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真実の愛に目覚めし拳   作者: m
第2部 もしもあの時

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第一章 新たなる旅立ち


アンチゲイ団の本拠地の崩壊から一ヶ月。トモヒロは道場の奥座敷で、一人己の掌を見つめていた。

あの日、ケイイチに引導を渡した瞬間、彼の体内にはケイイチの「無」のエナジーと、膨大な知識、そしてあの絶対領域の権能が流れ込んできた。


「……これが、『マイワールド』の力なのね」


トモヒロが指を鳴らすと、周囲の空間が一瞬で歪み、漆黒の闇と虹色の光が混ざり合う異次元へと変貌した。愛を肯定するトモヒロの力と、愛を否定したケイイチの力。相反する二つの力が今、トモヒロという「最強」の中で一つになろうとしていた。


「ケイイチ……。あなたが最期に見た絶望も、私の一部として背負わせてもらうわよ」

トモヒロの瞳に、恐ろしいほどの輝きが宿った。


一方、ヒロミチは再び旅立つ準備を整えていた。眠り続ける中田の傍らには、小林が付き添っている。

「ヒロミチさん、荷物はバッチリですよ!」

大亀は以前よりも一回り大きくなった筋肉を誇示しながら、大きなピンクのバッグを担いだ。


そこへ、コレナガが静かに歩み寄ってきた。

「ヒロミチ。俺は、お前たちとはここでお別れだ」


「コレナガさん!? どうして……また一緒に旅をしようよ」

ヒロミチが驚いて問いかけると、コレナガは寂しげに、しかし確かな意志を持って微笑んだ。


「俺はあの日、アンチゲイ団に心を染められかけた。ケイイチの絶望を、誰よりも理解してしまったんだ。……俺には、俺自身のやり方で『愛』を再定義する必要がある。この街に残り、中田を救う方法を師匠に聞いて救い出す。それが俺の贖罪だ」


「……分かったよ。ありがとう。コレナガさんらしいね」

二人は強く握手を交わした。かつては敵対した二人の間には、言葉を超えた熱い友情が刻まれていた。


「中田くん、行ってくるよ」

ヒロミチは眠る中田の額にそっと触れた。

「君の魂を揺り起こせるほどの、世界で一番熱いフェロモンを身につけて、必ず戻ってくるから」


道場の門の前で、トモヒロ師匠が一行を見送る。

「ヒロミチ、世界は広いわ。ケイイチを失ったことで、闇の均衡が崩れ始めている。これまで以上の『多様な男たち』が、あなたの愛を試しにやってくるでしょう」


トモヒロはまだ未熟なヒロミチに助言を送った。

「自分を信じなさい。あなたのフェロモンは、まだつぼみに過ぎないわ」

そうして ヒロミチ一行は中田を救い出す旅に出た



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