表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真実の愛に目覚めし拳   作者: m
第一部 波乱の旅立ちと別れ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/44

第十七章 アンチゲイ団本拠地

ヒロミチを追って荒野を突き進んでいた中田は、かつてないほどの違和感に襲われた。

「何だ……? 音が、色が、消えていく……」


背後に立ちふさがったのは、アンチゲイ団の隠密部隊。彼らが放つ「虚無の鎖」は、中田の複雑なバイ・エナジーを絡め取り、その情熱を凍りつかせた。

「くっ……ヒロミチに会う前に、こんなところで……!」


多勢に無勢、さらに未知の波動に翻弄された中田は、意識を失い闇に沈んだ。


中田が目を覚ますと、そこは無機質な灰色の巨大なホールだった。壁には一切の装飾がなく、ただ冷たい空気だけが流れている。


「目覚めたか、バイの求道者よ」

玉座に座る影が、中田に語りかける。アンチゲイ団の最高幹部の一人だ。

「お前のその『迷い』に満ちたエネルギーは、磨けば至高の『無』へと至る。どうだ、我らアンチゲイ団の幹部となり、その煩わしい感情を捨て去る気はないか?」


中田はふらつきながらも立ち上がり、不敵に笑った。

「……断る。俺の迷いは、俺の情熱そのものだ。それを捨ててまで得る平和など、死んでいるのと変わらん。俺が意識しているのは、ヒロミチ……あいつの放つ輝きだけだ!」


「生意気な。ならばここで、その余計な感情ごと消し去ってやろう」

幹部の合図とともに、ホールに控えていた精鋭たちが一斉に中田へ襲いかかろうとした。


その瞬間、ホールの巨大な扉が、まるで花びらが散るように粉々に砕け散った。


「失礼。美しい調度品の一つもない、趣味の悪い部屋ですね」


霧と共に現れたのは、白銀の髪をなびかせるセバスだった。

「セ、セバス!? なぜここに!」中田が叫ぶ。


「退屈しのぎですよ。……さあ、無愛想な皆さん。私の美学に触れる準備はできていますか?」


「おのれ、侵入者め! 殺せッ!!」

アンチゲイ団の幹部たちが放つ、黒い虚無の波動が一斉にセバスへ集中した。爆発音が響き、ホールが揺れる。


しかし、爆煙が晴れた後、そこには傷一つ負わず、埃一つ付いていないセバスが立っていた。


「……何だと!? 組織の総攻撃をまともに受けて、無傷だと!?」


セバスは優雅に服の袖を払った。

「私の愛は、清らかな水と同じ。形を持たず、しかし何物にも染まらない。あなたたちの『無』など、私の美しさの前では、ただの淀んだ水溜まりに過ぎません」


セバスの瞳に、鋭い光が宿る。

「中田くん、立ちなさい。ヒロミチが待っていますよ。ここは私が少し掃除をしておきましょう」


セバスの圧倒的な実力に、アンチゲイ団の本拠地が震撼した。

感想があればお書きください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ