自宅周辺散策し隊
10時。
家でのドッタンバッタン大騒ぎを終え、支度を整えようやく葉菜とリアの自宅周辺散策。
「どーする?最初から学校に向かうか?」
「ぐるぐる遠回りしながら行こう!途中でお昼ご飯も食べようよ」
エレナには昼食は要らないと伝達済みだ。
そんなこんなで家と学校の間にある道を虱潰しに通ることに。
本来学校へ向かう際は家を出て左に曲がるところを、今回は右に曲がるルートで散策はスタートした。
歩き始めて10分経つか経たないかというところで。
何やら大きめの建物が見えてきた。
「えーと………あれはジム?」
「そう。多分この辺りでは一番大きいジムだ」
「おおー!これがアメリカンなジム!」
アメリカと言えばジム!みたいな風潮が少なからずあるだろう。
外からでは見えないが、きっとでっかいバーベルやルームランナー、さらには名前すら知らないようなマシンもきっとあるだろう。
「リアはジム行ったことあるの?」
「あるよ。一時期は会員にもなってたんだけど、続かなかったな」
「なんで?」
「楽しくなかった」
「あー…………うん、そう」
ここまで潔く言われてしまい、ジムさん涙目。
同情すら覚えるほどの勢いで切り捨てられたジムを心の中で慰める。
晴れやかな笑顔で言い放ったリアには適当な相槌を打つことしか出来なかった。
「でも、せっかくだから試しに行ってみたいなー」
「会員にならなくても行けるぞ」
「ほんと!?それなら今度行ってみようかな。リアもいっしょに行かない?」
「んー…………葉菜がいるなら行こうかな」
これで少しはジムさんを救うことはできただろうか。
いつになるか分からないジムでのトレーニングを脳内で描きながら再び2人並んで歩き始めた。
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「うわっ!でっかい建物!」
先程見つけたジムよりもさらに大きな建物を視界内に捉え、思わず葉菜が声を上げる。
「うーんと………ア、アクア………あ!水族館か!」
「あそこは魚好きの友達とよく行くんだ………………いや、よく連れていかれるんだの方が正しいかもな」
「さ、魚好きの友達?」
「そう。そいつに強制連行みたいな感じで連れてかれるんだ。ただの魚好きならいいんだが、あそこまでいくと狂人としか思えん…………」
虚空を見つめリアがそう零す。
本音は行きたくないのだろうか…………。
未だ見ぬ狂人の姿を脳裏に描き出し1人で身震いする。
「そんなに魚が好きなのに、兵士を目指してるの?」
「いや、違うぞ」
「あぇ?」
不意を突かれ、変な声がでる葉菜。
てっきり友達って言うから高校の友達かと…………。
「中学校からの友達なんだけどさ。せっかくだから今度会わせてやる」
「うん、楽しみ…………でも怖い」
ここまでマイナス的な表現でしか人柄が表されていない。
そんな人物に会わせてやると言われても、不安が膨らむだけだろうて……………。
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その後も4、50分ほどの散策を続けた。
沢山のごはん所、高いマンション、スーパー、広い公園、リアが通っていたらしい小学校などなど、目新しいものを沢山見て回った。
見知らぬ土地を見て回るのって楽しいんだな、と昼食のハンバーガーを頬張りながらボケーとそう思う葉菜。
今向かっているのはいよいよ高校。
名を「ネルテア・ソルジャー・トレーニングスクール」というらしい。
「そろそろ見えてくるぞ」
「いざとなると緊張するな………」
緊張をほぐすためにリアと会話を弾ませながら学校とのご対面を心待ちにしているとズバッとリアが正面に見える建物を指さした。
「おっ、ほらほら見えた」
「…………………っ!」
日本領でも1年間見続けてきたが、また違う物をみると圧倒される。
周囲の風景に溶け込まず、異様な存在感を放つ巨大なドームに葉菜は息を飲んだ。
「あ、あれが私の通う、新しい学校かっ!」
みなさまこんばんは!イロハです!
あるいはおはようございますこんにちは!
数話に渡りアメリカ組のお話が続いております。
一体いつまで続くのでしょうか。
少なくともアメリカ組で通っておきたい
ストーリーがまだ複数個残っているため、
暫くはこちら側のお話が続きます!
よし、今回はこれで終わりましょう!
只今これを書いている時刻、21:30分前です。
30分後の世界にお住まいのみなさま、
お読み頂きありがとうございます!
それではっ!
※Twitterもあります
https://twitter.com/iroha_TETUHANA
【次回投稿予定日は 4月22日 22時 です】