表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOのキメラさん〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!?【リメイク版】  作者: 水定ゆう
7ー4:月は何を知っていた?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

300/304

◇300 真実はアッサリでコッテリ

どうしようもない真実。

「それじゃあ、行くよ」

「「「うん」」」

「仕方が無いか」


 私達はミツキミに戻って来た。

 本当は伝えてもダメな気がする。

 でもさ……うーん、頑張ってみるしかない。


 コンコンコン!


 私は扉を叩いてみた。だけど反応が無い。

 もしかして、それだけ大変ってことかな?

 如何しよう……手紙とか置いて行った方がいいのかな?


「おい、村長、いるんだろ!」

「Nightさん!?」


 ヤバいこと言ってるよ。相手は一応目上だよ?

 Nightは全く気にしていないけど、仕方が無いのかな?

 うーん……うーん、うーん。私は困り顔を浮かべると、扉がユックリガラガラと音を立てて開いた。


「(ゴホンゴホン!!)ううっ、なんじゃ一体……」


 扉を開いてくれたのは村長さんだ。

 凄く辛そうで、まだウサギが解けていない。

 ウサギ病、真実を伝えるべきなのかな?


「あの村長さん?」

「おお、どうしたんじゃ!?」


 私達の顔を見るなり驚かれちゃった。

 そうだよね、依頼は達成しているからね。

 でも、達成報告が出来ていないから、そのためにサインを貰おうと思い、改めて足を運んだと思われているみたい。

 そうじゃないんだけど……まあいっか。


「あの村長さん、実は話しておきたいことがあるんです」

「話しておきたい(コホン)じゃと?」

「はい。ウサギ病の、真実についてです」


 私はそう切り出した。でもここでは話せない。

 少しだけ外に出て貰うことにする。

 これから伝えるのは簡潔にまとめたものだから。


「こんな所に連れ出すとは(コホン)、他の者達には聞かれてはマズいのですかな?」

「は、はい。あの、えっと……」


 私達は村長の家から離れた。

 それから村で使われる共有の井戸。

 その近くを使わせて貰うと、視線を泳がせる私に変わって、Nightが伝えた。


「ウサギ病の真実が分かった」

「なんと!?」


 ウサギ病の真実を伝える時が来た。

 果たして伝えるべきなのかな?

 迷ってしまうけど、村長さんの眼差しが痛い。


「そうですか。ウサギ病のことを調べてくださっていたのですか(ゴホン)」

「ああ。この土地で祀られている神に訊いて来た」

「ん? それはまさか、満月の神様、Ma=ンゲツノミコト様ですかな(コホン)。実在するとは……(コホン)、一目お会いしたかったな」


 村長さんの言葉がか細くなる。

 まるで今にも死んでしまいそうで嫌になる。

 雷斬は腰を落とし、同じ目線になって励ます。


「大丈夫ですよ、村長さん。気を確かに」

「うぅむ。俄かには信じ難いが……Ma=ンゲツノミコト様は、なにをおっしゃっていたのですかな?」


 半信半疑だったみたい。

 Ma=ンゲツノミコトさんが訊いたら悲しんじゃうよ。

 でも仕方が無い。神様って、そんな不安定だから神様なんだ。


「それは、その……」

「どのような事でも構いませぬ。この病の正体は、この村の者達を苦しめる呪いなのですかな?」


 言葉にし辛かった。でも催促されちゃう。

 伝えていいのか迷っていると、真剣な視線が痛くて仕方が無い。

 だからこそ、Nightが口走った。


「残念だが、呪いではない」

「では、病?」

「病でさえない」

「……意味がよく分かりかねますな」


 残念だけど、ウサギ病は呪いではない。病気でもない。

Nightの言葉に理解が追い付かない村長さんは、キョトンとした顔をする。

 でも無理は無いよ。だって、真実は残酷だ。


「つまり、その……ウサギ病なんて(・・・・・・・)最初から無かった(・・・・・・・・)んです(・・・)


 最後は私の口から真実を伝えた。

 そう、これこそが、Ma=ンゲツノミコトさんが教えてくれた真実。

 この世界に、ウサギ病なんて病気は最初から無い。だからこの村の人達の姿がウサギになったのは、病気でもましてや呪いでも何でもないんだ。


「ん? そう言われましてもな、信じる訳には……」

「これが真実だ。お前達は、最初から呪いにも病気にも掛かっていない。これが普通だ」

「ん? どういうことですかな」


 最初から信じて貰うなんて無理な話だ。

 それに私達だって、ちょっと耳を疑っちゃった。

 私達を試しているのかなって思っていたけど、そんな顔はMa=ンゲツノミコトさんがしていない。つまりアレが真実で、明確にウサギ病はこの村に無い。


「ウサギ病、その真実はこの村に住む人達……いや、獣寄りの獣人達の体質によるものだ」

「獣人の体質? そんなバカな話があっていい訳が無い!」


 急に村長さんは立ち上がった。

 さっきから咳をしていなかったけど、それも相まって怖い。

 私達は視線を上げると、村長さんに見下ろされた。その体は白いウサギの毛に覆われる。


「信じられないとでも言うのか?」

「当たり前じゃ。そのような俄かにも信じ難い話を、信じるなど……」

「神様は信じているのに? おかしな話ね」

「Ma=ンゲツノミコト様は、この地を守護せし月の神様。古くから言い伝えがあり、それを信仰して来たんじゃ。それのなにが悪い!?」


 村長さんは急に怒り出した。

 私達の話をまるで聞こうとしてくれない。

 長くピンと張った耳が、私達に怒りを露わにして向けられている。


 そこにベルが仕掛けた。神様のことは信じているのか、怪しんでしまう。

 ここにも反論が飛んで来ると、もはや妄信だ。

 神様だって、そんなに万能でも便利でも無いのに。

 

「おお、怖っ」

「人が変わられてしまいましたね」

「刻まれたDNA……この場合は、データ上に記された要素だろうな」


 まるで人が変わったみたいに怖い。

 その姿もドンドンウサギに近くなっている。

 本人は気が付いていないみたいで、これがデータ上のDNAに刻まれた本能だってこと? なんだろう。獣を相手にしているのかな? 私達とはまた違う。って言うより、他の獣人のNPCとも違っていた。私には如何してもそう見える。


「その信仰するMa=ンゲツノミコトに訊いて来たのにか?」

「ッ!?」


 村長さんの様子がおかしくなった。

 そうなんだよ。この事実は、この村が信仰する神様が直接教えてくれたこと。

 だからこそ説得力があり、村長さんは黙る。


「言ったはずだ。訊いて来たとな」

「それは……」

「神の言葉を疑うのか? お前達の信仰して来た神の言葉だぞ? どんな真実でも受け入れると言ったのに、信じないのか?」


 Nightの口調が荒かった。

 真実から目を逸らし、拒み続ける村長さんに付く付ける。

 痛々しいまでの言葉には嘘偽りは全く無くて、村長さんはグッと飲み込む。


「何度でも言うぞ。ウサギ病など存在していない。それはお前達のDNAに刻まれた獣の血が騒ぎ立てているだけだ」


 残酷な言葉を喰らった村長さん。

 完全に折れてしまうと、威勢が無くなってしまった。

 これが真実であり真相だ。何てことは無い、そもそも病気でもなんでもない。

 それがウサギ病であり、全部無かったんだから。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。押すだけで簡単ですよ。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ