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【第二部完結】ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
第二部 オルディア編

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84/108

84.旅の同行者

「さあ行こう。」

ミーティングが終わり、王城から出発する一行。エミリオを先頭に、シルヴィアが続き、ランドルフ、オズワルド……ナディア。


「ナ、ナディア様?」

「はい!」

シルヴィアに名前を呼ばれたため無邪気な笑顔で返事をするナディア。


「何故私たちに付いてくるのかな?」

エミリオは困った顔をしながらも優しく問いかける。


「ノエル様の代わりにわたくしが道案内を。」

ナディアは胸に手を当てて頷く。その姿に四人は何と答えていいか分からず、ナディアの後ろに控えているノエルに視線を送る。


「ナディアはこう見えても17歳だ。浄化の強さではイレーネには及ばないが、聖魔術が得意だから戦力になると思うし、白魔術ももちろん使えるからヴィアも攻撃に集中できるだろう。」

「17歳……。」

「13歳くらいかと。」

「ああ、どう見ても子どもだ。」

シルヴィアたちは驚きを隠せない。


「皆さん、なかなか失礼ですね。」

「きっと、僕の代わりになってくれるはずだ。僕が持っていた魔道具のペンダントも渡してあるから、ヴィアの移動にも耐えられるはずだよ。」

「でも、ノエルにも王都を守るという任務が……。」

「……ヴィアの移動に付き合うよりはマシ。」

シルヴィアは単純にノエルと王都を心配しただけなのだが、とんでもないカウンターを喰らった。


「そうだな。」

「確かに。」

「え、そんなに?ハイオーガに囲まれるより酷いの?」

エミリオまで怯え始める。


「ふふっ……とにかくよろしくお願いします!」

1番年下のナディアが一番肝が据わっている。留守番のノエルにしばらくの別れを告げて、今度こそ本当に王都出発した。


「【土魔術 重力軽減】【土魔術 磁石】」

今まで散々苦情が上がっていたため、かなり緩めに魔術をかけた。しかしそれでも馬に乗るよりは速いスピードで動いている。生身で。


「うわあ、本当に早いんですね!さすがヴィアお姉様。」

キラキラと瞳を輝かせているナディアを見て、シルヴィアも笑みが溢れる。


「ありがとうございます、ナディア様。」

「わたくしの事はどうぞナディアと。一番年下ですし、お気になさらず。」

未来の皇后を呼び捨てにするのはかなり恐れ多いが、これを断ってはいけないとシルヴィアはすでに学習済みだ。


「よろしくお願いします、ナディア。」

「はい!」

ナディアは嬉しそうに笑った。


オルディアの西の端にある王都を出発し、国土の北側を通って東に移動し、東の端から折り返すという予定にしている。南側の三分の一ほどはすでに、ロゼフィアーレからオルディアに入った時に討伐を終えている。


「前方注意!オーク……いや、キングオークの群れです!しばらくの食料にしましょう。」

「オーケー。」

「じゃあ、炎魔術で焼いちゃってもいいな。」

「焦がすなよ。」


オルディアに入ってから、十分な食事にありつけていない四人。すでにキングオークを食料としか見ていない。この世界のオークは前世のイメージのオークよりも更に豚だ。何なら二足歩行の豚。食べることに対して全く抵抗がないし、ロゼフィアーレでも普通に食卓に上がる食材だ。ただしキングオークではなく普通のオークである。


「取り敢えず串刺しにしますね。【聖魔術 神聖十字十連】」

ドシュッ、ドシュッ、ドシュッと次々とキングオークの串刺しが出来上がる。


「え?」

「わお。」

「またヤバい奴が増えたな。」

「ランドルフ、とりあえず一匹焼いちゃいましょう。」


とにかくお腹がペコペコであった。ロゼフィアーレから大量の食料は冷凍保存で持ってきているが、何があるか分からないため、かなりケチケチと使っている。オルディアの王都には、王都の住民が食べる分には困らない程度の自給自足は出来ていたが、それをシルヴィアたちが頂くわけにはいかなかった。


「【炎魔術 炎魔劫火】」

ゴォーーーーー。キングオークの焼けるいい匂いが広がる。


「さあ、今夜はご馳走です!」

シルヴィアはファルシオンを【圧縮解除】し、早速キングオークの解体を始めた。

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