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VRMMOのキメラさん〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!?【リメイク版】  作者: 水定ゆう
7ー3:月の試練は何を得る?

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◇297 月をひとっ跳び

いると思って書いた回です。

——レベルアップ! “アキラ”のレベルが18になりました——

——ドロップアイテム獲得! 月兎の白毛を獲得しました——



 私はツキトエを倒した。

 最後まで諦めず、みんなの力を終結させた。

 全てを乗せた拳は、ツキトエに突き刺さったみたいで、無事に倒せた。


 おまけにレベルまで上がった。一気にレベルが三つも上がった。

 これって、ステータスがドン! と増えたってことだよね?

 最高の結果に私は息を切らすと、膝を突いて崩れる。体力が持たない。MPがほとんど削れていて、苦しかった。


「はぁはぁはぁはぁ……たお、せた?」


 何だか実感が湧かない。

 体が重くて動かなくなると、地面に崩れる。

 そんな私を支えるように、みんなが手を貸してくれた。


「大丈夫か!?」

「アキラー」

「アキラさん!?」

「もう、無理しすぎなのよ」


 みんな私のことを心配してくれた。

 体をユックリ起こしてくれる。足がフラフラしちゃって、上手く立てない。

 でもみんなに体重を分散して預けると、何とか耐えられた。


「ありがとうみんな」

「全く、無理のしすぎだ」

「あはは、そうだね」


 私はついつい笑っちゃった。

 何だかダサいよね? 自分でも思うのもなんだけど、心がフラフラする。

 そんな中で、急にアナウンスが鳴った。レベルアップ以外に、何か手に入るのかな?



——固有スキル:【キメラハント】が新しいスキルを獲得しました——

——適合率判定の結果、スキルとの相性を確認し、固有スキル:【キメラハント】に、ツキトエ:【月跳】を追加しました——



「新しいスキル?」


 何だか新スキルを手に入れたみたい。

 ツキトエを倒したことで、新しいスキルを手に入れたらしい。

 【月跳】って何? このスキルは一体何が出来るの?


「どうしたのよ、アキラ。急に黙っちゃって」

「新しいスキルを手に入れたみたいだよ」

「新しいスキル?」


 ベルに問われて、私はポツリと答えた。

 このスキル、何が出来るのかな? ツキトエの能力の一部だよね?

 ちょっと使ってみようかな? 私は早速使ってみた。


「【キメラハント】+【月跳】」


 一体何が起こるのかな?

 楽しみにしていると、変化は明らかだった。

 私の脚がパッと変わっていて、まるでウサギの脚だった。


 白くてモフモフした毛が、両脚を纏っている。

 それから筋力が増強したみたいで、足腰は強化される。

 そのおかげかな? 何だか力強くて、地面をトンと蹴れば、空の彼方まで飛べそうだった。


「それがお前の新しいスキルか?」

「うん。なんだか空を跳べそうだよ」

「あはは、飛ぶんだねー」

「“飛ぶ”じゃなくて、“跳ぶ”だ」


 フェルノの言葉をNightは訂正した。

 別に訂正しなくてもいいんだけどね。

 そんなことを思っていると、雷斬はポツリと呟いた。


「そう言えば、なにかアイテムは手に入りましたか?」

「私はなにも無いよー」

「こっちもよ」

「私もだ。マズいな、ツキトエを倒したことを証明するために証拠が無いぞ」


 Ma=ンゲツノミコトさんは、ちゃんと説明しないと聞いてくれないかもしれない。

 私はインベントリを開いた。手に入ったアイテムを取り出す。

 これが証拠になればいいけど、大丈夫かな?


「ねぇ、コレはどうかな?」


 私はインベントリから、月兎の白毛と言うアイテムを取り出す。

 このアイテムは、ツキトエから手に入ったもの。

 きっとMa=ンゲツノミコトさんなら分かってくれる筈だ。


「それ、お前が手に入れたのか!?」

「うん。もしかして、一番ダメージを与えた人だけが貰えるってことかな?」

「その可能性はあるな。だが、これでいい筈だ」


 Nightが言うなら間違いないと思う。

 私は一旦インベントリの中にアイテムを戻す。


「それじゃあ、みんな。ちゃんと帰ろっか」

「そうだ。おい、雷斬」

「はい。アキラさん、私の背中に」


 雷斬は私を背負ってくれるみたいだ。

 いいのかな? 私は立ってるよ? ちゃんと歩いてるよ?

 何だか悪い気がすると、流石に背中に乗るのは止めた。


「大丈夫だよ。私、ちゃんと歩けるよ?」

「歩けるって、その足でか?」


 私の脚は白いモフモフで覆われている。

 なんだか温かそうに見えるけど、実際温かい。

 Nightは首を捻る中、私は証明することにした。


「見てて。ちゃんと私……」


 地面をトン! と蹴った。

 その時だった。脚がバネみたいになると、体がやけに軽くなる。

 まるで風船になった気分で、体が地面を離れた。


「あ、れ?」


 気が付けばみんなの姿が小さく見える。

 コレってどういうこと? もしかしなくても、私宙に浮いてるのかな?

 何だか足裏に地面を蹴った感触が残るけど、図上を見上げれば月が綺麗だった。


「もしかしてこれ、調整を間違えちゃったのかな?」


 初めて使うスキルで、何が起きたのか分からなかった。

 でも確かなのは、私は今、宙に浮いてる。

 重力に押し戻されそうな感覚はあるけれど、それ以上の高揚感があった。


「「「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」」さん!?」


 みんなの声が聞こえて来た。何言ってるのかな? もしかして私の名前を叫んでる?

 ちょっと気恥しくなっちゃうな。そんなことを思うと、みんなにはどんな風に見えているのか気になる。


 きっとカッコ悪いなんだろうな。そんなにカッコいい体勢じゃないのは分かってる。

 でも今の私にはこの姿勢制御が精一杯なんだよ。

 もっと練習しないと……とか思っていると、本当に月が綺麗に見えた。


「うわぁぁぁぁぁ、綺麗な満月」


 この時期特有、そしてこの満月山だからこそ見られる景色。

 本当にお月見には最高だよ。NPCも元気だったら。

 色んなことが引っ掛かるけれど、今この瞬間だけは違う。

 私だけがこの距離感で月を見ている。今にも飲み込まれてしまいそうな迫力と、月の使者を倒した私を讃えるみたいな感覚に浸る。


「手を伸ばしたら届きそう……だけど」


 スッと手を伸ばしてしまった。

 何だかピュアで可愛いことを言っちゃう。

 でも本当に届きそう。あー、届かないかな? 


「ん? そう言えば、これって“飛んでる”んじゃなくて、“跳んでる”んだよね?」


 今更だけど、忘れちゃったらダメだった。

 今の私は飛んでる訳じゃないんだ。跳んでいるんだよ。

 マズい、マズいマズい。このままじゃ……ですよね?


「って、ことは……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、着地の練習はしてないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


 私の体が地面に向かって急落下する。

 完全にミスった。ミスっちゃったよ。

 不安定な体勢になって、足から落ちて行くと、満月の代わりに地面が近くに見えた。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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