本性を現した。
「そこまで言うなら、お前たちから先に喰らってやろう。私のディナーになる光栄を噛み締めろ!」
領主の背中から漆黒のコウモリの翼が突き出し、その爪は鋭く伸びた。彼の周囲に漂っていたアンチゲイの波動が、今度は「アンチゲイの呪気」へと変じ、室内の温度を氷点下まで引き下げた。
「ソウタ、ありがとう! 弱点が分かれば、もう怖くない!」
ヒロミチの白銀のフェロモンが、さらに激しく燃え上がる。
「大亀くん、小林さん! ソウタが教えてくれた通り、全力の愛の波動をぶつけるよ!」
「おう! マッスル全開だ!!」
大亀が領主の突進を真っ向から受け止め、その巨体で怪物を抑え込む。
「油断しないでねヒロミチ……さあ、いくわよ!」
小林のシルクが領主の翼を絡め取り、動きを封じる。
余裕を失い、猛獣のように襲いかかる領主。
一般人である井上の勇気ある一言が、最強の戦士たちに逆転の光をもたらした。
「いくよ、吸血鬼! これが僕たちの、消えることのない情熱の輝きだ!!」
ヒロミチの手の中に、魔を祓う光が収束していく。街を支配する不浄なる闇を打ち破るため、一行の総力戦が始まった。




