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真実の愛に目覚めし拳   作者: m
第一部 波乱の旅立ちと別れ編

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第二十二章 究極覚醒フェロモンゲイ

トモヒロは、襲いかかってくる最高幹部たちの攻撃を片手でいなしながら、ヒロミチを振り返った。

「ヒロミチ。ここからはあなたのステージよ。中田を救えるのは、師匠の私じゃない……彼の唯一無二のライバルである、あなただけなの」


「師匠……!」

「私はあそこの偏屈なケイイチと、積もる話をさせてもらうわね。……さあ、いきなさい!」

トモヒロは爆風と共に尺田の元へと跳躍した。


その隙を逃さず、アンチ・バイ・モードの中田がヒロミチへ肉薄する。

「死ね……ヒロミチ。お前の愛ごと、塵になれ!」


中田の冷徹な拳がヒロミチの顔面に迫る。しかし、ヒロミチは避けなかった。

彼は、トモヒロ師匠が放っていた「すべてを包み込む大きな愛」の残光を全身で吸収し、自らの中にある「男としての誇り」と「他者を想う慈しみ」を極限まで圧縮した。


ドクン、と鼓動が鳴り響く。


「……中田くん。君を救うためなら、僕は人間を超越する」


ヒロミチの肉体が、黄金を超えた「白銀のフェロモン」に包まれた。髪は逆立ち、肌からは見た者の理性を一瞬で奪い去るほどの、濃密で甘美な香気が立ち昇る。

その名は、フェロモンゲイ・モード。


「なっ……何だ、この芳香は……! 脳が、溶ける……ッ!」

虚無に染まっていたはずの中田が、思わず数歩後退した。ヒロミチから放たれる圧倒的なおすとしての色気と慈愛に、洗脳回路が激しく火花を散らす。


「中田くん、これが僕の……ありったけの『好き』だ!!」


フェロモンゲイとなったヒロミチの動きは、もはや光速に近い。

中田もまた、本能的に最大の反撃に出た。

「黙れぇ! すべてを消し去れ! アンチ・バイ・カタストロフ!!」


虚無の闇が全てを呑み込もうとする。対するヒロミチは、両手をハートの形に合わせ、全身のフェロモンを一点に集中させた。


「ゲイ・リベレーション・フェロモン・バースト!!」


白銀の光と、灰色の闇が真っ向から激突した。

祭壇は凄まじいエネルギーの余波で崩壊を始める。しかし、ヒロミチの光は闇を切り裂くのではなく、優しく「溶かして」いった。


「あ……あああ……熱い……心が、熱いよ、ヒロミチ……!」

洗脳の呪縛が解け、中田の瞳に色が戻っていく。かつて二人で切磋琢磨した日々、言葉にはならなかったライバルへの憧憬。それらすべてが、ヒロミチのフェロモンによって呼び起こされた。


「……おかえり、中田くん」


二人の奥義が完全に重なり、巨大な愛の爆発が祭壇を包み込んだ。


爆煙が晴れたそこには、互いに拳を突き出し、笑いながら倒れ込むヒロミチと中田の姿があった。

中田の瞳には、かつてのような鋭いライバル心と、ヒロミチへの深い信頼が宿っている。


「……ふん。お前のフェロモン、臭すぎて……目が覚めちまったじゃないか」

「あはは、ごめんね。でも、間に合ってよかった」


だが、二人の勝利を祝う間もなく、祭壇の奥からはトモヒロとケイイチが放つ、天を割るような絶大な衝撃波が響いてきた。


「まだだ、まだ終わってないわよ、ボーヤたち!」

トモヒロの叫びが響く。真の黒幕、ケイイチとの決着は、ここから「愛の三羽烏」の因縁へと繋がっていく。

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